拍手お礼SS  ニルライ *酒は飲んでも*



「おいコラ、そこのお兄さん」

低く唸るように目の前の背中に声を掛ける。
ふらふらの足を止め緩慢に振り返った。

「あぁあ〜にいしゃんらぁ」
「ッッ…!ばかやろうなんで店の前で待ってないんだ!」
「ふへへへ、チンピラみてぇ」

ふにゃふにゃ笑うライルは実に愉快そうだ。

会社の同僚達との新年会。
深夜になっても中々帰ってこないライルに辛抱強く電話をかけ、やっと出たかと思ったら呂律も怪しくなっていた。
今日は気心の知れた親友が一緒だったから調子に乗って呑んだのだろう。

今すぐ店を出てその場で待ってろ、と言い付けてから数十分…
店にいないライルを探して見付けた背中に安堵と怒りが沸き上がっていた。

「お前なぁ!危ないだろうが!」
「にいさんがおこってる」
「当たり前だ!ったく、こっち来い!」

ライルの腕をひっ掴んで引き寄せ、腕の中に閉じ込める。
強いアルコールの匂いとタバコの匂いに思わず顔をしかめた。

「うーにいさんつめてぇ」
「はぁ…なぁライルよく聞けよ?」
「んんー?」
「飲み過ぎは身体に良くねーし、こんなんになって道路歩いてたら事故にも遭うし、酔っ払いを襲う悪党だってたくさんいる。
少ない可能性だとしても、ゼロじゃないんだ。俺はライルを少しでも危ない目に遭わせたくない」
「…にぃさ…」
「たまにはハメ外して飲みたい気持ちもわかる。頼むよ…俺が迎えに行くから。だから酔っ払ったら大人しく俺を待っててくれ」

ライル自身の匂いを探し、首筋に鼻を擦り寄せる。
安心するその香りを深く吸い込んだ。

ライルが腕の中で身じろぎ、ピッタリくっついていた身体に隙間ができる。

「…ライル」
「ごめん…ぉれ、店でたらなにすんだか忘れちゃって…あぁかぇるんらなって…」
「うん」
「こんろからは、ちゃんとにーさん待つ。ごめんなさい」
「うん…いいよ、わかった」

できた隙間を埋め、素直でいい子なライルを褒めるように頭を撫でた。
嬉しそうに擦り寄ってくるライルはまるで猫のようだ。

「さて、帰ろうか」
「ん、にいさん一緒に風呂ー」
「え?!あ、あぁ、オーケイ…」

普段なら絶対に誘われないバスタイム。
酔っ払ったライルは甘えたになることが多く、それも泥酔して欲しくない理由の一つだったりする。
しかしこれが至福の一時であることも否定できない。

「要するに…家飲みで泥酔ならアリ、か?いやいや…身体に良くないってわかっててンなに飲ませられっか」
「ん〜?」
「あー…なんでもねぇよ。ほら、車まで俺につかまってな」

ライルは腕にしがみついて上機嫌に鼻歌を歌う。
子供のように肩をぶつけては笑い、頭を擦り寄せ甘えるライルは壮絶に可愛かった。

「あーちくしょ…可愛い」









「とまぁそんなこんなで可愛いお前をたっぷり堪能しました」
「さいっっっあくだっっ…!」

ベッドに沈むライルが唸る。
よしよしと頭を撫でて宥めるが、嫌そうに逃げられた。

散々酔っ払った証拠写真や映像を見せながら
説明してやったためかご機嫌斜めだ。

「これに懲りて飲み過ぎ注意を心掛けるんだな」
「…酔っ払いに手ぇ出すなんて男としてどうなんだよ」
「俺はお前に誘われたから手ぇ出したんだぜ?可愛かったなぁあん時のライル〜」
「もう!黙れよっ!いっ…たたたた…」
「無理矢理騎乗位なんかしてくるからだぞー?」
「だぁからあんたは黙ってろっ!!!」

顔を真っ赤にして怒る姿さえも愛おしくて堪らない。

飲み過ぎもたまにはいいかな、なんて
毎回思っては思い直すわけで。


「やっぱ酔っ払うのは禁止」
「うるせー」
「でもまぁ…俺の前だけで、な?」

耳元に吐息を存分に含ませて囁いてやれば、
ライルはへにゃへにゃと枕に顔を埋めた。








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拍手ありがとうございました!

お酒で調子乗っちゃったらいるん。
兄さんドキドキハラハラです^^

多分クラウスと一緒ならなんとかしてくれるだろうと
思う存分呑みます。
呑み放題の場合元取るまで呑みます。

そして兄さんに毎回美味しくいただかれちゃうわけですね^^
兄さんも美味しい思いしてるので強く禁止だと言えないのです(笑)



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