*invitation2*



*一期設定
*クラウスが軍人という捏造設定アリ


許せる方のみど〜ぞ




閑静な住宅街。

何度となく訪れたライルの自宅前に車を停めてニールは口を開いた。





「……じゃあ、ここで」
「…あぁ」

ライルはしばし戸惑い、ゆっくりとドアを開ける。
開けて動きを止めたライルは、振り返り不安に揺れる瞳でニールを見詰める。
まるで鏡に写したかのように同じ表情をしたニールがそこにいた。

「兄さん…」
「…これが最後だぞ。…本当にいいんだな?お前が頷いたら、俺はもう手を離せねぇから…」
「いいよ」
「っ…ライルッ…」
「頼むよ、兄さんと一緒にいたい…。いさせてくれよ…」

ライルがそっとニールの人差し指を掴む。
手を包み込めないのは、まだライルの中にニールに対する不安があるからだ。
ニールはふわりと微笑み、自身の指を掴むライルの手に指を絡め、強く握った。

「わかった。ありがとう、ライル。愛してる」
「兄さん…俺も…ンッ」

安心したように頬を緩めたライルの唇を塞ぐ。
暫くの間吐息を奪い合い、名残惜しむように唇を離した。

「…三日後に、慰霊碑の前で待ってる。ずっと待ってるよ」
「…わかった、必ず行く…」

二人にとっては多分生まれて初めての真剣な約束を交わし、微笑む。

「お休み、ライル。いい夢を」
「お休み。兄さんも」






夜は静かに更けていった。










本当に、これで良いのか?

俺にはなんのも問題ない。
連れて帰ってしまえばこちらのものだ。
スメラギ達に文句は言わせない。

でも、ライルを争いの最前線に連れて行ってしまうことになる。

「……ライルを…」

再会した時と同じような曇り空の下、ニールは苦虫を噛み潰したような表情で唸った。

ライルを連れて行くことは、自分自身にはむしろプラスになる。
アイルランドではまだ頻繁にテロが起きていた。
ライルがいつそれに巻き込まれるかわからない中、傍にいられないのが嫌だった。

自身の手元に置けば、身体を盾にしてでもライルを守れる。
なにより、会いたいとそう思った時にライルに会えることが
ニールにとっては至福の喜びなのだ。

戦う力が湧く。
弱気になどならない。

「ライル……」



まだ約束した時間までだいぶある。
彼が来る確証などない。
不安と期待がせめぎ合う。





ニールはゆっくりと星空を仰いだ。
















「本当に、行くのか?」
「あぁ」
「…いきなり宇宙へなど…」

ライルの正面に座る男、クラウスは俯く。

「ごめんな…でもアンタには知っていて欲しかったんだ。俺は、宇宙へ行くよ」
「…理由は、どうしても教えてくれないんだな?」
「…大事な人が、宇宙にいるんだ」
「ッ…!それは………お兄さんか?」

ライルは何も言わず微笑んだ。
クラウスにはそれだけで全てが伝わる。
肩の力を抜き、クラウスは困ったように笑った。

「まったく…なら私に止める理由はないな」
「クラウス」
「いきなり会社まで辞めて部屋を引き払って宇宙に行くなんていうから驚いた。合点がいけば簡単な話だったな。ククッ…ハハハハハ」
「…そんな笑うなっ」
「すまない。いやしかし、嬉しいよ」
「何が?」
「君が、憑き物がとれたような顔になっていることが」
「えっ…そ、そうか?」
「あぁ。良かったな、ライル」
「……サンキュ、クラウス」
「ふ。あ、そうだ、私も報告がある」
「ん?なに?」

クラウスは姿勢を正しライルを見詰めた。
そんなクラウスにライルは首を傾げ、言葉を待つ。

「軍を辞めてきた」
「………はぁ?!」
「声を抑えてくれ」
「あっ、あぁ、わるい…って、なんでいきなり?」
「タクラマカン砂漠でのことがキッカケ…かな。それ以前から軍上層部に不満を持っていたことは知ってるだろう?」
「あぁ…でも」
「いい機会だったんだ、仲間も何人も辞めた。私も便乗したんだ。軍にいては出来ないことを、私はやる」
「…それって、なんだよ?」
「……すまない、言えない」
「…そうか」
「多分、私達がこうして会話するのもこれが最後だろう」
「………かもな」
「そんな顔をしないでくれ。先に私を置いていこうとしたのは君なのに」
「…悪ぃ。ただ俺、そんな覚悟なかったかも、と思って」
「そうだな…私も、言葉にしても実感がわかない」
「…あのさ、また、会えるよ」
「…え?」
「生きてりゃどっかで会えるさ。そうだろ?これでハイお別れ、なんて、俺は嫌だね」
「ライル…。あぁ…そうだな。きっと、いつか、会おう」
「もちろんだとも」

お互いに差し出された手を強く握った。















「お待たせ、兄さん」
「ッ……ラッ」
「しー、今何時だと思ってんだ?」

暗闇の中、ライルはサングラスを外しながらニールに注意する。
そんなライルの様子にニールもやっと張り詰めていた緊張を解いた。

「来て…くれた…」
「なんだよその言い方。信じてなかったわけか?」
「違う…そうじゃない。安心したんだ。あれは夢じゃなかった…」
「兄さん…。ごめん、俺も実は兄さんがいないかもって、ちょっと思った」
「はは…じゃ、お互い様だな?」
「だなぁ」

傍まで来たライルの身体を抱き寄せ、キスをする。
深夜の慰霊碑公園には二人以外いない。
しばしお互いの存在を確かめ、ニールから身体を離した。

「…連れていくよ」
「…あぁ、ついていく」


連れて行く覚悟はついた。

地上に別れを言う覚悟はついた。







闇の中に隠れるガンダムを見上げて、二人はそう思った。











ガンダムの足元についてからのニールの行動は素早かった。

「これに着替えてくれ」
「宇宙服?」
「軍に見付からないように全速力で宇宙に上がる。大気圏離脱時にすげぇGがかかるからな」
「そうか…えぇと…あの運転より荒くなる?」
「は?あ…ああ〜…いや、あれは例外」
「はは、良かった。まじ吐きそうだったあれは」
「悪かったなぁ、必死だったんだよ」
「はいはい、助かったよ。よい、しょっと…これでい?」
「おう」
「…兄さんのヤツはなんかピッチピチだな」
「そうかぁ?ノーマルスーツに比べたらそうかもな。一応、戦闘用だし」
「……本当に、戦ってたんだな」
「…………ライル」
「ん?」

ニールはライルと向き合い、肩を掴み見詰めた。
その真剣な瞳にライルは戸惑う。

「に、兄さん?」
「俺はお前を戦場に連れて行ってしまう。普通に暮らしているよりも死ぬ確率は高いだろう…。でも、それでも、俺はお前を絶対に死なせない。俺が守るから」
「…あぁ、わかってる。覚悟はできてるよ。兄さんが傍にいてくれるなら俺は何も怖くない」
「そうか…俺もだ。ライルが傍にいるだけで、俺は強くなれる。ライルが待って いてくれるなら、絶対に生きて帰る」

声が力強い。
ライルはふと表情を緩めてニールに抱き着いた。

「信じてる、ニール」

ライルのその一言で
ニールの中でまだ燻っていた気持ちにケリがつく。

いつものように頼れる兄貴分の笑顔を作り、ライルへ手を差し延べた。



「行こうライル。ソラにご招待だ」









愛機、ガンダムデュナメスのコクピットに最愛の弟を乗せ

ニールは操縦桿を握った。











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続きをとの声がありましたので、コツコツと書いておりました!!^^

しかしエロ入るだろうと思ってたら入らなかったな。
兄さんもライルもそれどころじぇなかったみたいです(笑)
初えっちはトレミーの兄さんの部屋ですね!(爆)

またコツコツと続きを書けていけたらいいなと思います。
兄さんが連れてきたライルに対する刹那達の反応とか対応とか書いてみたいですね。
最初から兄さんのモノなライルに惹かれてく刹那とかね…!(三角関係大好物)




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