拍手お礼SS  刹ライ *名前を呼ぶ意味*



「うぉっ」

下から見上げてくる赤茶色の大きな瞳。
それが訝しげに細められた。

「なんの用だ?」
「あ、いや。さっきのシュミレーションで聞きたいことあったんだけど。
やたらワイルドな格好で出てきたからドキッとしたぜ」

刹那は、制服のズボンだけを着ていた。
しなやかについた筋肉に目を奪われる。

「……欲情したのか?」
「バッ!!だっ…!違う!!」
「違うのか」
「ああもう、なんで半裸なんだアンタは!」
「髪を切ろうと、思っていた」
「髪…?へぇ、アンタ自分で切れるのか」
「刹那、だ」

室内に促されながら、訂正された。
二人きりになってから、刹那のことを俺がアンタと呼ぶたびに指摘される。

「悪い悪い。刹那」
「……で、シュミレーションの何だ?ライル」

あら?と思った。
二人きりでいる時は、確かに名前で呼ばれることが多かったが

俺は“シュミレーション”と言ったのだ。

つまり今の俺は、“ロックオン・ストラトス”として、
“刹那・F・セイエイ”に会いに来ている。

「あ、え…やっぱ、髪切ってからでいいよ。出直すからさ」
「………お前は、髪は切れるか?」
「へっ?」

机の上に置いてあった鋏を取り、目の前に突き出された。

「切ってもらえないか」
「……いい、けど」

“ライル”と呼んだのは、刹那が甘えたいからだ。
こんな日もあるのか、と俺は内心ほくそ笑む。

「頼む」
「了解だ。ただし、兄さんみたく上手く切れないぜ?」

刹那の赤茶色の瞳が見開かれた。

「なぜ、」
「ふふん、昔は兄さんに切ってもらってたんだろ?なんとなくだがわかるよ。
あの人、母さんが妹の髪を切ってるのを、じっと横で見てたしな」
「……拒否しても無理矢理切られた」
「ははは、目に浮かぶ」
「…俺はアイツに頼んだことはない」
「……うん」

浴室に入り、イスに座った刹那の頭を撫でる。

「短くいくか?」
「好きにしてくれて構わない」
「おいおい、自分のことだろ」
「……ライルの、好きな髪型にしてくれ」
「…なんで?」
「お前に好かれたいからだ」
「………バカ」

鋏を持った手が震えて、これでは切れないだろ。
刹那のつむじに唇を落とす。

「これ以上、好きにさせてどーすんだ…」
「…嬉しい」
「そーか…」

甘い雰囲気が漂うのが恥ずかしくて、思いきり頭を降った。
深呼吸をして自身を落ち着かせ、鋏を持つ手に力を篭める。

「よしっ、いくぜ」
「あぁ、頼む」

伸びた襟足を掴み、鋏を入れた。








「よーし、出来た!」
「……ありがとう」
「ん?もしかして眠くなったか?」
「なっていない」
「うそつけ、目がトローンてしてるぞ。あはは、ガキみてぇ」
「なっていない」
「はいはい、いかがでしょうか?お客様?」

適当に髪型を整えて、刹那に鏡を見るよう促す。

初めてあった時と同じくらいの長さに整えた。

「あぁ、問題ない」
「そりゃどーも」
「……これが好きな髪型なのか?」
「へ?え……あ〜〜〜〜〜〜」

鏡越しのくせにやたら強い視線が痛い。
くるりと振り向いた刹那に唇を奪われる。

「っ…あぁ、そうだよ」
「そうか、ならいい」
「…てか、背中痒くないか?そのままシャワー浴びろよ」
「そうする。部屋で待っていてくれ」
「りょーかい」





刹那のベッドに座り、ハロを高く投げて時間を潰した。

『ロックオン、ロックオン』
「んー?」
『セツナトナニシテタノ?ナニシテタノ?』
「髪を切ってやってたんだよ」
『タノシカッタ?タノシカッタ?』
「えー?どうしてそんなこと聞くんだ?」
『ロックオン、ニコニコ!ロックオン、ニコニコ!』
「っ…!」

不覚だ。
ハロをキャッチできずに床に落とす。

『イテッ!』
「なにをしてるんだお前は…」
「せっ、刹那!」
『オトスナ、オトスナ』
「悪かったよハロ…。つか刹那、ちゃんと拭いてから出てこい」
「ハロの声が聞こえたから」
「…悪かったな」

腰にタオルを巻いただけの姿は、先程よりもワイルドになっていた。
髪から水滴が滴り、胸板を伝う。

「………そんなに見るな」
「へっ?あ?」
「欲情する」
「な、バッ…!!」

カヤロウ、と続く言葉は刹那の唇に吸い込まれた。
唇が離れていったと思ったら今度は視界が反転。
濡れた毛先が頬に張り付く。

「せ、せつな」
「お前が視線で煽るのが悪い」
「煽ってねぇっ!」
「あんなに見ておいて…」
「ジロジロ見てすいませんでした!どけって!」
「……ロックオンになるのは、終わってからにしてもらおう」
「は、ちょ…んっ」

文句の絶えない口を唇で塞がれ、テキパキと制服を剥がされた。

刹那と同じ姿になった時にはもう

俺は“ロックオン”なんてしまい込んでいて

「バカ、刹那」
「お前が悪い…ライル」
『…ラブラブ?ラブラブ?』
「ハ、ハロッ……あ〜〜…ハロ、シークレットモードな?」
『リョーカイ!リョーカイ!』

目の光が消え、大人しくなったハロに制服を被せる。
刹那の首に腕を回し、自分から口付けた。



あぁちくしょう

初めて会った日から惹かれてたなんて

一生言ってやらねーからな!




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拍手ありがとうございました!
刹ライでいちゃいちゃ^^

二期からは、刹那の髪をライルが切ってあげればいいんだけどねって、監督あたりが言ってたハズ。
最終回ニルライ赤い世界編を経て、刹ライは和解したみたいだし…
きっと二人きりになってからは刹那の髪はライルが切ってあげてるよね!!

ライルが初めて会った頃と同じ長さに切ったのは
まぁ、つまり。
一目惚れだったってことだよね^^

あにゅたんと出会って刹那への気持ちは落ち着いてたんだけど
本当の本当は刹那に一目惚れしてたんだよっていう!!

あ〜映画楽しみ!



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