拍手お礼SS  ニルライ *リップ*





「ん?なんだ?この匂い」

仕事を終えた兄さんが、俺の隣に座った時の第一声。







「なにがー?」
「甘い匂いすんだよ。ライルなんか食べた?」
「なんも」
「えー?でもお前さんからするような…」

知らん顔をしてみせると、兄さんは俺の顔を覗き込んでスンスンと鼻を鳴らした。

「やっぱりお前からする。飴?」
「食べてねーって」

口を開けて舌を出してみせる。
兄さんは首を傾げ、また俺の匂いを嗅ぎだした。

「…ちょっと、兄さん」
「んー…なんか、段々すげーいい匂いに思えてきた…」

首筋に擦り寄り、兄さんが呟く。
うなじに鼻先を押し当て犬のように匂いを嗅いでいる。

それがくすぐったくて思わず笑ってしまった。

「香水でもねーみたいだし、なんなんだ?」
「さーて、なんだろね?」
「む、やっぱお前なんかしてんだな!」
「さぁ?」

気付かないアンタがおかしいよ。
アンタはいつもいつも、嫌というほどソコにかぶりつくだろう?

ほら、今日は特別にサービスしてやってんだから

早く気付けよな

「一体なにを………あ」
「ん?」

視線が、一点に集中した。

「…お前、それか、ひょっとして!」
「それってどれだよ?」
「…たくっ、可愛いことしやがって…」

兄さんは頬を僅かに赤く染め、照れ隠しの時の癖で後ろ頭をぼりぼりと掻く。

右手が俺の顎を掬った。

「キスしたくなる唇、ってか?」
「なんのことだか」
「まだとぼける気かよ。悪い子には、お仕置きだ」

そう言った兄さんの唇で唇を塞がれる。
緩く開いていた咥内に、すぐさま舌が侵入してきた。

角度を何度も変えながら深い口づけを交わす。

「んっ、ン、ふ…ぁ、は…」
「ん…すげー甘い、な」
「…気に入った?」
「……そうだなぁ、いつもの煙草の味がしないのは、割と新鮮な感じ」

再度軽く重ねられた唇は、可愛らしいリップ音を立てて離れた。

「好きじゃない?」
「いいや、たまにはいい。好き嫌いの問題以前に、こんなことするお前が愛おし
い!」

強く抱きしめられる。
うなじに何度も唇を寄せられ、痕を残されてるのはわかったが、今日は抵抗しな
いでやった。

「大好き、ライル。可愛い」
「はいはい」
「ライルー、好き、愛してる。可愛い可愛いライル」

兄さんは夢中になってうなじや鎖骨や、顔中にキスをする。


俺はポケットから取り出したリップを兄さんの額に押し当ててやった。

「いてっ、これ?」
「そ、女性の間で大人気」

そのリップは、最近CMでやたらと流れる新商品。

宣伝文句は“小悪魔の誘惑、キスしたくなる唇!”だそうだ。

控えめなふんわりとした甘い香と、うすらとつく桜色、唇はツヤりと水分たっぷ
りのように煌めく。

「ベタつきとか気になんないな。な?もっかいつけて」
「はいはい」

リップを塗り、ん、上を向いて目を閉じた。

「…ッ、かわ、ライル…可愛いっ…反則だろ、お前っ」

すぐさま唇に吸い付かれ、甘い吐息が零れる。



いつも以上にしつこく続くキスに、リップの宣伝は本当だったと考えていた。








「ま、いつものお前でもずーっとキスしてたいけどな?」
「言ってろ」






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拍手ありがとうございました!


口紅なんかではよく聞く宣伝、「キスしたくなる唇」^^
ライルにそれをやらせたら可愛いんじゃないかと…!

でも私、うるうるっとする口紅とかリップって気持ち悪いんですよね。
つけるけど…なんかねぱねぱする感じが苦手で><
300年後にはもっといいリップが開発されてるはずです^^

メロメロになった兄さんは後何回キスをねだるのか



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