拍手お礼SS  ニルライ *Sweet time*




早朝、アラームではなく着信音に叩き起こされる。
今日は休日で、持ち帰った仕事もなくて、だから昼までたっぷり寝る予定だったというのに。

着信者の表示を見て寝起きのイラついた声を隠しもせずに電話に出た。

「なんだよ…」
『ライルー!悪いホント悪い!絶対夜には帰るから!!』
「…はぁ?」
『でも支度間に合わねーから、やっといてくれよな!ケーキ1番小さいので!』
「けーき…?」
『…ライル?寝ぼけてんのか?』

ぼんやりとしたまま携帯を耳から離し、日付を見る。
3月3日。
あぁ、そういえば

「あ〜…忘れてた」
『なっ…お前なぁっ!そりゃないだろ!』
「三十路にもなって誕生日とか…」
『いくつになったって祝うもんだろ?!』
「あーはいはい、そうだな」
『ライルぅ…』

兄に尻尾がついていたら確実に力を失っているだろう声音を聞いて、思わず口元が緩む。

「オーライ、ちゃんと用意しとくよ。だから早く帰ってこいよ」
『!おう!頑張るぜ!』
「スピード違反はすんなよ」
『…おう!』
「なんだ今の間は」
『ハハハ、気にすんな!じゃあ仕事してくるな』
「ん、頑張れ」

通話を切り、アラームの設定を一時間程早めた。
まだ辺りは薄暗い。
起きてからやることをぼんやりと考えながら、また俺は夢の世界に落ちた。





夜、23時。
くだらないバラエティー番組を見ながら盛大にため息をついた。

「夜には、ね。あぁ確かにまだ夜だよ」

今朝の兄の言葉を思い出してなんとかイラつきを抑える。
さすがに腹が減って軽く食べてしまってから一時間が経とうとしているし、 日付が変わるまで一時間を切ろうとしている。

「閉めだしてやろうか…」

残り30分、不穏な気分になってきた俺を引き留めるように玄関から物音がした。

「ライルー!ただいまー!悪い!本当に悪いっ!それであの…ちょっと来てくれ〜」

情けない声が聞こえて、渋々ソファーから腰を上げる。
玄関に行けば、荷物を抱えた兄が目を輝かせた。

「ライル!会いたかった!!」
「はいはい。なにその大荷物」
「みんなから俺らにプレゼントだってよ。これアレルヤから」

手作りだろうオードブルを受け取り、兄の腕に下がっている恐らく酒数本も奪い取る。

「まじ重たかった…」
「酒どんだけ貰ってんだよ」

袋を覗くとビール、ワイン、日本酒、ウィスキー、シャンパン…とにかく瓶がずらりと入っている。

「ティエリアからは面白いもん貰ったぜ!」
「なにー?」
「まぁ、とりあえず置いといて」

リビングに荷物を下ろし、兄がバッと両手を広げた。
時刻は23時45分。

「ライル!HAPPY BIRTHDAY!」

今日は特別な日だからと自分に言い訳をして、その胸に飛び込んだ。
すぐさま両腕は背中に回りガッチリとホールドされる。

「HAPPY BIRTHDAY、ニール」

溶けるようなキスを交わして、3月3日は終わりを告げた。









「こんな時間にケーキ食ったら太るな」
「大丈夫!運動するしな!」
「…アンタちょっとは枯れろよな…」
「あ〜うめぇ〜」
「スルーかよ」

テーブルに並べられたご馳走を次々と平らげていく兄を見て、 若いなぁなんて年寄りくさい感想を持ったりして。

「酒は今度の休みにな。今日潰れるワケにはいかねぇ」
「好きにしろよもう…」
「ハハッ、満更でもねぇくせに」
「…うるせー」
「あっそうだ。ほらこれティエリアから。開けてみろよ」

あの気難しい眼鏡の美人を脳裏に浮かべると、とても面白いプレゼントをくれるとは思えない。
が、渋々箱を開けてみる。

「……あれ?」

出てきたものは、オレンジ色の球体。
つぶらな瞳が可愛らしくこちらを見上げている。

「これ、ナビの」
「そ。CBのマスコットキャラでな。万能型AIロボだぜ」
「へー」
「俺も職場で同じの使ってる。ハロっていうんだ。 音声認識で情報収集してくれたり色々お手伝いしてくれるんだぜ」
「ハロさんか。確かに面白いな」
「俺のと常に情報交換してるから、ライルに何かあったらすぐわかるようになってる!」
「………じゃあ、兄さんに何かあっても?」
「ハロがいる場所で、ならな。まぁ俺はヘマしねーし」
「俺はヘマするってか!」
「熱出したりすっころんだりするだろー」
「誰だってすんだろっ」
「まぁまぁ」

俺の手からハロを奪い取り、さっさと充電器に繋ぐ。

「起きたら色々設定しような」
「あぁ」
「さーて、満腹になったとこでベッ」
「風呂な」

兄の言葉を遮り言えば、少しむくれてから気を取り直したように頷いた。

「一緒にな!」

その言葉を無視して皿をキッチンへと運ぶ。
「ライル〜」
という情けない声も無視して片付けを指示し、 テーブルの上が綺麗になったところでリビングを出た。

「ライ…」
「ほら、行くぞ兄さん」

途端に笑顔になる兄は、やはり犬を彷彿とさせて少しおかしくなる。









さて、今日はまだ誕生日ということにして 甘えて、甘やかして、たっぷり甘い時間を過ごそうか。







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拍手ありがとうございました!

ニルライハッピーバースデー!!!!
なんとなくブラコンのニルライ設定です^^
ハロでこっそりライルの動向をチェックする兄さんです^^
幸せにイチャイチャしやがれえええ!!!




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