*ブラザーコンプレックス13*
*パラレル設定
*商社マンライル
*超短い^^;
許せる方のみど〜ぞ
今日は二人揃っての休日。
一日中いちゃいちゃ引っ付いていられる日だというのに…
俺の愛しいライルは読書に夢中でした。
「なぁ〜ライル〜」
「うるさい」
「うぅう…」
昨日会社の帰りに買ってきたらしい本。
しかもその内容は秘密で、朝から部屋に閉じこもって俺の相手をしてくれない。
ドアにへばりついてライルに呼び掛けるも返ってくるのは素っ気ない返事ばかりだ。
「…さみしいよぅ」
ドアに背を預け、少しでもライルの近くにいようと座り込む。
それこそ一年前…兄弟から恋人になる前はこの距離は普通だった。
でももう我慢などできない。
一分一秒でもライルの傍を離れたくない。
埋められた溝がまた開いてしまいそうで怖いんだ。
「ライル…」
せっかくの休日を冷たい廊下で過ごすなんて、地味に凹む。
でもここから離れたくない、ドアを隔てた場所でもいい、ライルの傍にいたい。
「好き…好きだよライル」
抱えた膝に顔を埋めた。
「え?あれ?……まさか…ちょっと!ちょっと兄さん?!そこにいるのか?なにやってんだアンタは!!」
「…ぅえ?」
いつの間にか眠っていたらしい俺は、背中に小さな衝撃を受け、続いて耳に届い た愛しいライルの声に目が覚めた。
慌てて腰を上げると背中に勢いよく開いたドアがブチ当たり、目の前の壁に飛ばされた。
ゴン、と鈍い音が額からする。
「あ」
「いだい!!!」
「大丈夫か?」
「いててて…うー…ライルーぅ」
やっと姿を見せてくれたライルにしがみつく。
ライルはあやすように俺の頭を優しく撫でた。
「はいはい、痛くない痛くない。で、そんなトコでなにしてたんだ?」
「……ライルの傍にいたかった…」
「…え?」
「なぁライル。読んでるの邪魔しないから…お願いだから傍にいさせてくれよ。 同じ空間にいるだけでいいんだ…頼む…」
「兄さん…」
強く抱きしめた身体は暖かい。
ライルの鼓動も、匂いも、ライルの全てを感じられることが幸せで仕方ない。
必死で縋り付いていると、宥めるように背中をぽんぽんと叩かれた。
「悪かったよ…放ったらかしにして」
「…我が儘でごめんな?でも俺…」
「わかってる。兄さんの思ってることわかってるから。一人にして悪かった。今日はせっかくの休みだもんな」
やんわりと身体を離し、ぶつけて赤くなっていた額にライルのキスが贈られる。
「昼飯外で食べない?えーと、まぁ…デート?」
「っ…!行く!」
「よし、じゃあ支度してリビングに集合」
「オーケイ!」
照れ臭そうにはにかむライルが愛おしい。
俺の不安なんて、ライルの笑顔一つで吹き飛んでしまうんだ。
「ライルー、こんなのどうだ?」
「あー却下」
「ええええっ」
「ださいよ、こっちのがいい」
「おぉっ、ホントだ!似合うなー」
ファーのついた黒いジャケットを自分にあてるライルは可愛い。
もうなにを着ても可愛い。
「…だらしねー顔すんな。ちなみにコレはアンタ用だからな」
「えっ?俺?」
「俺にはこっちのがいいし」
ジャケットを俺の腕に押し付け、持っていたもう一着、ピッタリとした黒革のジャケットを自身に合わせる。
俺はほう、と嘆息した。
「ホントお前はセンスいいなぁ。確かにそっちの方が似合ってる」
「顔はおんなじでも…やっぱ違うから。同じ服着ても同じように似合うわけじゃないんだよな」
そのジャケットも俺に押し付け、インナーがあるコーナーに向かう。
まだ暫くショッピングは続くようだ。
久しぶりのデートに今朝のことなど忘れて浮足立つ。
あっという間に夕方になり、近所のスーパーで買い物をして帰ることになった。
「なぁ、今日はライルが作ってくれるの?」
普段あまり見ない食材をカゴに入れるライルに問い掛ける。
「まぁ…うん。味に保障はしないぞ、初挑戦だから」
「新メニューか!うはぁ楽しみだなぁ」
「だーから、だらしない顔すんなって」
ライルの料理は美味しい。
どんな物が出されても笑顔で食える自信がある。
「こんなもんか…さて、帰るか?」
「おう!」
暗くなった道で、俺はそっとライルの手を握った。
「うし、やっぞ」
「なぁー、なんか手伝う?」
「なんもない。明日の天気予報見といて」
「うう…了解…」
リビングでニュースを見ながら耳をそばたてる。
ライルの出す音が聞こえるこの場所なら文句は言うまい。
「んー、うまいかも」
独り言が聞こえ、犬のように反応しキッチンに足を向ける自分が滑稽にも思えるが、これは愛故の行動だ。
「ライルライル、俺も味見したい」
「ったく、待てが出来ないのな」
「うん、出来ない」
「…ほら」
「サンキュ!肉…?」
「日本のすき焼きって料理」
「すきやき?」
「ど?」
柔らかい肉の旨味と、つゆの甘味。
なんだかとても幸せな味だと思った。
「美味しい」
「そか、成功だな」
「えーと…前食べた鍋に似てるけど、味は全然違うな」
「これも冬の定番料理なんだと」
「へぇ。でもなんでまたいきなり?」
「最近急に冷えてきただろ?だから去年の鍋思い出して…兄さん美味しい美味しい言ってし…」
確かに、日本料理は中々好きだ。
ライルなりに自分達の口に合うように味つけを変えているらしいが、これまでにライルが作ってくれた日本料理でハズレはない。
「それで、さ…」
ライルの視線がシンクの上に移動する。
それを追えば、本があった。
多分昨日買ってきて、今朝俺からライルを奪っていた憎い本。
写真と文字とイラストと、わかりやすく纏められたそれはどうやら
「…料理本?」
「…日本料理大全」
「……これを、朝から読んでたのか?」
「兄さんに、食わせてやりたくて」
みるみるうちに頬を染めていくライル。
胸がきゅううぅっと苦しくなってたまらなくなって
ライルを思いきり抱きしめた。
「わっちょ…!」
「〜〜ッ!!ライル大好き愛してるうう!!!」
「兄さっ…あ、危ない!苦しい!」
「もうホンット!なんなんだよお前!可愛過ぎる好き過ぎてたまんねぇ!!」
「わか、わかったから!危ねーって!火!火が!」
「いでぇッ!!」
足の甲を踵で踏まれて悲鳴を上げる。
しがみつかれている時の撃退方を教えたのは俺だが、俺に使わなくてもいいんじ ゃないだろうか、弟よ。
「あぶねー、煮え過ぎるとこだった。えーと、これで後は…生卵をといて、つゆと肉と絡めて食うと旨い、と。んで白米だな〜」
「…ライル…お兄ちゃんは大変寂しくなりました。キスしてくれたら直ります」
しらけた視線に更に凹みながらキスをねだってみる。
ライルは緩く首を振って、俺の胸倉を掴んだ。
そして唇に甘い感触。
「っ…」
「…これでいい?ご飯炊けてるからよそって」
「ううっ、やっぱ可愛い好きだ〜っ」
「はい、はい」
幸せな休日。
幸せなデート。
幸せな食卓。
なんて幸せな毎日。
「なんで今朝部屋に入れてくれなかったんだ?あれ読むだけなら別にいいだろー に」
「…びっくりさせたかったんだよ」
「びっくり?」
「突然美味しいもの出された方が嬉しいだろ?それに上手く出来る自信もなかったし」
「まぁ…ちょっと、てかかなり寂しかったけど…俺のこと想ってのことだったんだな?」
「…うるさいなー」
「うへへ…ライル、愛してる。ライルの料理なら俺なんでも美味しく食えるよ」
「そーですかー」
「うへへへ、可愛いなぁ俺のライルー。大好き」
「……そ」
柔らかいベッドの上でむぎゅうっとライルを抱きしめる。
目立った抵抗はない。
調子にノッてうなじにキスしても怒られない。
さて、幸せな食卓の後は
「ライル、一回だけ。な?」
「…もー好きにしたら?」
幸せな夜の始まり。
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ブラコンシリーズ第13弾!
寒くなるとすき焼きとおでんが恋しくなります。
あとシチューもいいね。
すき焼きの甘さが、凄く幸せな味だな〜とこないだ思ったので、ニルライに!!
好きな人が美味しそうに食べている姿ってなんでかもの凄く好きです。
こっちも幸せになる^^
兄さんは毎日毎日幸せで感謝してると思います。
ライルはたまに幸せを強く感じて感謝してると思います。
感謝する相手は、もちろん恋人
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