*invitation3*



*一期設定
*わたくし、CBという組織についてよくわかってません(爆)
でも上層部とかあるよね多分
トレミーメンツより偉い人いっぱいいるよね多分


許せる方のみど〜ぞ




「えーと…これは…有りなのか?」

ライルの引き攣った笑顔に苦笑を返すしかなかった。

ガンダムのコクピットは狭い。
一人乗りだから当たり前といえば当たり前だが。
座席の後ろに多少のスペースはあるが、そこはサバイバルキットや工具などの色々な道具が収まっている。
かつて一度だけ、その僅かなスペースに立ち、座席を掴んで移動に耐え行動を供にした男は鍛え上げられたエージェントだ。
一般人であるライルと比べられるわけがない。
結果、もう一人を乗せるスペースはココしかないわけで。

「我慢してくれよ。あとしっかり抱き着いてないと危ないからな?」
「つぅか…アンタ前見えんの…?」

ライルは俺の膝の上に向き合う形で座り、そわそわと気まずそうにしながら呟いた。

「大丈夫、お前がしっかり抱き着いてくれれば見えるよ」
「う………」

あぁ、もうホント頼むからそんな可愛い顔しないでくれ。
一番好きで堪らない人を膝の上に乗せてるんだぞ。
お前も男ならわかるよな?
あぁっもう!!

「に、兄さん?どうした?」

一人で百面相をしていたらしく、きょとんとしたライルに呼び掛けられ我に返った。
慌てて頭を振り邪念を払う。
落ち着け、悶々するのは無事何事もなく帰還してからだ。

「なんでもねぇよ。ほら、宇宙空間に出るまで抱き着いててくれ」
「う…わかった…。あ、あのさ」
「ん?」
「俺の心臓…」
「しんぞう?」

遠慮がちに俺にしがみつきながら、ライルが肩に顔を埋めて呟く。
横目に見たライルの耳たぶは真っ赤に染まっていた。

「どっ、ドキドキして気になるかもだけどっ…気にすんなよっ?」
「ッ…!!」

思わず息を呑み、動かそうとしていた指先が硬直する。
パネルの上で固まった指先がチリチリと熱を帯びるのがわかった。

この子は…もう…!!

「〜っ……俺もだから、気にすんなよな?」
「…う」

やっとの思いで吐き出した言葉。
パイロットスーツの胸元は分厚く硬い装甲がされているから、心音など届くわけがないのに。
それに気付かず自己申告してしまうライルの愛らしさったらない。

今祈ることは無事帰還することより、帰還するまで俺の理性がもちますように、 だった。
















「っ…くっ…」
「苦しいか?」
「ん、すこ、しッ…」

大気圏を突破する最中、ライルが身体を強張らせて息を詰める。
片手を操縦桿から離し、背中を撫でてやった。

「いいか、なるべく力を抜いて」
「んっ…」
「……………やべぇ」

まるで最中のようだ、とピンク色に染まる脳内に喝を入れる。
ライルに向かって一方的に伸びていた矢印をライルに絡め取られたことで、いまや俺の理性はグズグズだった。
心を無にしてただただ帰還することだけを考える。

暫く悶々と自身と戦っていると、ふわりと身体が楽になった。

「…ふう、よしライル、大気圏抜けたぞ。大丈夫か?」
「……あ、あぁ大丈夫…すげ、なんか長いことジェットコースター乗ってたみたい」
「しかも落ちっぱなしのな」
「そうそう。よくこんなの乗ってられるな」
「訓練したからなぁ」

ライルの身体が僅かに強張った。
俺がテロリストだということを再認識し、恐怖を覚えたのだろう。
当たり前だ、人殺しの腕の中にいるのだから、怖がって当然なんだ。

「…兄さん」
「ん?」

もう身体を離しても構わないのに、出来る限り隙間を埋めるように抱き着いてく る。

「…ライル?」
「…大好きだからな」

ポツリと呟かれた言葉はヘルメット内蔵のスピーカーから至近距離で鼓膜を揺ら した。

「っ…いきなりどうしたぁ?」
「そう思ったんだ。兄さんにまた会えて嬉しい、連れて行ってくれて嬉しい。だから…ありがとう」
「…あぁ、お前は…ほんと俺を幸せにする天才だな!」

操縦桿から両腕を離しライルの身体を抱きしめる。
抵抗するかと思いきや、素直に抱きしめられているもんだから更に可愛い。

「兄さん…操縦」
「ん、あぁ大丈夫、もう少しだけ」

今日は相棒であるハロはいない。
自動運転に切り替えることはできないが、少しくらい手放ししても問題はない。
暫くライルを抱きしめて、幸せを噛み締めた。

「…早く、直に抱きしめたいなぁ」
「へ?」
「だから、直に。肌と肌で」

わざと吐息を込めて囁けば、バイザー越しでもわかる程ライルの頬が朱に染まる 。
にやにやと見開かれた瞳を見詰めていれば、唐突に頭突きをかまされた。

「いでぇ!ちょっ…中でゴンッて!ヘルメットも万能じゃねーんだぞ?!」
「恥ずかしいこと言ってんなこのタラシ!!」
「い゛ッッ…〜っ!」

後頭部の痛みよりもライルの叫びによる鼓膜の痛みの方が上だった。
ふと前方を見遣れば、コースから着々と離れて行っていることがわかり慌てて身を乗り出し操縦桿を握る。

「わっ、な、なに?!」
「操縦だよ。やべぇ予定より遅れるとこだった」
「いきなり密着してくるからなにかと思った…」

ライルが溜息を吐きながら身体を寄せてきた。

「眠かったら寝ていいぞ?もうちょいかかるからな」
「……兄さん、今更なんだけどさ…部外者なんか連れ込んで大丈夫なのか…?」
「……………んー、ものすげぇマズイな」
「え゛、まずいのかよ?!」
「守秘義務ってのがあるからなぁ。CBは規則に厳しい組織だし。まぁでも…最近はよくなってきたかな」
「…に、兄さん罰とか受けない?」
「受けるかもな」
「………」
「おいおい、そんな顔しなさんな。大丈夫だって。腐っても大事なマイスター様 だぜ?痛い目には遭わないさ」
「…でも…」
「安心しろ、お前には指一本触れさせない」
「ちがっ、そうじゃない!俺はアンタを心配してんだぞ!」
「だーから、俺もお前も大丈夫だってぇ!お兄ちゃんを信じなさいな」
「…なんでそんなノリなわけ?」
「あら、軽い?」
「…そんなキャラだったっけ?」
「実はかなり浮かれてんだよね」
「はぁ?」
「だって毎日夢に見るお前が俺の目の前に、しかも膝の上にいるんだぞ?その上これからは毎日一緒だっつうんだから、浮かれない方がおかしい」
「…恥ずかしい…」

俯くライルの頭をポンポンと叩く。
本当に浮かれてるんだ。
どうしようもないくらい高揚する。

ライルと離別して、こんな世界に足突っ込んで、ひょんなことで再会して、片想いだったかと思いきや両想い。
そんな夢みたいなことが現実に起こって、嬉しくないわけがない。

それから暫くは二人共無言で暗闇の中を進んだ。














「ん…」
「お、起きたか?もう着くぞ」
「…マジで」
「おぉ、通信すっからちょっとシーな?」
「その言い回しやめてくんねぇ?」
「はいはい」

トレミーへの暗号通信回線を開く。
直ぐさま応答したのはオペレーターのフェルトだ。

「こちらロックオン・ストラトス。どうぞ」
『こちらトレミー』
「もうそろそろ着くぜ。ただいま、フェルト」
『了解。……ぉかえりなさい』

サウンドオンリーで、戸惑いを感じる声音に苦笑する。
しかし出てくれたのが彼女で助かった。
もう一人の彼女なら、なんでサウンドオンリーなのか食いついてくるところだろう。
まだバレちゃダメだ。
トレミーに入ってからじゃねーと。

「…随分若い声だな?」
「あぁ、彼女はまだ14だ」
「じゅっ…?!なんだそれ!そんなっ…!」
「あぁ…おかしいとは俺も思うよ。彼女はCBで生まれ育ってて、自然と…」
「…そう、か…」

まだ幼い少女をこんなテロリスト集団に所属させるなんて間違っている。
ライルの感覚は普通だ。
俺達は矛盾している。
でも、それでもやらなくちゃならない。

お前の未来のために。
…お前との未来のために、って言っても、怒られねぇかな?

「兄さん?どうした?」
「ん?いや、なんでもない」
「……あ」
「ん、着いたな。あれが、CBの母艦プトレマイオスだ」

トレミーから伸びるセンサーに乗り、格納庫へと入っていく機体。
ライルの身体が強張るのを何度も撫でて緊張を解す。

「…到着だ」
「あ、あぁ」

ヘルメットを取ってハッチを開き、ライルをコクピットに残して先に外へ出る。
無重力空間に汗が散るのを横目に見ながら、ヘルメットを抱えて固まるライルへ手を差し延べた。

「さぁ、ライル。トレミーへようこそ」

わざと満面の笑顔でそう言ってやれば、ライルもくしゃりと表情を崩し、俺の手を強く握った。


後戻りはできない。
するつもりもない。


さぁ、みんなに俺の恋人を紹介しようじゃないか!











----------------------------------------------------------------------------
コツコツ書いてやっとここまで辿り着いた…orz
やっとトレミーに着きましたよ長いなぁもう!
なんか書いてるうちに妄想が膨らんでしまいまして、ダラダラと^^;

この後もダラダラと続いていきます。
一応、二期にいたるところまで書きたいと思っておりますです。

ちなみに時間軸は、刹那ティエリアロックオンVSチームトリニティの後のあたりです。
ロックオンが刹那が家族の仇とわかり、許した後ですね。
そんなことがあったもんだからライルの様子を見に行った時に色々とぶっ飛んでしまったという…^^

コツコツ続けていきますですよ!
なるべく定期的に更新していきたいですねこのシリーズは




Return Next