拍手お礼SS ニルライ *幸せレシピ*
簡単に作れるからという理由で作ったミートソーススパゲティをテーブルに並べる。
じゃがいもスープに、蒸し鳥のサラダ。
ミネラルウォーターを二つのコップに注ぎ、どうぞ、と一言。
「いただきます!」
兄は満面の笑みを浮かべ声を上げた。
「スパゲティ久しぶりだなぁ……ん!超旨い!ライルは料理上手いなぁ!」
「そーか?普通だろ?店で食べた方が…」
「いいや!ライルのミートソースのが百倍は旨いね!」
くるくるくるくる、フォークにパスタを絡ませ次々に口に運ぶ。
本当に美味しそうに食べる兄の姿を見ると、自然と俺の頬も緩んだ。
改めて、自分の作ったパスタを口に運ぶ。
「…………んー…でもさぁ、兄さんのが料理上手いし、これだって、兄さんが作ったヤツのが旨かったぞ?」
「んな?!んなワケねーだろぉ、俺のなんかよりお前のが百倍は旨い」
「百倍ばっかじゃねーか」
「だってマジでさ。この蒸し鳥だってホクホクだし、絶対ライルの作る料理のが美味しいってー」
レシピ通りに作れば大体なんでも普通に旨く作れる。
あくまでも普通であって、兄のように目分量で作る家庭の味にはならい。
俺のことばかり褒めて、俺が旨いと言うのも素直に受け入れない兄に苛立った。
「アンタが作る飯のが旨いって!」
「だーから、ライルが作ってくれた方が美味しいんだって!」
「俺のことはこの際置いとけ!兄さんの料理は美味しいの!」
「なにムキになってんだよ?こんっっなにうめぇのにさ」
「ムキになんかなってねぇ」
「なってるだろ」
しばしの沈黙。
お互いがお互いに譲らない主張。
深く溜息をついたのは二人同時だった。
ほんの些細なことで始まった微妙な空気。
朝、お互い家を出るまでそれは続いて、時間はももやついた気持ちのまま過ぎて行く。
「ただいまー」
「おかえりー」
「…あのさぁ、ライル…ん?」
キッチンに顔を出した兄は、俺の手元を見て目を丸くする。
「着替えて手洗って来いよ、手伝って欲しいんだけど」
「じゃがいも…」
ふかしたじゃがいもを無心で潰しながら兄に声を掛けた。
まだレンジの中で潰されるのを待つじゃがいももいる。
「…オッケー、すぐ手伝うな!」
「おー」
今夜のメインはコロッケだ。
「作り過ぎじゃね?」
「いんだよ、揚げ物は冷凍しとけるし。じゃがいも、安かったから」
じゃがいもを潰す兄の横で、コロッケ第一弾にパン粉を付ける。
「…あのさー…実は俺もじゃがいも買って来ちまったんだけど」
「えっ、マジで?」
「安かったから」
「……ははっ、双子だねぇ」
「だぁよなぁ」
「明日はじゃがいもシチューにするか」
「そうだな。あ、胡椒はこんなもんでいいかな」
「辛めにして」
「了ー解」
俺が作ったソースをコロッケに掛け、兄は大口を開け頬張る。
満足げに笑って、頷いた。
「う〜〜ん、うめぇ!サクサクホクホク〜」
「ん、旨いな」
「……昨日は悪かったな。俺の料理褒めてくれてたのに」
「俺こそムキになって悪かったよ」
二人して笑い合う。
「やっぱさー、二人で作るのが、1番美味しいな?」
「そーだな」
二人肩を並べてキッチンに立つ。
ただそれだけで、誰よりもどこのよりも、美味しい料理が出来る。
簡単な、幸せレシピ。
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拍手ありがとうございました!
いただいたネタを書かせていただきましたあ!^∀^
最終的にはほのぼのイチャイチャしちゃうニルライ可愛いですよね^^
じゃがいもを大量に買って来て仲直りのキッカケにしよう って思ったのは二人とも同じでしたとさ!
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