拍手お礼SS ニルライ *ウェディング*
「ライル、結婚しようぜ」
そう言うと、ライルは予想通りポカンと口を開けた。
「……は?」
俺を見上げて訝しげに目を細める。
その綺麗な碧の瞳を覗き込んで、不意をついてキスをした。
「っ…な、んなんだよ…いきなり…」
「甘いな。バニラアイス」
「食べてたからな。つうか、だからなんなんだ?」
「結婚しよう?」
「…あのなぁ…」
手の中のカップアイスを奪ってローテーブルに置く。
憮然としたままのライルの隣に座り、その身体を抱き寄せた。
素直に俺の膝の上に乗るライルが愛しくて仕方ない。
「ラーイル」
「なんだよ」
「眉間、皺になっちまうぞ?」
「余計なお世話だ」
「だーめ」
両頬を挟み、眉間にキスを贈る。
そのまま顔中にキスを降らせて、最後に唇を甘噛みした。
「…にい、さんっ…」
「ライルと結婚したい」
「だーかーらー、何言っちゃってんだよアンタは」
「ライルと…愛しあってるって、カタチにしたいんだ」
「……無茶言うなよ…」
「あぁ…わかってる。わかってるけどさ…」
自分には、ライルを繋ぎ止める術がないから。
ライルがいつ離れていってしまうか、毎日不安で仕方ないんだ。
幸せで幸せで、泣きそうなくらいなのに 同じくらい不安でおかしくなりそうになる。
「兄さん…どうしたんだよ…」
「…んー」
ライルの肩に顔を埋め、ぴったりくっつくように身体を抱きしめる。
ライルの両腕が、そっと俺の背中に回った。
宥めるように優しく叩かれる。
涙が、溢れそうだ。
「兄さん…」
「ライル、ライルッ…結婚、したいよ…」
「…そうだな、しようか」
「……へ?」
しがみついていた身体をやんわりと引き離され、不安を覚え慌ててライルの両腕を掴む。
「大丈夫だよ、兄さん」
「っ…ライ、ル…」
「婚姻届は?名前、書こう?」
「……ごめん…。変なこと言って…。俺、迷惑かけてばっかりだ」
「バカ、謝んなよ。俺も兄さんと結婚したい」
「…でも」
「おいおい、アンタが言い出したんだろ?なに尻込みしてんだよ」
「だって、ライル…」
ライルが悪戯っ子のような笑みを浮かべ、さっきの俺のように眉間にキスをした。
「証人が必要だな。なぁ、明日スメラギさん達に頼もうぜ」
「ちょ、待てよライル!俺の戯言なんかに付き合わなくてもっ」
「兄さんは俺と結婚したいんだろ?!違うのかよ?!」
「したいさ!!でも出来ない!わかってるんだ!!」
「出来る!!」
「っ…」
叫んだライルの顔が、みるみるうちに悲しみに歪んだ。
「らっ…」
「出来る…からっ…。カタチだけでも…だから兄さん…そんな悲しそうな顔、すんな…」
そう言って、ライルは俺を抱きしめた。
頭上で鼻を啜る音がする。
「…ライルは優しいな」
「にいさん、のが…やさし…」
「ありがとなぁ…。俺はホント、幸せ者だ」
「…ちゃんと、幸せにしろよ」
「…あぁ」
確かな未来は保証できないけれども 俺の一生は、生まれ出る前からライルのためにある。
俺の命の限り、ライルを幸せにする。
「ふふ、全く貴方は不器用な人ね」
「わかってるさ、ミス・スメラギ」
「で、式はいつにする?」
昨日の事の顛末を話した後、スメラギはニコニコ笑ってそう聞いてきた。
「し、しき?」
「結婚式よ!当たり前じゃない!」
「いやいやいや…そこまでしなくていいから」
「なによぅ、しなきゃダメでしょ!いい? ここには貴方達の結婚を反対する人間なんていないんだから、正々堂々と式を挙げなさい!」
「…それは、えーと…嬉しい、けどさ。ライルが賛成すっかなぁ」
「させなさい!」
「えええ…」
「カタチだけでも結婚したい。そう言ったのは貴方でしょう?そして私に証人になって欲しいと言ったのはライル。 だったら貴方達の晴れ姿、私に見せて欲しいわ」
優しい笑顔でそう言うスメラギに、俺は肩の力を抜いた。
「了解だ。いつにすっかなぁ」
「あ!ハイハイ、私幹事やりまーす!」
「クリスになら安心して任せられるわねー」
「つかいつの間にいたんだよっ」
「さっきから〜。大安吉日で、なるべく早めにしちゃいますね!」
「おいおい…」
きゃあきゃあと盛り上がる二人を眺めつつ、ライルの反応を思い若干憂鬱にはなるがきっとライルは嫌がりながらも付き合ってくれるんだろう。
祝福の鐘が響くのはそう遠くない。
結婚式は小さな教会を借りて、小規模に行われた。
俺達の仲を知る数人だけの、小さな小さな式だ。
「兄さん、カッコイイじゃん」
「お前さんもな、ライル」
お互い真っ白なタキシードを纏って、皆の前で近いのキスをする。
恥ずかしいからという理由でほっぺたに。
響く鐘と、祝福の拍手。
ライルが照れくさそうに頬を掻きながらブーケを宙へ放った。
「きゃーっ!!」
甲高い悲鳴を上げたのは、ブーケをキャッチしたクリスだ。
幹事をしてくれた彼女を、ライルはさりげなく狙って投げていた。
クリスの隣で目を見開き固まったリヒティを見て思わず噴き出す。
「さーてと、ニール、行きますか」
「あぁ」
沸き立つ皆の元に、二人で手を繋いで足を向ける。
「愛してるよ、ライル。永遠に」
「俺もだよ、ニール」
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拍手ありがとうございました!
兄さんはいつでも不安なんです!
ライルは飄々としてるから、フラっとどこか行ってしまいそうで
ライルからしてみれば兄さんのがよっぽどフラっと消えそうなんですけどね^^
そんなこんなで結婚式挙げてみましたなニルライ!^^
二人ともタキシードでビシッと決めたらカッコイイですよね〜^^
ライルはなんだかんだで男前な印象は健在です!
メンタルは兄さんのが弱そうだもの
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