*いぬとの生活2*
*パラレル設定
*刹那17歳、バイト生活中
*ライル(186cm笑)に犬耳尻尾がついてます
*アレハレ双子設定(186cm笑)にも猫耳尻尾^^;
許せる方のみど〜ぞ
「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
俺の新しいご主人様は現在17歳の高校生だ。
学校にバイトに忙しい身分、家にいる時間は多くはない。
一人残された室内で俺がすることと言えば、食器の片付けとうたた寝くらいなもんで…。
来た頃は室内をうろうろと探検していたが、今やもう知らない場所はない。
「暇だなぁ…」
昼下がり、昼寝から目覚めた俺はふとベランダを見遣る。
そういえばベランダに出たことはほとんどない。
犬の習性からか高い場所をあまり好まないためだ。
しかし今日は素晴らしくいい天気。
「少し、だけ…」
そーっとベランダに出て、下を覗くとやはり背筋に寒気が走り慌てて引っ込む。
とりあえず青空を見上げてるだけでいいか、と空を仰いだ瞬間、笑い声が耳に届いた。
「ハハハッ、情けねーなお前」
「えっ?」
声の主は隣のベランダにいた。
手摺りに腰掛け、しかもその両足を外に出している。
しなやかな黒い尻尾を楽しげに揺らし、鋭い金の瞳が細められた。
「ね…こ?」
「ハレルヤだ、猫呼ばわりすんな犬っころ」
「っ!ライルだ、犬っころって言うな」
「あの無愛想なガキんちょがペットねぇ…?そりゃねぇか、預けられでもしたか?」
「ペットだよ、正真正銘」
「へぇ?物好きなガキだな、アンタずいぶんおっさんみたいだけど?」
「まだ24だっっ!」
「チッ、犬はやっぱ喧しいんだよ…」
「なんだとっ?!お前が喧嘩売ってきたんだろーが!」
「うるせーな、挨拶代わりだ。俺は隣に住んでる、アンタがそこに出てくるようになるんなら何回も会うだろうから一応な」
「…ハレルヤは、いつもそこにいんのか?」
「俺様の特等席だ」
「…ふぅん」
やはり猫は不思議だ。
そんな高い場所に座って足をプラプラさせるなんて俺にはとても出来ない。
ハレルヤは楽しげに俺を観察している。
「ジロジロ見るなんて、失礼だろ」
「新入りの品定めはするもんだろ?」
「…アンタ年下だろ…礼儀は通すもんだぜ」
「動物の世界に年齢なんて関係ねーンだよ」
「嫌な奴だな」
「そりゃどうも」
ハレルヤの印象は決して良いものではなかった。
ただ、嫌いだとも思えない。
俺もこの際だからとハレルヤをジロジロと観察することにした。
緑がかった黒髪にピンと立った三角耳、長い尻尾の先が少しだけ曲がっている。
よく見ると、長い前髪で隠れた左目は銀色に輝いていた。
「…オッドアイ?」
「猫じゃ珍しいモンじゃねーよ」
「…凄い、初めて見た…綺麗だな」
金と銀の瞳、それはとても幻想的で思わずそう呟く。
ハレルヤはブッと吹き出してケラケラ笑い出した。
「ひゃはははっ!お前おもしれーな!気に入ったぜ」
「な、なんだよっ」
「犬は好きじゃねーんだけどな、ま、特別だ。感謝しろよ」
「意味わかんねー…」
いきなりされた宣言に首を傾げていると、隣のベランダからガラリと音が鳴った 。
「ハレルヤ?どうしたんだい?楽しそうだね」
「あぁ?なんだよアレルヤ」
ひょこりと姿を現したのは、ハレルヤにとてもよく似た容姿の猫。
違う場所は、前髪で隠れているのが右側ということと、尻尾が真っ直ぐ伸びていること。
「あれ?ワンちゃんだ」
「ワンちゃ…」
その呼び名に唖然としていると、またハレルヤが腹を抱えて笑う。
「あっ、えと、初めまして。僕はアレルヤ。貴方は刹那のペット?」
「あ、あぁ…ライルだ」
「うわぁ、大きなワンちゃん、僕ワンちゃんのお友達欲しかったんです」
「あの…それ止めてくれないか?」
「それ?」
「ワンちゃん、なんて歳でもないんでね」
「あ、ごめんなさい。つい、マリーがそう言っていたから」
「まりー?」
「俺らの飼い主だよ」
「とても優しい女の子です」
「へぇ…。ま、刹那も優しいけどな」
「そうですね、刹那は以前お魚のシチューをくれたよねハレルヤ」
「…猫は猫舌なの知らねーのかあのガキは、って思ったな」
「なんだ、刹那とは面識あるんだ。隣に猫が住んでるなんて聞かなったな。あ… アンタら、兄弟だよな?」
ここまで容姿が似ているのだ、他人ということはないだろう。
しかし、あまりにも性格が違うようで気になった。
「はい、僕達双子なんです」
「…ふた、ご…」
「よく性格が正反対だねって言われるけど、双子だって性格は違うものだよね」
「当たり前だろ、てめぇみたいな性格、俺様は願い下げだな」
「酷いよハレルヤ。僕だって君みたいな性格は遠慮したいよ」
双子の猫は仲が悪そうな会話をしながら、その実とても仲が良いのだと雰囲気でわかった。
胸が締め付けられるような感覚を覚え、無意識に胸に手を当てる。
「…ライル?」
「……え、あ?な、なんだ?」
「顔色があまりよくないみたいですけど、大丈夫?」
「あぁ…悪い。少し冷えたかもな。中戻るわ。えーっと、アレルヤ、ハレルヤ、 また話しような!」
「はい、ぜひ。お大事に」
「気が向いたらな」
「じゃあ」
後ろ手に閉めた窓。
俺は真っ直ぐ寝室に向かい刹那のベッドに潜り込んだ。
普段は許可がなければこんなことはしない。
でも今は、温もりが欲しかった。
布団に包まり刹那の匂いを嗅ぐ。
徐々に精神が安定していき、襲ってきたのは抗いがたい睡魔。
「……せつな、はやく…あいたいよ…」
夢の中で会った人は、昔と変わらず小さなまま。
自分の姿だけが大人で、それでもその人は優しく抱きしめてくれた。
縋り付きたいのに身体が動かない。
ただ与えられるだけの抱擁と、言葉。
それがあまりにももどかしくて涙が溢れた。
「……る、……らぃ……ライル!」
「ッッ!ん、…あ」
「大丈夫か?」
「せつな…」
視界がぼやけているのは涙のせいだと気付き慌てて拭う。
「ご、ごめん、勝手に入って!あ、えと、お帰り」
「いや構わないが…。どうしたんだ?具合でも悪いのか?」
「なんでもないんだ、心配かけてごめん」
「…ライル…」
ベッドから降りようとすると抱き留められ、刹那の胸に顔を埋めることになった。
「刹那っ?」
「…泣きたい時は泣けばいい。俺が傍にいてやる」
「…せつ…」
「悲しいことも楽しいことも分け合おう。せっかく、二人でいるんだから」
優しい抱擁、優しい言葉。
暖かい刹那の腕に抱かれ、俺はまた泣いた。
「……落ち着いたか?」
「う、ぅ…ごめっ…ありが、と…。も、大丈夫」
「なら良かった。お前が悲しいと俺も悲しい」
「へへ……それ、嬉しいかも」
「…なにがあったのか聞いてもいいか?」
「……むかしのこと、思い出して、さ」
刹那の腕に力が篭る。
不思議に思い刹那を盗み見ると、なんとも複雑な表情をしていた。
「…それは、前の主人のことか…?」
「…え?」
「やはり、俺じゃダメなのか…前の主人の元に帰りた…」
「違う!」
いきなり的外れなことを言い出し苦しそうにする刹那に思わず大きな声を上げる。
ビクリと跳ねた肩を抱きしめ、謝罪の意味を込め背中を摩った。
「違う…俺は刹那の傍にいられて幸せだよ?前の主人も大好きだったけど…刹那とあの人は違うから、刹那は刹那だから、大好きだし幸せなんだ」
「…昔のこと、とは…」
「もっとずーっと昔の話。刹那が生まれるよりも前、俺が子供の頃のことだよ」
「ライルが、子供の頃の?」
「そう。あのさ、隣に猫住んでたんだな」
「え?あ、あぁ。アレルヤとハレルヤか。すまない、話してなかったか」
「や、いいんだけどさ。アイツらって仲良いよなぁ」
「…そう、だな…?」
いきなりの話題に疑問符を浮かべる刹那の頭を撫でる。
それでも刹那は俺を急かさずに言葉を待ってくれた。
「…で、さ…双子だろ、アイツら…」
「双子?」
「…俺も……俺にもいたんだ…双子の、兄弟が」
「…そうなのか…。今、その兄弟は…」
一度深く息を吐き出し、瞳を閉じる。
「小さい頃に別々に引き取られて離れ離れになった。もう十年以上会ってないよ 。顔もほとんど思い出せない…。一卵性だから同じ顔してるんだろうけど…。
優 しくて、あったかくて、大好きだったのは覚えてるんだ…」
「…そうか」
「…アイツら見てたら思い出して、無性に寂しくなってさぁ。早く刹那に会いたくなった」
「俺に?」
「そう。刹那の温もりは兄さんに似てる」
より一層擦り寄ると、刹那も強く抱き返してくれた。
「……探さないのか?」
「え?」
「そいつに会いたいんじゃないのか?だったら、探して見つけ出せばいい」
「………前の主人も同じこと言ったよ。探したけど、見付からなかったけどな」
「しかし…」
「いいんだ…もう会えなくてもいいんだよ」
「…ライル…」
「…兄さんはきっと今幸せにやってる。そして刹那が俺を拾ってくれた。それだけで充分だ」
それでいいんだ。
兄さんは優しいし賢い人だから、きっと飼い主に可愛がってもらえている。
俺なんかの出る幕はない。
それに兄さんに会ったら離れたくなくなる。
そんな自信があるから、会うことが少し怖くもあるんだ。
「刹那…大好き…」
刹那はそれ以降なにも聞いてこなかった。
ただ優しく、強く、抱きしめていてくれた。
日課になった猫とのお茶会。
少しずつ少しずつ、生活に変化が出てきている。
前の主人のところではやらなかったこと、初めての体験も少なくはない。
刹那の足元に座り込み膝に頭を寄せ、甘える。
「どうした?ライル」
「んー?幸せだな、って思って」
「そうか…俺も今、幸せだと思う」
刹那のどこかぎこちない笑顔が胸を暖かくしてくれる。
自分はたくさんの愛に囲まれて育つことが出来た。
それはとても幸せなことだと感じる。
「…兄さん…」
次に夢で会う時には、抱き着いて、抱きしめて
自分は今とても幸せだと、そう伝えたいと思うんだ。
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気になった方も多かったニールの存在です^^
いますよーどこかに!!ぬふふ
ニルライはライルがコンプレックスを感じる前に引き離しちゃえば、ライルは兄さん大好きのままだと思います。
兄さんは生まれた時からライルが大事、大好きなので引き離されると悲しくなると思います。
原作ライルは自分が気付いていないだけで、たくさんの愛に囲まれて育った子だと思うんですよね…
受け入れられなかったのは悲しいことだよっ><
なにげにこれもシリーズ化していこうと思います^^;
気になった方多かったその2、ライルの前の飼い主。
まあこれは予想通りです。そのうち書きたいです。
アレハレはにゃんこ!
ハレの尻尾は鉤尻尾!譲れない!!!
ちなみに飼い主はマリーたんとソーマちゃんの双子姉妹です^^
刹那の部屋の左隣がグラハムさん、ビリーは病院の隣に自宅があります。
そんな裏設定^^
そのうち兄さんも登場させたいと思いますっ!!!
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