拍手お礼SS 刹ライ *トレミー内、マイナス10℃!*
「う〜〜〜っ!さみぃ!」
思わず口に出た。
トレミー内の空調は完璧なハズ。
そう、1時間前までは。
「よぅ、スメラギさん。まだ空調なんとかなんねーの?」
「えぇ、復旧まであと3時間はかかるわね」
「うぇ」
お互いに毛布をしっかり身体に巻き付けた状態だ。
寒さの原因は、システム点検をしていた際に何を間違ったのか
空調のシステムにエラーが生じたせいだった。
しかも今トレミーがいる場所は、氷山の一角。
「もう布団にでも入ってていいわよ」
「いやいや、さすがになぁ」
おどけたように言う予報士も、寒さで小刻みに震えていた。
システム復旧に全力投球しているクルー達に申し訳なく、
部屋に篭る気にはならない。
様子を見ようとシステムルームに向かった。
「あれ?刹那!」
「……ライル」
視界の端に捉えた青い制服に声をかける。
「お前!なんでそんなカッコなんだよ、寒くねーの?」
「…大丈夫だ」
「嘘つけ、顔色悪ぃぞ」
「……大丈夫だ」
「毛布はどうしたんだよ?」
刹那は虚ろな目で俺を見ながら言葉を紡ぐ。
本気で大丈夫じゃなさそうだ。
「ミレイナに…やった」
「ミレイナに?」
「震えていたから、ミレイナは…復旧に頑張ってくれて、いる」
「おいおいおい!大丈夫か刹那!」
「問題、ない」
明らかに大問題だ。
呂律が危ういし接続詞がかなりおかしい。
ふらりと、またどこかへ向かおうとした刹那の腕を捕まえた。
「……ライル?」
「いいこと思いついた」
「なんだ?」
毛布を取り去り、刹那にかける。
「おいっ、お前が寒いだろう」
「寒ぃよ、だからこうして…」
「ラ、ライル?!」
刹那に正面から抱き着いた。
ひんやりとした身体に一瞬震えたが、更に強く刹那の身体を抱きしめる。
「俺があっためてやる」
「な……お、おい」
「うー、アンタ随分冷えてんなぁ。あったまれーせつなー」
背中をさすってやると、刹那の両腕が毛布の裾を持って俺の背に回った。
二人して毛布に包まれる。
「そうそう、こうすりゃあったかいだろ?」
「あぁ…暖かい…それに、お前の匂いがして…すごく、落ち着く」
「うっ……」
唐突に爆弾発言をした刹那のおかげで、
今のこの状況がかなり恥ずかしいものだと気付いた。
「あ、や、やっぱ!もういいだろ!それ貸してやるからっ…」
「嫌だ」
「おーい!」
刹那は、ぎゅう、としがみついて離れない。
こんな通路の真ん中で何してんだと叫びたくなる。
仕掛けたのは俺だけど!
「刹那、頼むから…せ、せめて場所移動しようぜ」
「……そうだ」
「へ?」
唐突に顔を上げた刹那に唇を奪われた。
いきなりの凶暴なキスに思考が追いつかない。
やっと解放された頃には、膝に力が入らなかった。
「は、はぁ、ぅ…この…やろ…」
「暖かくなる方法を思いついた」
「は?」
刹那はサッと毛布を俺に被せ、手を引いてツカツカと歩き出す。
「お、おい刹那?」
辿りついた場所は、居住エリアの刹那の自室前。
ドアが開き、自動で照明がついた。
俺は中に突き飛ばすされ、力なくベッドに突っ伏す。
「う、アンタ、なぁ!なにしやがんだ!」
「二人で暖かくなる、イイ方法を思いついたんだ。実行に移す」
「え…………」
じり、と近付いてきた刹那の瞳に、よからぬ感情が見え隠れした。
ベッドにいる俺。
上から見下ろしてくる刹那。
寒い部屋。
二人で暖かくなる方法。
導き出された答えは一つしかなく
「うわあぁバカやめろ刹那!!俺を巻き込むな!」
「最初にアンタが言った。俺が暖めてやると」
「ごめんなさい軽はずみな言動してごめんなさい!」
「空調の復旧にはあと3時間はかかるそうだ。その間、暖めあおう」
「いやいやいや頑張ってるミレイナ達に罪悪感とかねーのかよ!」
「……多少は感じるが、優先事項は暖まることだ」
「ちょ、ま、まて、やめ!」
冷たい掌が、俺の素肌を撫でた。
3時間後、トレミー内はいつもの気温に戻っていた。
俺は汗だくの身体をベッドに沈め、頭を抱える。
「アンタ…ほんと信じらんねぇ…」
「すまない、だがライルにも非はある」
「……はいはい、もうアンタには優しくなんてしてやんね…」
言うやいなや、刹那が俺の耳たぶを強く吸ってきた。
「ひゃ!」
「ライル、暖めてくれて、ありがとう」
「……っ!」
『空調システムオールグリーンですぅ!みなさんお疲れ様ですぅ!』
ミレイナの明るい声が、艦内に響く。
俺は暑くて仕方ないのに、毛布を頭まで被った。
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最近寒くて寒くて死にそうで思いついた小話^^;
指がかじかんでメールは打てないはキーボードは叩きにくいは…寒いの嫌い!!
刹那は暑い国の生まれだから寒いの苦手だろうなぁと。
ライルは暑いのも寒いのも嫌いそう。平気な顔して歩いてるけど、内心じゃギャーギャー言ってるイメージ^^
刹那は優しいから、震えながらシステム復旧作業をしてるミレイナに毛布かけちゃったんです。
いつもの無表情で「大丈夫だ、問題ない」なんて言うからミレイナも素直に受けとる。
でもそのままうろうろしてたら、寒さに負けた刹那っていうね^^;
ライルは無意識にやってます。
寒い→毛布あげたら俺も寒い→でも刹那がヤバイ→二人で毛布にくるまりゃいいじゃねえか?!
そんなライルんは刹那に熱くされましたとさ