*ブラコン・メリークリスマス!*
*パラレル設定
*商社マンライル
許せる方のみど〜ぞ
「は?仕事なの?」
ライルの問い掛けに対し、ニールは苦渋の表情で言葉を紡いだ。
「有り得ねぇよな…あぁ、有り得ないとも…。なんで今年に限って仕事入ってんだよ?!!」
「いや俺に言われても」
わっ、と机に突っ伏し叫ぶニールを見下ろして肩を竦める。
「うううっ…酷ぇよ…去年も一昨年も仕事なかったじゃんかよぉ…」
「まぁ仕方ないんじゃね?社会人なんだし」
「お前と恋人として過ごす初めてのクリスマスだぞ?!気合い入れてたのにー! 」
「本来クリスマスは恋人のもんじゃねーっつの…」
めそめそ喚くニールを置き去りに、紅茶をいれに席を立った。
キッチンで湯を沸かしながら独り言を呟く。
「…俺らみたいなのに祝われたって嬉しくねーよ…」
「ライルー?なんか言った?」
「…いや、なにも!兄さんも飲む?紅茶」
「飲む!」
打って変わって嬉しそうなニールの声に苦笑しながら、ライルは心の靄を払うために頭を振った。
そしてその夜、二人でベッドに入った時にニールは神妙な顔をして言った。
「なぁ、イヴに色々しちゃわないか?」
「……色々ってなんだよ、なんで目ぇ据わってんの」
「パーティとか、コスプレとかラブラブエッチとかプレゼント交換とか!」
「最初と最後しか理解できませんでした」
「酷っ!」
明日も早い。
そそくさと布団を被る。
そんなライルに追い縋るように布団を被ったニールが中でライルの身体を抱き締めた。
「ライルーっ」
「うっさい離せ、寝る」
「明日パーティしようぜ?準備は全部俺がしとくし、翌日お前はずっと寝ててもいいんだし?」
「…コスプレなしならいいよ」
「………………オーケイ…」
「ものすげぇ間だなぁオイ」
「うううライルのミニスカサンタ見たかったぁ」
「アホか!おぞましい!」
「どこがだ!たまらんエロイぞ絶対!」
「あーもうこのアホ!とりあえず寝る!俺は明日仕事なの!」
「わかったわかった、落ち着けライル」
「誰が怒らせたんだ!」
「ごめんって…あ、なぁ明日迎えに行ってい?」
「…なんで?」
「そういう気分。あと牽制?」
「……好きにしなよ」
「サンキュ、ライル。お休み」
「お休み、兄さん」
至る所にキスを受けて、優しい温もりに身を任せればすぐにおりてくる瞼。
静かに静かに二人は眠りに落ちていった。
「よし、こんなもんかな。後は自信のねぇ料理を買いに行くのと…予約しといたケーキは…帰りにライルと取りに行こ」
リビングと寝室を飾り付け終わり、ニールはぐっと伸びをした。
凝った肩をぐるぐると回して深呼吸を繰り返す。
部屋をぐるりと見回して、満足げに微笑んだ。
「ムード満点、完璧だろ」
出窓に飾られた小さなツリーと、その横に置かれた家族の写真。
写真の中で微笑む両親と妹に向かって話しかけた。
「…今年は特別なクリスマスになったよ。家族であり恋人と過ごす聖夜…。
ライルが乗り気じゃない理由はわかってるんだ。でもさ、やっぱりこういう日は…祝ってはしゃぎたいだろ?」
自分も彼も、世間的に認められない関係であることはわかってる。
でも、それでも 自分達はお互いを選んだ。
「…よし、買い出し行くか!」
気持ちを無理矢理切り替えて、ニールは車のキーを手に取った。
「なぁ、クラウスはなんか欲しいもんある?」
「……えーと?」
「いやあのさ、兄さんがプレゼント交換したいってんだけど…。思いつかなくて 。参考にしようかと」
「去年は適当にマフラーをあげたと言っていたが?今年は悩むのか」
「うっ…ぐ、ううぅるさいっ!」
「ははは、冗談だよ。今年は特別だもんな。はて…私が欲しいもの…」
“特別”、その単語に僅かにライルは顔を歪めた。
ライル自身は無宗教ではあるが、幼い頃に植え付けられた知識と常識がどうにも邪魔をしてしまう。
素直にただのイベント事だと割り切れなかった。
「…どうした?」
「ん?いやなんでもねーよ。うん、やっぱ楽しまなきゃ損だよなぁ」
「…?あぁ、そうだね?」
「で?なにが欲しい?」
「個人的には時間が欲しい」
「うっわ切実!大丈夫ですか上司殿」
「ははは、大丈夫だよ」
「…時間はさすがにやれねーよ…。アンタが忙しくならないよう努力はするよ… 」
「ははは冗談だって。そうだなぁ、時計、なんてどうかな?」
「時計?」
「これからの時間は貴方と刻みたい、そんな願いを込めて」
「……………キザ!」
「失礼な、ロマンチストと言ってくれ」
「生憎俺はリアリストなんでね」
「しかし彼なら喜んでくれるんじゃないか?」
確かにニールはロマンチストだ。
ライルはしばし顎に手をあて考え込む。
「……ん、サンキュー。参考になった」
「どういたしまして」
「じゃあ俺はアンタに少しでも多くの自由な時間をやれるように仕事してきますよ」
「それはありがたいね」
デスクに戻り、休憩時間はまだ終わっていないが仕事に取り掛かる。
仕事の傍らネットを開き、近所の時計屋を検索した。
「メリークリマース!」
「メリークリスマス」
カキーン、と、高らかな澄んだ音がグラスから鳴り響く。
「正確にはイヴだけどな」
「気にすんなよ細かいことは〜」
「しかし飾り付け頑張ったね」
「ムード満点で最高だろ?これならお前でもふにゃふにゃした気分になってくれるかなーと」
「ふにゃふにゃってなんだよ…。まぁ確かに、気分は盛り上がるな」
「!だろ?!」
「はいはい、ほらケーキ切り分けるから」
ケーキの可愛らしい飾りは全て一つにまとめ飾りなおし、家族写真の横に置く。
エイミーの笑顔が増したような気がした。
「…うん、やっぱ楽しまねーと後悔するな」
「ライルー?食べようぜー」
「わかってるよ、今行くから」
家族に背中を押されたように気持ちが軽くなる。
ニールの前に座り、ライルは極上の笑顔を向けた。
「兄さん、メリークリスマス」
食後、ニールは嬉々としてライルへプレゼントを渡す。
「ほら、ライル!」
「ありがと…」
「開けてみ」
長方形の箱は、何度か見たことがあった。
予想通り出て来たものはセンスのいいネクタイ。
「うわ…兄さんにしてはいい趣味してるな」
「おい…褒めてないだろそれ…」
「…ん?え、なにこれ。おいこのネクタイピン、ダイヤついてねーか?!」
「お洒落だろ」
「バカッ、これ絶対高いだろ?!」
「ライルに似合うと思ったヤツがたまたまそれだったんだよ、値段は気にならねーなぁ」
「…ほんと、あんたって人は…。……ありがと…」
「どういたしまして!」
「つか、先に渡すなよ…渡し憎くなる…」
「俺の1番欲しいものはここにあるからなぁ、別になくてもいいくらいだぜ?」
「……アホ」
「なぁライル?ネクタイを贈る意味、知ってる?」
ニヤリと悪そうに笑うニール。
ライルはしばし考えて首を傾げた。
「貴方は私のもの、貴方を縛りたい、そんな意味」
「……っ、おまっ」
「縛られてくれるだろ?ライル」
奪うように唇にキス。
ライルは顔を真っ赤にしてニールを引き離し、その胸に自身からのプレゼントを押し付けた。
「ほらっ!」
「ライルもくれるのか!ありがとな〜。開けてい?」
「あぁ。たいしたもんじゃないけど」
「……腕時計?」
シックで落ち着いたデザインの時計を取り出しニールはふにゃりと微笑んだ。
「…貴方の時間は私のもの?」
「…はっ?!」
「そういう意味でくれたんじゃなくて?」
「バッ、違っ…、そ、それはだな、これからの時間は貴方とき…刻みた…」
「ははっ、ほとんど同じ意味ってことで!サンキューライル!」
「わっ、こら!違うって!」
ライルをソファーに押し倒し強く抱きしめる。
二人は暫く子供のようにじゃれあった。
「ンッ…あ、はぁ…うぁっ…」
「ライル…んー…」
寝室までも優しい飾り付けがされていて、今夜だけは蝋燭の明かりだけで夜を過ごす。
心許ない光が揺れて、その光に反射した色とりどりのボールが七色の光を生み出した。
「あっ、う!ちょっ…ま、待って…なんかこれ恥ずかしっ…」
「幻想的でむちゃくちゃ綺麗だぜ?ライル…」
「バッカ…!だから恥ずかしいって…!」
「大丈夫、俺しか見てねーよ」
ライルのうすらと汗の浮かぶ腹筋に口づけ吸い上げる。
唇を徐々に下降させ、震えるソコを舐め上げた。
「ひぁあっ!」
「ま、俺以外には見せねーけどな」
「あうっ、まっ…そこでしゃべっ…ッ!」
「あーたまんね…愛してるっ」
「やぁっ!や、ンン!にいさっ」
がっつくように舐めしゃぶるニールの頭を引きはがそうと腕に力を込めるが、快感に支配された身体にはうまく力が入らない。
ただ添えるだけになってしまった。
「ふぁ…あ、兄さんっ…俺、もしたいっ…からぁっ」
「……え?」
「お、れも…兄さんの舐める…」
トロンと溶けた瞳がニールを見詰めていた。
ニールはごくりと唾を飲み込む。
「え、と…な、舐めてくれんの…?」
「…たまに、は…」
「…やべ、超嬉しい」
ゆっくり身体を起こし、ライルのしたいようにさせてやる。
必死で自身をしゃぶるライルが愛おしくてたまらなくなった。
「っ…きもち…ライル、無理しなくていいんだぞ?」
「らぃ…ろぶ…ン、んぅ」
「ふぁ…うー…まじ最高…」
「にいしゃ…んっ、も…」
「ん?」
ライルはうっとりとソレにほお擦りをしながらニールを見上げる。
「ッ…ど、うし…」
「も、これ欲し…まだ、だめ…?」
「〜〜〜ッ?!」
ニールは思わずライルの肩を掴み引き離す。
呆然としたライルが途端に表情を歪めた。
「にい…さん…?」
「あっっ違っ…!び、びっくりしたっていうか、限界突破したというか!」
「なにそれ…」
「いやだからっ…なんもねーのにイキそうになったっつうか…」
「……なにそれ…」
「うん、ほんとなにそれだよな…。えーと…じゃあご要望にお応えして」
そのままライルを抱き寄せ、自身に跨がせる。
「兄さん…」
「ほら、ゆっくりでいいから…自分で挿れてみ?」
「…ん」
あまり慣れない体位のせいか、ライルの表情は険しかった。
ニールは腰を支えながら胸にキスをして宥める。
「ひ、ぐぅっ…ッ、う、あっ…あ、あああ」
「大丈夫か?」
「んんっ!あふっ…も、少し…」
「あぁ、ゆっくりでいいぞ」
「ヒ、んっ…あ、あ、っは…はい、たっ?」
中の圧迫感に耐えながらライルは微笑みニールに聞いた。
そんなライルにニールもキスをして微笑む。
繋がった部分を指先で撫でて伝えた。
「あっ、ゃあっ!」
「ほら、ぴったりくっついてる」
「んぅ…にいさっ…」
「ライル、大好き、愛してるよ」
「あ…ぉ、れも…愛してる…」
後は言葉にしきれない想いを伝えるべく、二人は無我夢中でお互いを求め合った 。
「ライル、ライルごめん…少し起きてくれ」
「……ん、うぅ…や…」
「ラーイル」
「な、に…」
「仕事行ってくるな」
「…あ」
ライルは目を擦り意識をハッキリさせようと躍起になる。
そんなライルの手を掴み止めさせ、赤くなった目元にキスをした。
「こーら、擦っちゃダメだろ?」
「うー…にぃさん…」
「帰りは明日になっちまうと思うけど…なるべく早く帰るからな」
「…ん、頑張って…」
「さんきゅぅ」
ライルからのキスを貰い、ニールは満足そうに笑った。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
メリークリスマス!
愛しい人よ!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜 オマケ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おはよう!メリークルシミマス!」
部署に入った途端に満面の笑みでそう言ったロックオンに全員の憐憫の視線が向けられる。
「…凄まじい登場だな」
「余程今日仕事があるのが嫌なんでしょうね…」
「たかがイベント事だろう、万死」
「よーぅ!マイスター諸君!」
「おはようございます」
ニコニコと貼付けたような笑みのままのロックオンに応えたのはアレルヤだけだった。
「今日も一日、みんなで悪党をこらしめようぜ」
「ロックオン…決め台詞をさっきのにしたりしないで下さいよ?恥ずかしいから 」
「え?なんでバレた」
うわぁもう全力で仕事が嫌なんだこの人
その場にいた全員がそう思った。
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ブラコンシリーズ!クリスマス編!
甘くてラッブラブのニルライクリスマスを書きたかったです。
でもうちのライルはリアリスト…^^;
ネクタイやら時計やらはどっかで聞いた意味なので、ホントにそういう意味があるかは定かではありません^^
兄さんの良いセンスは対ライルにのみ発揮されると思います!(笑)
ではではみなさま!
メリークルシミ…クリスマス!!!(^▽^)