拍手お礼SS ニルライ *冬の朝*
冬の朝は忙しい。
それは単純にやることが増えるからだ。
我が愛する弟のために!
目覚ましを止めて、暖かい布団の中に渋々別れを告げる。
まず向かうのはリビングで、カーテンを開き朝日に目を細め、 暖房を入れて、お湯を沸かし洗面台に向かった。
キンとするような冷水で顔を洗えば目はすっかり覚める。
リビングに戻り、モーニングコーヒーをいれてテレビを点けニュースをぼんやりと見ていれば頭もスッキリしてきた。
起床から約30分。
自室に戻って服を着替えて、またリビングに戻り朝食の仕度を始める。
オムレツの用意に、トーストの用意、食器をテーブルにセットして、起床から約1時間が経過した。
「さて、と!行きますか!」
足取り軽く向かう先は、ライルの自室。
ドアを開ければベッドの上に布団で出来たオムレツを発見した。
「また丸ってる。ほんと寒いの嫌いだなぁ」
カーテンを開ければ朝日が部屋に満ちる。
そっと布団の上から体を撫で、「ラーイル」と声を掛けた。
「朝だぞ、起きろ」
「…………」
「ライル!あさ!」
「…う」
「起きる時間だぞ!」
「………ぅー…」
「ライル!起ーきーろ!」
「や…」
体をいくら揺すってもライルは更に体を丸めるだけで起きる気はないようだ。
布団を引っ張りなんとか顔を出す。
光が眩しいらしく顔をしかめ俯せになろうとしたところを、肩を掴み阻止して更に揺すった。
「こらこらっ、寝るな!起きろーライルー!」
「うぅ…るせ…」
「遅刻しちゃうぞ〜ライル〜!起きろって!!」
「……んー…」
「ふぅ…ま、起きねーよなぁ。さてと」
ライルを布団ごと抱き上げとりあえず上半身を起こさせる。
力の抜けきった体を抱きしめて、寝癖であちこちに散らばる髪を撫で、つむじにキスをした。
「ライル、起きようなー?」
「ん…んー…眠い」
「ご飯はオムレツと野菜スープとトーストだぞ。紅茶は何にする?」
背中をさすりながら耳元に吹き込むように問い掛ける。
くすぐったいのか肩を竦め駄々っ子のように首を振った。
「うー…あーる…」
「ストレート?レモン?ミルク?」
「……みる、く…」
「オーケー、じゃあ次は」
首筋に埋められた頭を引っ張り出し、案の定寄っていた眉間の皴にキスをする。
「トーストはなに乗せる?」
「……ハム…」
「焼く?」
「ん…」
「甘いのは?」
「………いちご」
ライルがやっとうっすらと瞳を開けた。
かれこれ起こし始めてから30分が経とうとしている。
「焼きハムと、いちごジャムな?紅茶はアールグレイのミルク!さ、朝だぞ、ライル!」
「ん、はよ…」
ライルがぼんやりとしながら俺の頬に唇を寄せた。
もうこれで大丈夫。
俺の冬の朝の1番大事な仕事は終了だ。
「顔洗ってきな」
「おー」
モコモコのスリッパをはいて怠そうに洗面台に向かうライルを見送ってから、俺はキッチンへ向かう。
ティーセットを温めつつ焼きハムを作りトーストを焼く。
テーブルに朝食の用意が整ったところで、タイミング良くライルが現れた。
「あー今日も寒ィ」
「冬だからなぁ」
「兄さんは凄いな、朝辛くねーの?」
ライルは出された紅茶に口をつけ、満足げに目を細める。
「ライルの可愛いー寝起きに思う存分立ち会えるから、辛くねぇなぁ」
「……可愛くねーよ」
「はは、明日も安心して俺に任せてくれよ」
「…はいはい」
ジャムを塗ったトーストを皿に乗せ、ライルに渡し、同時に「いただきます」と言ってフォークを手に取る。
「…兄さん、いつもサンキューな」
照れた顔で告げられるその一言で、俺の冬の朝は春の陽気に変わった。
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拍手ありがとうございました!
寒さが厳しくなってきましたね… 朝起きるのが死ぬほど辛いです…
ライルは低血圧な上に寒さにめっきり弱いと可愛いですね!
兄さんも寒いの嫌いだけどライルのためならなんてことありませんよね!^^
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