*ブラコン・ハッピーバースデー*
*パラレル設定
*商社マンライル
許せる方のみど〜ぞ
今日は平日。
兄も俺も仕事がある。
だけど今日は、一年で一番特別な日だから…
二人で過ごそうって、約束したんだ。
会社で同僚達に声をかけられる。
―今日誕生日なんだって?
祝ってやるから飲みに行こうぜ!―
等という有り難い言葉に緩く首を振った。
「悪ぃ、今日は先約ある」
「はぁ?!おま、ついに彼女か?!」
「違ぇよ」
「なんだよー、じゃあなんだよ教えろって」
「そうだぞ、お前も独り身だと思ってたのに!」
「独り身だって」
「「えーっ」」
中々引き下がらない同僚達に苦笑いをしながら、どうしたもんかと思考を巡らす。
ちょうどソコに背後から見知った男が寄ってきた。
「コラお前達、会議の資料、まだ出てないぞ」
「わ!グラード係長!すんません!」
「早く出しに来い」
「はい!」
「……助かったよクラウス」
「なに、誕生日プレゼントだ」
「また随分適当なプレゼントだな」
「ははは、冗談だよ。ほらコレ」
「えっ?ワインじゃん、いいのか?」
「恋人になって初めて一緒に過ごす誕生日、演出の手助けくらいさせてくれ」
「……サンキュ、すげー嬉しい」
「どういたしまして。さて、午後の会議のプレゼン、期待しているぞ」
「りょーかい」
この心優しい旧友にもらったワインをそっとデスクの下にしまい、資料を手にとった。
若干帰宅時間が遅くなり、早足で帰路を急ぐ。
兄にかけた電話が繋がらないためか、余計に気持ちが焦った。
「ただいま!」
たどり着いた玄関先で靴を脱ぎながら叫ぶが、中からはなんの反応もない。
「………兄さん?」
不安になって忍び足でリビングまで行くと、ソファーの上で沈むように寝込んでいる兄を発見した。
「…ね、てる…」
傍まで寄って、顔の前で手をヒラヒラさせても気づく気配はない。
よく見ると、目の下にうっすらクマが出来ていた。
『そういや最近…遅くまで仕事してたっけ』
深夜に帰り、早朝に出掛けていく兄。
会社に泊まれば?と聞いた時には
―お前の顔が見たいから―
と、言われてしまった。
今日早く帰ってくるために、今まで仕事を必死でしていたのを知っている。
「…兄さん」
優しい、愛しい、ニール。
気をとりなおして立ち上がり、寝室からタオルケットを持って戻りその身体に掛けてやった。
「…もう少し寝てろよな」
ラグに座り込んで兄の寝顔を見ていると、急に睡魔が襲ってくる。
自分もこの日のためにプレゼンの詰めをやっていたから睡眠不足は否めず、落ちてくる瞼に逆らえなかった。
ふと、暖かい空気が口許に掛かるのを感じる。
柔らかい感触が唇に広がり、腰を撫でるものに心地良さを覚えた。
「ん、」
「………ィル」
「んん…」
咥内をぬるぬると動き回る何か。
気持ちいい。
夢と現の狭間をうろうろしながら、咥内の何かに舌を絡めた。
「ン、んっ」
「ラ、イルッ…ちょ…」
「んく、ふぅ」
「…ッ、ライル!」
「んぁ?は、ふぁ…」
「お、お前なぁっ」
「………にーさん?」
いつの間にか眠っていたらしい俺の身体は、ソファーに引き上げられ兄の腕の中にいた。
顔を真っ赤にした兄に呆気にとられる。
「どしたの?」
「……眠ってたくせに煽りやがって…」
「は?なに…え、ちょっ」
「お前さんが悪いんだからな」
「兄さん!ま、待て、おい、コラッ…」
腰を撫でていた掌は更に下に滑り、鷲掴むように尻を揉んできた。
スラックスの上からググッと指を突き立てられ、背がしなる。
「ひぁっ…」
「一回、付き合って」
「ばか、やろっ…飯もまだなのに…!ふ、風呂も…」
「一回だけ、すぐ終わらせるから」
「あ、あ、あっ…くぁ、ああもうっ…!じゃ、あっ…んな、風に、上からじゃなくて…じか、にっ…」
「…ッ、だから煽るなって!」
起き上がった兄はソファーに俺を組み伏せ、乱暴にベルトを引き抜き下着ごとスラックスを奪う。
「はぁっ…なんでいきなり盛ってんだよ…」
「だって、あれ以来一度も触らせてくんなかった」
やわやわと愛撫を施しながら、首筋に鼻先を埋めぼやいた。
あれ以来とは、先月の14日のこと。
休みだからと張り切りまくった兄にそれ以降お預けを食らわしたのだ。
「ライルー…大好き」
「あー…俺、も」
「ん、ライル」
ニールは性急に自身を取り出し、俺のと一緒に握り込み扱く。
「うあ、あっ、くっ、ンンッ」
「はぁっ、はっ…ライルー…」
「ぅんんっ、にい、さっ…」
「…たん、じょーび…おめでと」
「ッ…!ん、ん…ニール、も…おめっ…うああっ」
最後まで言うことはできず、視界が白く弾けた。
「ケーキ、チョコにしたぜ」
「うわ、うまそう!」
「ネームプレートは恥ずかしかったから…やめちまった。欲しかった?」
「いんや、この歳になって欲しがらねーよ」
「んじゃ、歌いますか?」
「歌うのかよ…恥ずかしいな」
「去年は俺一人で歌ったじゃん!今年はライルも、な?」
「………わかったよ」
「じゃあついでだからギターも!」
「はぁ?!」
いそいそと部屋に行った兄がギターを抱えて戻ってくる。
音楽が好きな国柄で、俺も兄も幼少からギターを弄っていた。
俺はやはり途中で辞めてしまったが。
「んじゃ、せーの」
ボロロン、と始まったバースデーソング。
お互いにお互いの名前をメロディに乗せ、優しい余韻を残しながら歌を終えた。
「…火、二人で消そう」
「ん」
二人で吹き消した蝋燭から煙が上がる。
兄がテキパキと蝋燭を抜き取り切り分け始めた。
「1番ちっさいのにしたけど、やっぱ二人じゃ厳しいな?」
「明日も食べりゃいいんじゃないか?」
「……本当に食う?」
「……………約束は出来ません」
「ほらなぁ!よし、四等分にしよう」
「はぁ?!でけぇよバカ他のモンが入らなくなる!」
「他のは明日でもいいけどケーキは今日が一番美味いんだ!」
「あぁっちょ、しかもチョコだろ食えねーよ!」
「いいから食べなさい!」
「バカニール!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながらチョコケーキを食べ進めていくと、これがまた案外入るもので。
しっかりと食事も食べ終えワインも飲み干し、苦しくてソファーに沈む。
「…くるしー…」
「これから運動するんだし、大丈夫だろ!」
「………運動?」
「あぁ、ベッド運動」
「またスんのか?!」
「さっきはライルと一つになれてねぇもん!!」
「っ…そ、だけど…。兄さん、明日は平日なのを考慮しろよ?」
「…………善処シマス」
「………やっぱやめねぇ?」
「やめない!ライルの中にいたい!」
「バッ…」
恥ずかしい兄のセリフに思わず赤面した。
「ほらほら、プレゼントもあるんだ。ベッドに行こう?」
「……うぅ」
促されるまま寝室に足を向ける。
ベッドサイドのテーブルから喜々としてプレゼントを取り出す兄を見て、
自分も自分の机からプレゼントを取り出した。
「…あれっ?」
「あ、」
ベッドに座り、お互いに差し出したプレゼント。
同じ箱の大きさ、ラッピングに目を丸くした。
「……えーと、とりあえず、プレゼントフォーユー」
「サンキュー…」
受け取った箱を剥いて、嫌な予感しかしないが蓋を開けて中を確認する。
予感は的中し、中身を掌に取り出して苦笑した。
「石が色違いか」
「前にもあったよなー、プレゼントが被っちまうの」
「……はは、最近はなかったのにな?」
「心が通じ合ったんだろ」
クラダリングがついたロザリオのペンダント。
俺が贈ったものはアメジストがついていて、貰ったものにはルビーがついていた。
「お揃いだな、ライル」
「…ん、そーだな」
「…へへ、嬉しい!つけてやるよ!」
「は?いま?」
「俺にもつけて!」
お互いの首から下がるペンダント。
ニールが愛おしむようにそれに口づけた。
「…ライル、繋がろう?」
「……ん」
優しくベッドに倒されて、指を絡めてキスをした。
「ん、んあっ、あああっ」
「く、うぅっ…あ、ついっ…」
ニールが胎内を穿つたび、ペンダントが目の前でチャラッと音を立てて揺れる。
「ひう、あ、ああっ、ン!」
いつもはしない金属音が鼓膜を刺激し、水音をより一層卑猥に引き立てた。
「にい、さっ…ひぁ!にいっ…ン、んうっう、あ!」
「生まれ、た、日にっ…一つに戻れるのっ…ロマンチック、だよなっ」
「んああっ、ば、バカッ…あ、ひぅっ」
「愛してる、ライル。あい、してっ…ンッ」
「あああっ、ぁ、れ、もぉ!にぃ、る、あいして、ニール、ニぃ…ッ」
身体をギリギリまで折り曲げられ、最奥をニールの熱がえぐる。
瞼の裏で火花が散り、一瞬意識が遠退いた。
「ひはっ…は、はーっ…あ、あ…」
「ん、う…ぅ」
「…はっ、にい、る…」
「ん…」
身体を起こそうとしたニールが、僅かな衝撃とともに戻ってくる。
「あうっ…ちょ、な、なに?」
「え、と…ひ、引っ掛かって…」
「なに、が…」
下を向くと、お互いの胸元で絡まるペンダントが目に入った。
「…これ、離れるなって言われてる気がする」
「……あ゛?」
真顔で呟いたニールに対し、思いきり低い声が出てしまう。
ニールが身体を起こすと、ついていく俺のペンダント。
「…な?」「……いやいや、気のせいだよ兄さん」
「いや、きっと離れたくないってお前も思ってんだよ!」
「違っ、あ!な、なにデカくしてっ…やあああっ、うご、くなぁっ」
「日付が変わっても、繋がってようぜ、ライル」
「うあ、は、ああっ、ンッあぁあ」
また始まった律動に、つられるように身体の熱が上がる。
何度揺さぶられても、相変わらずペンダントは絡まったまま鈍い音を立てていた。
『だからあれほど最初から休みをとっておけと言ったのに』
「ごめん…」
背中越しに聞こえるお互いのしょぼくれた声。
俺の相手はクラウスで
兄の相手はティエリアだ。
「たっぷり怒られた…」
「俺も…」
携帯の電源まで落とし、二人でベッドに寝転がる。
「でもま、こうして今日一日一緒にいられるし!」
「…はぁ、アルコール入ってる上に何回シたんだよ…潰れるに決まってんだろ俺
…」
「いいじゃねーか、年に一度きりだし!」
「…アンタは気楽でいいよな。俺はクラウスしか知らないんだぞ、明日同僚達になんて言われるか」
「恋人が熱出した、とでも言っておけよ」
「……バーカ。クラウスが適当にごまかしといてくれてるからソレに合わせるよ」
具合が良くないのは俺の方だし。
ゴツリと軽く頭突きしてやった。
「いだっ」
「……来年は、最初から休みとるよ」
「えっ?」
「だから兄さんも休めよな」
「来、年…」
「…来年も、絶対一緒にいるだろ?」
「…………あぁ、そうだな」
ニールはいまだ未来に小さな恐怖を覚えている。
だったら俺が引っ張ってやればいい。
来年といわず、一生。
俺が生きている限り、俺はニールのことを想うから。
だから
ずっと一緒にいよう?
----------------------------------------------------------------------------
ブラコンシリーズ誕生日編!!
今回はそんなにエロくなんなかったです。
誕生日はなんかふわふわした感じで過ごしたかった。
アイリッシュは音楽が好きとか、クラダリングとかはアイルランドの指輪です。
ウィキで調べるの楽しいです(笑)
プレゼントのペンダントは、某雑誌の私服ライルがつけてたアレです。
あれってデート服(笑)兄さんもつけてたんだっけな?記憶が曖昧。
付いてた指輪をクラダリングにしたのは趣味です!!!
あの指輪可愛いんだもの、欲しいな…。
クラウスがついに出てらっしゃいましたが
プレゼントのワインを全く活かせなくてごめんよクラウス(苦笑)
二人ともちゃんと飲んだんです^^;
ライルの方にも理解者ができたので、このお話、もうちょっと動きのあるものが書けそうです^^