*ブラコン・初夜編〜前夜!*
*パラレル設定
*商社マンライル
許せる方のみど〜ぞ
堂々としたピンクの看板を前にして、少しだけ尻込みする。
自分の横を通り過ぎて入っていく中年男の後を慌てて追った。
「……ぅ」
狭い店内に所狭しと並べられた商品を見て頬が引き攣った。
やっぱり通販にしときゃ良かったかな…
実際に自分で見るのとでは信用度が違う。
事前にネットで情報を集め、この目で確かめるという方が自分は好きだ。
そっとボトルを手に取る。
ローション…ゲイサイトで人気NO1のはこれだな。
ピンク色の液体とか、卑猥過ぎるだろ!
眉間に凄まじい皺を寄せながら思った。
ライルの白い太ももに、この液体がかかると…
あああああヤバイ!!!
落ち着くためにボトルを棚に戻す。
深呼吸をして、隣の棚に視線を移した。
こっちにはクリームタイプの潤滑油が並ぶ。
こっちのがいいかなぁ…
ローションって、いかにも!感があるし…
恥ずかしがり屋のライルだと、取り出した瞬間に逃げちまいそうだ。
またも調べた情報をもとに、数ある中から一つ取り出す。
『すぐにヌルヌル!嬉しい媚薬効果付き!』
―などという宣伝が書かれていた。
……媚薬…それは、うん、嬉しい。
きっとガチガチになるだろうライルのタガを外すには、多少ズルをしないと無理だろう。
結局俺は、ローションとクリームタイプの二つを持ってレジに向かった。
運命の日は、今週の金曜日。
夢にまで見た願いが叶う素晴らしく特別な日。
その日が近付くにつれて、俺の愛しい愛しいライルは動揺を隠すことができなくなっていった。
「ライル、どーした?食欲ないのか?」
「う、えっ!いや、あるある。ごめん、ぼーっとしてた」
「口にケチャップついてんぞ」
「うそっ!」
慌てて拭おうとした手を掴んで、引き寄せる。
唇に舌を這わせれば、硬直した。
「っ、っ〜〜!」
「とれた」
「や、やめろよな、バカ」
「悪ぃ」
真っ赤になるライルの頭を撫でて、なるべく優しく微笑む。
他意はないですよ、これ以上先のやましいことなんて考えてないですよー
と、そう伝えるために。
こういうさりげないスキンシップをして、慣らしていく必要があるとみた。
いきなりベッドの上に正座なんて状況になったら、間違いなくライルは憤死しそうだ。
当日のムード作りにも苦労するだろうな…
俺はそんなことをぼんやりと考えながら、目の前のライルを見詰めていた。
木曜日の夜のこと。
ライルは食後すぐに部屋に引っ込んだ。
一人リビングに残された俺は、食休みにと見ていたドラマが終わると立ち上がる。
「風呂入るかぁ〜」
「…………あの、兄さん」
「うわっ?!な…んだ、どしたぁ?ライル」
唐突にかけられた声に驚き、変に身構えながらライルに応えた。
「えと……あの、さ、あの…」
「…ん?なんだ?」
ライルの顔は、真っ赤。
もじもじとする姿に何故かツられて恥ずかしくなった。
「………………ぉ、ふろ……入、る?」
「んぇ?え、あ、あぁ。風呂?入るよ、今から……あっ!ライルも入るとこだったか?いいよ、先に入れよ」
「違うっ!」
「え?!な、なに?」
「…っ、風呂!一緒に入らねーか?!」
いたたまれなさからか、叫んだライルに面喰らう。
思考がしばし停止し、ライルの瞳にうっすらと涙の膜が張っていくのを見てやっと硬直が解けた。
「あ、あぁ、風呂!一緒に入りてぇ!」
「…ほんと?」
「当たり前だろ!一緒に入ってくれるか?」
「…ん」
感情が高ぶると涙腺が緩むのはガキの頃から変わらないらしい。
なんて可愛い俺の弟!
ライル自ら歩み寄ってくれたことが、震える程嬉しかった。
「よーし、泡できたー。ライル、入れよ」
「…また泡風呂…」
「いいだろ、柔らかくて気持ち良いしさ!」
「……まぁ、確かに…」
「じゃ、頭洗うぜ〜」
いつものようにシャワーを宛てると、ライルは気持ち良さそうに目を閉じる。
この顔がもの凄く好きだ。
そしてキスをする。
「…ん、兄さん…」
「やっぱこの顔、すげー可愛い」
「……も、一回、してもいいけど…?」
「ッッ…!!」
なんだこの可愛さは!!!
なんだライル、お兄ちゃんを試してるのか?!
言っとくが俺はお前に対して我慢弱いぞ!!
「…なに、変な顔」
「う!いや、なんでも…お前が可愛いこと言うからだぞ…」
「可愛い言うな」
「可愛いだろ〜」
言いながらキスをした。
ライルはされるがままで、俺は調子にノッて顔中にキスの雨を降らした。
「兄さん、こっち」
「え゛」
「なんで嫌がるかな」
バスタブに足をかけた俺に、ライルは自身の目の前を指さす。
つまり、この狭い中に向き合うカタチで座れと言っているワケだ。
……今までのを気付いて言ってんなら、お前さんタチ悪ぃぞ。
「…いいからこっち。俺の後ろは開きません」
「……オーケイ、ライル」
仕方なく折れ、ライルの目の前に座る。
「…これじゃ肩揉んでやれねーのに」
「いいよ、兄さんの顔が見たい」
「……おま、え…」
悩殺だ。
赤くなった白い肌と、濡れた髪がやたらとエロイ。
「っ、わ?!」
あろうことかライルは俺の胸に掌を宛ててきた。
「なんだ?!」
「兄さん、筋肉ついてるなー」
「あ、あ、あ、当たり前だろっ…!い、一応肉体労働だっ」
「俺もそれなりに鍛えてんだけどな」
右手で俺の胸を触りながら、自身の胸をペタペタと触る。
泡の間から見え隠れする色付いた箇所を思わず凝視してしまった。
ごくり、と、喉が鳴る。
「兄さんイイ身体してんなぁ」
「…お前の身体は…美味そうな…」
「…えっ」
ポロリと零れた言葉に、ライルはもちろん自分も驚いた。
「う、ぐ、えっと…あ〜〜〜…もう…ライル〜愛してんだけど〜」
「…おぉ、俺も」
絶対に過度なスキンシップは恥ずかしがってしまうだろうと踏んでいた俺には、信じられない出来事で。
まさかライルから一緒に風呂とか、俺を試すようなことまで…
天然でも狙いでも、よろしくない!
「…あの、ライル。愛してるから先に上がってくれ」
「はぁ?」
「だから…その…頼むよ、我慢弱い兄さんを許して下さい…」
ガックリとうなだれる。
先程から煽られまくり、俺はいつものように欲情していたわけで…。
「……まさか、兄さん」
「うぅ、みなまで言うなっ…!」
ライルが時間をくれと言ったから、俺は待つって決めたんだ。
明日の夜まで、俺はお前に手を出しません!
「……兄さん、俺に欲情してる?」
「バッッッカヤロ…!」
なんでズバリ言うかな?!
俺の忍耐を無駄にする気かこの小悪魔め、可愛いぞ!
熱の溜まった頭では、意味不明な思考回路になってしまう。
「ああああもう降参だ!したよ欲情しまくりだよチクショー。頼むよライル、許して〜」
「わかった、俺も」
「……はい?」
ライルは真剣な顔でこくりと頷いた。
「なにが?」
「だから、俺も…兄さんの身体見て、欲情…した、し…」
小さくなっていく言葉だったが、俺は目を見開く。
ライルが、俺に、欲情?
「…え、うそ」
「嘘ってアンタ…ふ、普通だろ?俺ら、こっ…こぃ……ぃと…なんだし…」
「………はぁ、そか。普通か…普通、だよなぁ」
「そ、普通…」
双子の兄弟に欲情することを普通だと、俺が知っている人間の中で1番の常識人であるライルが言った。
兄弟でも、俺達は恋人なんだから普通だと。
……あぁ、幸せ過ぎて俺大丈夫かな
「…兄さん?」
「…幸せ」
「へ」
「俺すげー幸せだ、ライル」
「…俺もだよ、兄さん」
肩を引き寄せ、キスをする。
舌を絡めるディープキスをしても、ライルは逃げなかった。
それどころか俺の舌に応えてくれる。
「ふ、はぁっ…らいるぅ…」
「は…兄、さん…あの、さ。予行練習、しないか?」
「予行練習?」
「…ぬ、ぬ…抜いて、やるよ、兄さんの」
「………え゛ぇ?!!」
「うわっ、でけーよ声!」
「わ、悪い!だってお前がっ…」
「…俺、自分で思ってたより余裕なくて…。いきなりとか、多分無理だと思うんだ」
ライルはポツポツと語った。
「だから、ちょっと慣れたい。逃げださないように」
「ライル……!」
「いざ、ってなってから逃げたりしたら、兄さん傷つくだろ?」
「そうだけどっ…!あぁもうライルッ!!なんて良い子なんだ!」
がばむぎゅーっ、と、ライルを抱きしめる。
ライルも同じように思っていたとは驚いたけど、
それほどまで真剣に俺とのことを考えてくれていたことに喜びを噛み締めた。
「っ…兄さん…勃って、る」
「あ。……おぅ」
「……えと、じゃあ、失礼、します」
「へっ?わっ」
怖ず怖ずと、湯の中で伸ばされた指先が自身に触れる。
少し触られただけだというのに、それがライルの指だと思うと熱が上がった。
「うわ、で、でかくなった」
「〜〜っ、お前ってやつは…!ライル…俺も触っていい?」
「…ん、」
了承を得て、怯えさせないようになるべく優しく握る。
ライルのも緩やかに勃ち上がっていることが嬉しかった。
「ふ、あっ…」
「ライル、もっと手、動かせよ。遠慮しなくていいぜ」
「う、ん…オーライ」
泡の中で、お互いの熱を高めあう。
やっぱり泡風呂にして正解だ。
これなら肝心の場所が見えないから恥ずかしさも半減して、予行練習にもってこいだろう。
ライルにもっともっと触れたいけれど、それをグッと我慢する。
目の前で快楽に歪む顔を見てるだけでイキそうだ。
「はぁっ、は、あっ、あ、兄さんっ」
「ん、んっ…ヤバ、い?」
「ん、う!気持ち、ふぅっ…」
「俺、イキそ…」
「はっ…早く、ね?」
「だって…たまんねーんだもんよぉ〜」
聞こえるはずもない、粘着質な音が聞こえる気がして興奮する。
ライルの手の動きに夢中になってしまう。
自分の快楽ばかり求めていることで、案外俺にも余裕がなかったことに気付いた。
「ライル、気持ち良いっ」
「ん、んっ、ひぁ!に、兄さんやだそれっ…」
ライルにも気持ち良くなってもらわないと!
と、意気込んで先端部分を親指の腹でグリグリと擦る。
頭を振って喘ぐライルは壮絶にエロかった。
「あ、あっ、あああ…っ!やだ、やっ…ま、待って、イく、イッ…ぅああっ!」
「く、ぅうっ」
ほぼ同時に、熱を解放していた。
ライルがだらりとだきょうして俺の肩に頭を預ける。
弾む呼吸を宥めるように背中を撫でてやった。
「はぁっ、ふ、あ、はっ…はぁ…クソ、ばか兄…」
「…え、なぜ罵声…」
「は、早く、したら…慣れないだろ…」
「…あぁ〜、そうだな…うん。ごめん」
「慣れる、ためにさぁ…ゆっくり、したかったのに…」
「ごめん…」
「…兄さんも、余裕なかったんだな」
クス、と肩に吐息がかかる。
「俺だけじゃなかった、ちょっと安心…」
「俺が余裕なワケないだろぉ、お前を目の前にして余裕でいられるかよ」
「はは、オスだねぇ」
「おー、立派だろ、野生の本能!」
「野生とか!」
二人で笑いあうと、緊張が解れていくのがわかった。
これで明日もうまくいきそうな気がする。
お互いに場数はそれなりに踏んでるが、男は初めてなワケで。
「あー、も、のぼせそ…」
「出るか」
「おー」
ライルが身体を流してる間に、俺はバスタブの詮を抜いて汚れた泡を排水溝へ。
白濁は泡に混じって視認すら出来ない。
「じゃ、出てる」
「おう、俺も流して出るよ」
さっとバスタブをシャワーで流して、自分も流して、ライルの後を追った。
翌朝。
「……じゃあ、行くな」
「あぁ」
唇に軽くキスをする。
照れたようにはにかむライルがとても可愛いかった。
「今日、なるべく早く帰るから」
「おう、俺も残業にならんよう頑張るわ」
「行ってきます、兄さんも行ってらっしゃい」
「おう、行ってらっしゃいライル。行ってきます」
もう一度触れた唇に、名残惜しくなって顔が歪んだ。
ライルも同じだったようで、合わせ鏡みたいな二人が玄関に立つ。
振り切るようにライルの頭をわしゃわしゃと掻き回した。
帰り道の車から見えた空が、赤く染まっていく。
夜はもう、すぐそこだ!
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初夜編です!しかも前夜とか!!!
おかしいな、801的展開でスルっと終わらせる気でいたのに…
ライルが積極的だと楽しいですね!!^^
もちろんライルは兄さんがお風呂で欲情するのを知っててやってますよ。
兄さんがたてなきゃライルは自分を正当化できなくて憤死しちゃうからね!
てなわけで、もうちょい続きます!
初夜編〜本番!乞うご期待(笑)…やっぱ期待しない方向で!!