拍手お礼SS 刹ライ *いぬとの生活“朝”*
「ライル、おはよう」
朝起きて、声をかける相手がいることを幸せに思う。
ソファーでくたりと寝転がっていたライルの耳がピクリと動き、緩やかに尻尾が揺れた。
「んっ…ふぁ…せつなぁ」
のそりと起き上がって寄ってきたライルを抱きしめてやる。
嬉しそうに左右に揺れる尻尾を見てこちらも嬉しくなった。
ライルを飼い始めて知ったことは、温もりと充足感。
そしてライルの習慣。
「おはよ、刹那」
「あぁ、おはよう」
頬に受けるおはようのキス。
初めてされた時は驚いて固まってしまったが、最近はライルの頬にキスのお返しができるまで進歩していた。
前の主人に教え込まれた習慣だとしても、この行為は純粋に嬉しい。
「よく眠れたか?」
「ん。刹那は?」
「…最近寒くなってきたからな…」
ふわふわの髪の毛を指に絡めて遊びながら、人よりも高いライルの体温を盗むように擦り寄る。
そうすれば背中に回っていたライルの両腕にも力がこもり、隙間など出来ないくらいピッタリとくっついた。
「暖かい抱きまくらが欲しいところだ」
ライルは耳元に囁やかれた言葉の意味を正しく理解する。
ちぎれんばかりに振れる尻尾がライルの感情を俺に伝えてきた。
「その抱きまくら、俺じゃダメか?」
「そうだな…ライルは暖かいから…。今夜から暫く一緒に寝ようか」
「クゥン」
欲しい言葉を与えてやれば、実に素直に嬉しいという感情を返される。
ライルが甘えた声で鳴いた。
「さて、朝食にしよう」
「オーライ。手伝いますよ、ご主人さま」
ライルの笑顔を見ながらの食事。
ライルは好き嫌いがなくなんでも食べてくれるから助かる。
前の主人がよく躾たのだろう。
顔も名前も知らぬその存在に小さな嫉妬心が芽生えたが、軽く首を振ることでそれを払った。
「刹那?どうした…?」
「いや、なんでもない」
「ハム焼きすぎちまった?俺、火加減よくわかんなくて…」
「大丈夫だ、美味しい。本当になんでもないんだ」
犬に限らず、動物は飼い主の感情の動きを敏感に感じ取る。
不安げに力を無くした耳と尻尾が可愛らしい。
安心させるため頭を撫でてやると、手の平に擦り寄ってきた。
「…本当にお前は可愛いな」
「へっ?」
「可愛い、大好きだ」
「っ…!せ、せつなっ…!なに言ってんだよ、もうっ…」
垂れ下がっていた尻尾が持ち上がり左右に揺れる。
照れ隠しのように後ろ頭を掻いてもその感情はバレバレだ。
ライルと暮らし始めてから、なんということもないやりとりの一つ一つを幸せに
感じ、心が満たされていく。
「お前に出会えて良かった」
碧の瞳を見詰めれば、それはもう花が咲くような笑顔を見せてくれた。
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拍手ありがとうございました!
わんこライルと飼い主刹那の朝の風景^^
最近寒くなってきたので、ふわふわとしたあったかいモノと一緒に寝たいです…
素直なわんこライル、デレデレなので書いてて楽しい(ゴクリ)
刹那は、他の人がいる空間、温もりに初めて幸せを感じればいいです!
充分愛玩になっている、24歳186cmオス犬ライル(笑)