*犬も喰わない*



ノレン様に捧げます

*パラレル設定
*ニルライ喧嘩で意地悪ニール

許せる方のみど〜ぞ





数年振りに盛大な喧嘩をした。

大声で怒鳴られ、鋭い音が部屋に響く。
叩かれてジンジンと熱を持つ頬を押さえ、驚いて固まってしまった俺を無理矢理外へ押し出し部屋の鍵をしっかり閉められてしまった。

「に、にいさ…」

いまだ驚愕から立ち直れず、弱々しい声で兄を呼ぶ。

「暫くは顔を見たくない。お前もそうだろ」

ドア越しに冷たい声が届いた。
崖っぷちで手を離されたような、そんな絶望感が襲ってきて慌ててドアを叩く。

「な、何言ってんだ!ちゃんと話ししろよ!おい!兄さんっ!」

その後、いくら呼んでも兄がドアを開くことはなかった。














あれから必要最低限の会話しかさせてくれず、三日が経った。

顔を見るたび謝ろうと思うが、何故か声にならなくて、兄から謝ってくれないかなと期待する日々。

「おはよ…」
「ん、おはよ。さてと、そろそろ行くかなー」
「な、なぁ…」

今日も今日とてさっさと仕事に出ようとする兄を引き止めてみる。

「んー?」
「…あ、その…今日は、遅いのか?」
「…いや、どうだろ。わかんねぇから俺のことは気にしないでいいぞ」
「あ、う…でも」
「行ってきまーす」

玄関のドアが無情にも閉まる。
その場に立ち尽くし、頬を涙が伝った。

「やだ、にいさ…ううっ……ッ、ふく、うー…にいさん…」

朝から、しかも出勤前に玄関先でみっともなく泣いてしまっても、兄が戻ってくることはない。

「にいさんにいさん、にっ、うぇ、ひっ…やだ…にーる、ごめんなさい…ごめんなさい…」

なんで、独りにならないとこの言葉は出てきてくれないんだ。

「嫌いに、ならないで…」















冷たい廊下に立ち、そっとドアノブに触れる。
緊張しつつ捻ってみれば呆気なく回り、ドアが開いた。

「っ…」

月明かりしかない室内をそっと覗く。
ベッドに兄の姿を認め、息を殺して近付いた。

もう耐えられない。
早く、早く兄さんに抱きしめて欲しい。

ただそれだけなんだ。

ギシッとスプリングの響く音。
触れようとした右腕を掴まれ肩が跳ねた。

「ッ、あ、に…」
「……こんな夜中に、なんの用だ?」
「………あ、え…と、眠れなくて」
「眠れなくて俺のトコに来た?お前らしくねぇな?」

バカにするような声音に胸が痛む。
でもここで引き下がるわけにはいかない。
掴まれた腕を引き、その指先にキスをした。

「…兄さん、シよ?」

精一杯の猫撫で声を出す。
喉が渇いて、呼吸も辛くて、なんだかもうおかしくなりそうだ。

俺の必死のお誘いを、兄は冷めた目で見詰めるだけ。

『…そうきたか』
「なぁ、兄さん。シたい。気絶するくらい…兄さんと…」
『こいつ、本当に反省してんのかよ』
「っ…にいさん、にいさんっ」
「ん、おいっ…」

無言の兄に痺れを切らし、ベッドに乗り上げ兄の唇を食んだ。
無意識だが攻めるとなると拙くなってしまうキスを必死で贈り、兄を誘う。

吸い付いて、噛み付いて、舐めて、ねだって。

それでも兄はただ無言で、涙が溢れそうになる。

「にーるっっ」
「わぁったよ」
「う…」

大好きな掌がやっと俺の頭を撫でた。

「そんなにシたきゃ、一人でやってみ?」
「……え?」
「ほら、足開いて。見ててやるから」
「ちょ、なに、いって」
「シたいんだろ?シろよ、ほら」

枕を背もたれに、無理矢理足を開かされる。
冗談だ、そう思いたいが兄の冷たい瞳がソレを否定した。

「にいさ…」
「早く。寝ちまうぞ?」
「…ふ、うぅ…」

兄が目の前にいるのに、なんで一人で。
切なくて虚しくてしょうがないのに、嫌われたくなくて震える手を自身に伸ばす。

「う、うー…」

一人ですることなんて、ここ一年程なかったんじゃないだろうか?
いつも、いつも、目の前の兄に…

ゆるゆると手を上下に動かせば、確かに反応はするが酷い嫌悪感も付き纏う。

「にいさ、やだ…」
「へぇ?しっかり反応しといてよく言うぜ」
「ッ…く、」

浅ましい身体は兄の声を聞いただけで快感を得た。

「こら、足閉じんな」
「だ、てッ…」

兄の意識が自分に向いている。
段々と正常な思考が麻痺してきたおかげが、それが嬉しくなってきた。

溢れ出してきた精液が滑りを良くし、手淫が早まる。

「ン、ん、はっ…兄さん…シて、よっ…兄さん…っふ」
「………その前に、言うことはねぇのかよ…」
「…ぁ、に?ま、っ、ン、…まら、だめ、なの?にいさ、抱いて、くんねっ…の …?」

兄の言葉が水中にいるようにぼやけて聞こえた。

決定的な刺激が足りない。
兄に奪われたい。

いくら手を動かしてもイケないのは心因的な問題だろう。

「…チッ」
「ッ、にいさ…な、に…なんで…」
「ほんとお前は淫乱だよなぁ。前だけじゃ足りないんじゃないか?」
「ち、がっ…俺は、兄さんにシてほしっ」
「後ろも弄ってみろよ」
「……え?」

無理矢理掴まれた右手が奥へと誘導される。
溢れた精液ですでに濡れていたソコに、自身の指先が触れた。

「ッ、やめっ」
「なーに言ってんだ。ちょっと触っただけでヒクついたぞ?あぁ自分じゃ見えねぇか。ならよ、指突っ込めばわかるか?」
「や、やだ!やめろよッッ!ん!」

すんなりと人差し指が埋まる。
俺の指が埋まったのを満足げに見て、兄はまた身体を離した。

「や、やだ…、こんな、のっ…」
「シてぇんだろ。だったらちゃあんと自分で準備しなきゃな」
「こ、な、のっ…しな、いっ…おれは、ッ…」
「じゃあおしまいだ。お前が出ていくか、俺が出ていくか、好きな方を選ぶんだな」
「…にいさっ…!」

兄がゆっくりと床に足を着ける。
反射的に腕を掴み引き留めていた。

「…なんだよ?」
「で、てかないで…ッ、する、から…」
「……わかった」

その時の兄の顔が、苦しげに歪められたことには気付けない。


それからは必死で、中の指を軽く曲げたりして性感帯を探す。
壁をゆるゆると擦り、もう少し奥へと。

「はっ、はっ…あ、うっ…ンッ」

いやらしい水音に耳を塞いでしまいたいが生憎両手は塞がっている。

身体の芯が燃えるように熱いのに、どこかは氷のように冷えていた。
涙がひっきりなしに溢れて、泣いているのか喘いでいるのかわからなくなる。

「ふ、ううっ、ヒ、やぁ…やだ、や…はず、っかし…こんなっ…ン、ん」
「ライル…」
「ひっ、ん、く、うぇ、も、わけ、っ、わか、んなぁっ…ふ、うっ」

もうどうしたらいいのかわからない。
兄に抱きしめて欲しいだけだったのに。

人差し指に中指を添え、二本挿入して強く前立腺を擦る。
身体が勝手にビクッと跳ねて少量の精液が溢れた。

「ん、くぁっ…あ、もうっ…もうやだぁっ…!!にいさん、にいさんっ」


お願いだから、いつもみたいに抱きしめてよ。


感情が爆発した。
今まで言えなかった言葉がポロポロ零れて、みっともない恰好のまま肩を震わせ泣き出してしまう。

「ひ、ぐうっ、うぇ、え、ごっ、ごめん、なさっ…ごめんなさいっ、にーるぅっ …も、やだぁ…う、う、ふあ、ああぁ、うぇ、あぅ、め、なさぁっ…!」
「ッ、ライルっ…!」

唐突に待ち望んでいた抱擁が与えられる。
理解するまでに多少時間がかかり、理解した途端に先程よりも涙の量が増した。

「悪かった…こんなことさせて」
「うあ、あああ…う、ぇうっ、にぃる、ごめっ、なさ」
「あぁ、俺もごめんな…」

額に、耳に、目元に、涙を吸い取るようにしつこくキスを受ける。

「らいる…好きだ、愛してるよ」
「う、ん、んっ」

キスに夢中になって、手が、指がそのままになっていたことを忘れていた。
それを思い出させてくれたのは兄の指だ。

「ヒッ?!あ、あぁッ!」
「ん…あんま解れてないな…」

自身の指が二本入っているそこに、兄の指が侵入している。
慌てて自分の指を引き抜こうとするが、手首を掴まれ阻止された。

わけがわからず兄を見遣れば、兄はいつものように優しく微笑んでいる。

「解すの、お前も手伝えよ」
「あ、あ…にい、さっ…」

中で、俺達の指先が絡む。
反射的に首をのけ反らせ、あらわになった喉仏が兄の歯にやんわりと挟まれた。

「ん、そう、指動かして。…入るかな」
「ひ、ふ、ッくぁ…あ、やめ、無理、やぁッ、や!」

動く喉仏を追う舌先と、下半身からくる刺激に翻弄され思考がぐずぐずに溶け出す。

「すげ…ライル、指四本もくわえてんぜ?」
「ひぁ、はっ、あ、あ」
「ふ、淫乱なのは本当だよな…」
「ちが、にいさんっ」
「違うのか?」

兄の二本の指が中で開かれ、広げられたソコが外気に触れ感じ入った俺は狂ったように嬌声を上げた。

「お、と…?今のでイッちまった?なんだ、さっきから自分でコッチも弄ってたのか」
「あ、あ、…ひ、ふあ、はぁ、あ…ッ」
「先っぽ、親指でぐりぐりしちゃって、エッチだなぁライルは」
「う、うぅ、ちが、ぅ…」
「ライル」
「兄さんだからっ、だっ…!」
「…へ?」
「にいさ、が、いるから…っ、兄さんがシて、くれるから…おれ、おかしく、な るん、だ…も…」
「…ッ」

兄相手でなければ、こんなに取り乱すハズがない。
一人ですることだって昔はあったさ。

ニールが目の前にいるから、こんなに…
恥ずかしくても切なくても、ニールがいるから

「んあ!」
「も、バカ。なんでお前はこうっ…」

唐突に腰を抱え上げられ、背中がシーツについた。
自然と抜けた指先にまで感じてしまうのが恥ずかしい。

今まで散々広げていたせいか、緩く口を開けたままのソコに兄が触れた。

「いれるぞ」
「あ、あっ…欲しっ…にいさっ」
「やるから、いくらでも」

兄を呆気なく飲み込んだソコは、俺の気持ちと同様にもっと欲しいと求めて蠢く。

両手を繋いで、呼吸を奪い合うようなキスを交わして 身体も心も繋がって溶け合えた感覚。

やっとだ、やっと、抱きしめてもらえた――。















「まーったく、なぁんであんな手段に出ちまうんだお前さんはぁ」
「うう…」

綺麗に整え直したベッドの中、向かい合って抱き合いながら、兄に額を突かれる。

「最初から素直にごめんなさいって言えばいいだろ」
「……だ、て…」
「あまのじゃくで意地っ張りなのは、お前の悪いトコだ」
「…うー」
「…まぁ、ソコが可愛いトコでもあんだけどな」
「…うぅ…」
「…反省したか?」
「…………ん」
「そっか、よしよし」

ぎゅう、と抱きしめられ、大好きな掌が何度も後頭部を行き来する。

「…俺も、あんな意地悪して気分良いもんじゃなかったよ。興奮はしたけどな」
「…イイ性格してんな」
「嫌がりながらも、ってのは男のロマンだろ?でも、ごめんな」
「…いいよ、もう…」
「次はそういうプレイでいこうぜ」
「自慢の息子噛み切るぞ」
「ライルが困るだろー」
「バーカ!」

幸せを全身で感じる。
この幸せを逃がすまいと背中に回した腕に力を込めた。




「…それにしても、喧嘩の原因てなんだっけ…」
「……あれ?なんだっけ?」














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ノレン様に捧げます!!!

本人様に限りお持ち帰り自由です。

テーマは“一人エッチ”だったのですが
喧嘩中だったせいかライルが一人エッチに乗り気にならなくて試行錯誤しました…!orz

一人エッチライルはもっとこう…犯罪的に可愛いハズなんだ…!
兄さんも襲いかかりたくてしょうがないのを我慢していたハズなんだ…!


夫婦喧嘩は犬も喰いませんよ!^^
楽しかったです自分で指突っ込むライル^^でへへ^^

リクエストありがとうございました!
私もノレン様の描くエロ大好きですっ!!!(ちゃっかり)




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