拍手お礼SS 刹ライ *距離*
「げっ」
一日の締め括りのバスタイム。
ライルは手の平に出そうとしたシャンプーが出てこないことに気付いた。
軽くボトルを振ってから再挑戦し、なんとか一回分を確保する。
『買いに行かなきゃかー…』
ライルが使っているバスセットは自前のものだ。
組織から支給されているシャンプーが髪に合わなかったため、買い出しに出た際に買い溜めていた。
「うわ、リンスももうないか」
これはなにがなんでも買い出しに行かなくてはならない。
将来ハゲるのは絶対に御免だ。
ライルは深く溜息を吐き、泡を洗い流した。
「買い出し?えぇ、三日後に予定してるけど」
「俺行きたいんだけど、ダメかな?」
「…ダメじゃないけど…」
スメラギがちらりと横に視線をやる。
その視線に気付いたミレイナが勢い良く手を挙げた。
「ミレイナは全然オッケイですぅ!グレイスさんはどうですか?」
「え、私?私も…構いませんけど」
「あれ、もしかして二人予約入ってた?ごめん、なら俺別に…」
「二人がいいならいいのよ。買い出しだから男手も欲しかったし。それに地上では別行動でいいから」
「はいっ!ミレイナ、ストラトスさんにエスコートして欲しいです!」
「ミ、ミレイナ?!」
「地上は知らないとこばっかりなんですぅ。 ストラトスさんなら、女の子が喜ぶお店とかたくさん知ってそうですから!」
「あ、あぁ、それなら。自信はあるぜ」
「夢だったんですよ、素敵な男性とデートするの!」
「はは、そりゃ光栄だ」
「グレイスさんはダメですかぁ?」
「へっ?!」
当人なのに会話に入れてなかったフェルトに皆の視線が集中する。
ライルは気まずげに後ろ首に手を当てた。
ライルがCB加入時にやらかした一件以来、フェルトには自ら距離を置いていたからだ。
フェルトから寄ってきてもらった時はもちろん嬉しく思うが、 彼女を怖がらせたくないから自分からは近寄らない。
「…あー、やっぱり女の子は女の子同士で遊んだ方が…」
「わ、私もっ」
「え?」
「私、大丈夫だよ。私も案内してもらえるなら助かります…」
「そう。じゃあそれで決まりね!良かったぁ、男手があるならあれも頼めるわぁ」
「おいおい、程々に頼むぜ」
「やったぁ!楽しみですぅワクワクですぅ♪」
ミレイナの弾んだ声に自身の心も沸き立つ。
やはり女の子は癒しだ。
「おわっ!な、なんだよ…刹那か…」
「買い出しに行くそうだな」
「耳が早いねぇ」
電気のついていない自室のベッドに座っていたのは、青を纏ったマイスター。
「電気くらいつけろ。ビビった」
「すまない、色々と考えていたから」
「へぇ」
電気をつけ、刹那の隣に座るとすぐさま刹那の腕が腰に回った。
「どうしたよ?」
「……久しぶりに、離れるから…少し寂しい」
刹那の意外な発言に目を見開く。
ついでやってきたのは胸を焦がす程の愛おしさ。
あの最終決戦からまだそんなに日にちは経っていない。
自分達の療養、ガンダムやトレミーの修理、仲間との別れ。
二人きりになったマイスターのコンビネーションを強くする訓練。
最終決戦から暫くは自分達の態勢を整えるのに忙しく、刹那と離れた日はなかった。
言われてみれば一日顔を合わせる機会がなくなるのは、随分と久しぶりだ。
「お前なぁ…反則だろぉ」
「なにがだ?」
「あーはいはい。無意識なのはわかってるよ」
「………ライル」
「あ、こらっ、ちょ…」
迫ってくる顔に待てをかけつつ、逃げることはしなかった。
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拍手ありがとうございました!
刹那の誕生日になにもできなかったので久々の刹ライです!
ライルは髪質が柔らかくて安いシャンプーリンスだと悲惨なことになるといいと思う^^
刹那は石鹸で全部洗えると思う。
リンスなんかしてませんな刹那男前…
ライルと女の子達っていう図も好きなので…デートも書きたいなぁ
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