*For you*




*パラレル設定
*職業モデルとデザイナー設定
*職業についてはキリスケの知識不足が否めない\(^o^)/調べたりは・・・したんです・・・orz



許せる方のみど〜ぞ



「よぅし、これで完璧!俺のライルかっこいーぃ!」
「コラ抱き着くな!」

ニール、ライル、現在25歳。
両親と妹を不慮の事故で亡くして以来、二人で生きてきた。

ニールは子供の頃からの夢であったファッションデザイナーになり、今では新進 気鋭の注目株。
ライルはメンズファッション誌の専属モデルをしている。

「はいはーい、メイクしますから離れてくださーい」
「俺のライルにメイクは必要ないぜ!だって元がいっぐえ!」
「いいからアンタは黙ってろ!悪いなクリス、いつもいつも」
「いいですって〜、楽しいもん」
「ははは…そうか?」

ニールがデザインした服の殆どは、一般男性の不特定多数向けではあるが、まず ライルが着ることになっていた。

理由の一つは、ニールの所属するファッションデザイン事務所と、ライルが所属するモデル事務所が提携を結んでいるため。
もう一つは、ニール自身がライルを想いデザインするからである。

要するにライルに一番似合うのだ。

ニールはライルが着る場合スタイリストまで務めるため、二人はだいたいいつも一緒にいる。











「次は春物だなーピンクなライルも可愛い」
「ピンク?!やめてくれよ女じゃあるまいし!」
「いいじゃねぇか、絶対似合うぜ」
「お疲れ様〜」

撮影を終え、ニールが撮影中に浮かんだイメージを語りながら控室に戻ると、中にはモデル事務所の女社長であるスメラギがいた。

「スメラギさん、お疲れさんです」
「撮影良かったわよ〜」
「そりゃどーも」
「なぁミス・スメラギ!ライルにピンク、可愛いよな!」
「そうね、いいんじゃない?」
「だよな!」
「おいおい!」
「まぁそれは置いておいて」
「おい!」

スメラギはライルを無視しバサッと書類を広げる。
書類には様々な洋服のデザインが描かれていた。

「…これは?」
「先々月号での合同企画覚えてる?」
「…確か服飾デザインコンテストだったか」
「そう。ダイヤの原石探し。審査の結果がここにあります」

ファッションデザイン事務所と、モデル事務所と編集社での合同企画。
広げた書類の上に、新しく取り出した書類を広げる。
発表時期に合わせ、夏物のデザインがそこには描かれていた。
ニールがそれを手に取り、打って変わって真剣そのものの表情で眺める。

「………うん、いいじゃないか。まだまだ粗削りな感じはするけど、企画コンセ プト通りの原石っぽい」
「でしょ?なんだか色々感じちゃうじゃない?意見は結構分かれたけど、その子がグランプリに決定したわ」
「…若いなぁ」
「17歳だって。発表時期には18歳になるけど」
「しっかしすげー仏頂面」
「しかも凄い無口よー」
「で?なんで俺らにこれを?」
「えぇ、この服を貴方に着てもらおうと思って」

その言葉に先に反応したのはニールだった。
途端に眉間に皺を寄せる。

「どうしてだ?」
「どうしてって…ライルが似合うからよ」
「俺のデザインの方がっ」
「貴方のはもちろん似合うわ。貴方こそどうしたのよ?今までだってライルには他のデザイナーの服を着てもらってたじゃない」
「兄さん?」
「……なんか、やなんだ」
「…悪いけど、決定事項だし、貴方に反対権利はありません」
「…わかってる」
「変なやつだなぁ。服着るだけだろ」
「お前さんはわかってねぇな、たく」

不思議そうに首を傾げるライルの頭を掻き回す。
綺麗にセットされた髪はあっという間にあちこちに散らかった。

「なにすんだよ!」
「ケンカしないの!ライル、これが完成するのは再来月あたりだからね。一応報告しとくわ」
「…オーライ」
「ニール、春物の新作、期待してるわよ」
「任せとけ」
「それじゃ私は戻るわね。あ、直帰していいわよ」

スメラギはさっさと書類をしまい控室を出て行く。
残された二人はほうっと肩の力を抜いた。

「やっぱあの若さで社長のだけあって、威圧感あるよなー」
「そっちの社長だってそうだろ」
「リンダさんか?あの人はほんわか系だからなぁ」
「まぁスメラギさんはイケイケ系だからな。でもリンダさんの笑顔はすげー威圧感あるぜ」
「確かに」

二人でケラケラと笑い合う。
一息ついたところで帰宅するべく荷物を纏め出した。














季節はあっという間に過ぎていく。

世間より一歩先を行かなくてはいけないせいか、二人が感じる時の流れは早かった。
真冬に春物の撮影をしなくてはいけないのが、寒がりのライルには堪える。

そして春、二人がまた一つ歳を重ね、世間では新生活が始まり落ち着きだした頃。
夏物の売り出しが始まった。

「まだたまに寒いのに…」
「仕方ねーよなぁ」
「はぁ…。あ、兄さん新作は何点?」
「俺夏物あんま得意じゃねーからさ。今年は3点で勘弁してもらった」
「ははは、確かに。俺ら暑くても肌出せないもんな」
「日焼けで大変な目に遭うからな…」

いつものように二人で控室に入る。
暫くしてやってきたのはマネージャーであるティエリアだ。

「おはよう」
「「おう、はよぅ」」
「本日のスケジュールはわかっているか?」
「あぁ」
「ならいい。追加なんだが、撮影が終わった後少し時間をくれないか」
「ん?」
「コンテストの優勝者が、どうしても君に会いたいそうだ。少し話しをしてやってくれ」
「あぁ…あの」
「ライルのファンなのかぁ?」
「君は男性人気もそれなりにあるからな」
「それなりって…」
「俺のライルが人気ないわけないもんな!」
「また始まったよ…」

ライルを抱きしめ心底幸せそうに言うニールに、ライルもティエリアも深く溜息をつく。

「とにかくよろしく頼む。ではまた後で」
「オーライ」
「さて、と。俺らも衣装部屋行くか」
「そうだな」















「……ほんと、これお前さん以外が着たら少しだが印象薄くなっちまうような気がする。単体では輝いてんのに」
「なんだそりゃ」

撮影の休憩中、グランプリ作品を着たライルをしげしげと眺めニールが苦しげに呟いた。

「…なーんか腹立つなぁ」
「ぶっさいくな顔してんなよ」
「不細工?!ひでぇ!」
「たく、アンタは一体何がそんなに不満なわけ?俺がアンタの服だけを着れないことくらい承知の上だろ」
「そうだけど…」
「ライルさーん、よろしくお願いしまーす」
「あっはい!んじゃ行ってくるな」
「…おう、頑張れ」

雰囲気をさっと変え、カメラの前に立つライルを見詰め溜息をつく。

「…その服には、俺と同じ気持ちが篭ってるんだよ…」

ライルを、愛しいと想う気持ちが。
ライルを想って描いたということが見ればわかる。
同じ気持ちだからこそだが。

ライルの職業柄、ファンからの愛情は仕方ないものだし、ライルが愛されている のは自分も嬉しい。
だけどそれらは憧れが大半であって、自分のとは違う。

ニールはライルを男として愛していた。









「「お疲れ様でーす!」」
「お疲れ様でしたー」

ライルは撮影スタッフ達に頭を下げ、いまだ難しい顔をした兄の頭を軽く叩き外へと促す。
撮影が進むにつれ不機嫌になっていくニールに、ライルはもう笑うしかなかった。

「兄さん、あんま眉間に皺寄せてると、イイ男が台なしだぜ?」
「ライルがちゅうしてくれたらなおる」
「……控室戻ったらな」

いつもは殴るが、今日の兄の様子がおかしいのはわかっているため譲歩してやった。
途端にパアッと目を輝かせる兄を殴ってしまったのは仕方ないだろう。




「失礼、いいか?」
「「どうぞー」」

控室にノックが響く。
ライルからのキスを貰い機嫌を直したニールと、私服(ニールがデザインした服だ) に着替えたライルが怠そうに応えた。
声の主はティエリアで、彼の背後に黒髪がふわりと揺れたのを見つけニールは目を細める。

「まずは撮影ご苦労様です」
「どーも」
「自己紹介を」
「…刹那・F・セイエイです」

頭を下げ、恐る恐る顔を上げたその少年は、目の前の光景に目を見開いた。

「刹那、紹介しよう、彼はライルの」
「待てよティエリア。当ててもらおうじゃねーか」
「なに?」
「ライル、のファンなら、わかるんじゃね?」
「だよなぁ」

唐突に言いだしたのはニールだが、さすが双子というべきか、ライルも訝しむそぶりは一切見せずニールに続き自分を“ライル”と言い話を合わせた。

「…全く、バカげたことを」
「…………」

刹那は表情を引き締めると、二人の前へ歩み出る。
赤茶の瞳に見詰められた二人は、息が詰まる思いをし眉を寄せた。

「……初め、まして。ライルさん、ずっと好きでした」

見詰める瞳と差し出した手の平は、真っ直ぐにライルへと向いていた。

「………は?」
「な、な、な…何言ってんだお前?!」

ニールはライルを当てたことにも驚いたが、それよりも言葉に驚きガバリと立ち上がる。
刹那は何食わぬ顔で、しかし少し頬を赤らめながらライルを見詰め続けた。

「え、あー…どうも?」
「ってなんでお前も普通に握手に応えてんだっ」
「嬉しい…感激だ…」

しっかりと手を握ってもらえた刹那はますます頬を染めうっとりと呟く。
ニールの頭の中はもはや恐慌状態。
力任せにライルを抱き寄せ刹那から引きはがすと自分の後ろに隠してしまった。

「お、お兄ちゃん許しませんよっっ!!」
「なに言ってんだよ…」
「…貴方は?」
「今更かよ!」
「はぁ…紹介しよう。彼はニール。ライルの双子の兄で、新進気鋭のファッショ ンデザイナーだ。君の大先輩だな」
「ファッション…デザイナー…」

ティエリアが溜息混じりにそう告げれば、刹那は目を軽く見開き復唱する。

「ライルが紹介する服の殆どを彼が作っている」
「そうだ!ライルは俺んだからな!」
「アンタちょっと黙っててくんないか?!」

とんでもないことを言い自分を抱きしめるニールを引きはがし怒鳴った。

「ったく…。えーと、刹那?」
「はい」
「優勝、おめでとう。あのデザインすげー良かったよ」
「…あっ…ありが、とうございます…!」
「これからも頑張ってくれ」
「はい!!」

ライルは素直に好意を寄せてくる刹那に好印象を抱き、気をよくして頭を撫でてやる。
刹那はその手を両手で握り、ライルを真っ直ぐに見詰めた。

「俺、貴方のために服を作ります。俺の服を、これからも着て下さい」
「……へ?」

手を握ったところまでは黙っていたニールだが、叫び声を上げまたしても二人を 引きはがす。

「だあああああああ!!ストップだストップ!!!」
「うわっ」
「お前!!!いいかよく聞けよ!ライルと俺は恋人だ!ライルの服を作るのも俺だけだ!諦めろ!!」

人差し指を突き付けてそう叫んだニールに、世界が止まった。
最初に動きだしたのはライルで、がくりとうなだれ顔を両手で覆う。

「どうだ!わかったか!!」
「誰か時間巻き戻してくれ…」
「あまり大声で言わないようにして頂きたい。外まで聞こえたらどうするつもりだ。ライルのイメージに関わる」
「本当…なのか?」

ニールの言葉は真実だった。
二人の関係を最初から知っていたティエリアは眼鏡を神経質そうに上げ刹那は唖然として二人を見詰める。

「正真正銘真実だ!な!ライル!」
「頼む、これは極秘事項なんだ…口外しないでくれ」
「本当に…」

刹那は俯き唇を噛んだ。
うなだれてしまった少年が心配になり、ライルが恐る恐る声をかける。

「おい?せつな…」
「俺は諦めない!」

刹那は唐突に顔を上げ、そう宣言した。
ニールもライルも同じ表情で固まる。

「兄弟では結婚はできない。俺と貴方なら結婚できる。俺はライルさんを幸せにしたい。だから俺は諦めない」
「……いやいやいや、同性結婚もできねーし」
「つかライルはお前なんかにやりません!!」
「認めさせてみせる。アンタには負けない」
「なにをぅ?!」

ぎゃあぎゃあと口論が始まった。
大人と子供のなんともみっともない口論に終止符を打ったは、女性の声だった。

「いい加減になさい!!!なんの騒ぎ?!外まで聞こえてるわよ!!」
「げ、スメラギさん」
「彼らがライルを巡って喧嘩を始めました」
「あらまぁライルったら罪作りね。とりあえずニール、刹那、こっちへいらっしゃいリンダさんもいるから」
「「…!!!」」

途端に顔を青ざめさせる二人に、スメラギの背後から顔を出したリンダの微笑みが突き刺さる。
この絶対零度の微笑みがなによりも恐ろしいことを二人は知っていた。

「わ、悪かったよ、社長」
「すみませんでした…」
「あらぁ、そんな言葉は欲しくないわぁ。二人とも、いらっしゃい」

死刑宣告を受けたかのように生気が抜けた顔をして、ニールはライルの手を握り 「行ってくる…」と呟いた。
二人がいなくなった室内に、大きな溜息が零れる。

「あの子、あんまり貴方にこだわるから怪しいかなとは思ってたけど」
「…イケメンなのに…なんで俺なんか…」
「全くだな。彼ならニール同様顔でも売れただろうに」
「ニールもうっかりさんだからメディアには出しにくいのよね…。刹那は貴方への愛を宣言しそうで更にメディアに出せないわ」
「勘弁してくれ…」

残った三人は肩を竦め、今後の展開に想いを馳せた。















ニールはあの日以来仕事場に篭ってしまった。
どうやら夏物新作を追加されたようだ。
机の上で目も虚ろに鉛筆を動かす様子にライルは苦笑する。

「にーいさん」
「…ん、あ?ライルか」
「ちょっと根詰め過ぎじゃね?」
「今週中に仕上げねーとリンダさんに殺されるんだよ…」
「あと三日もあるだろ。なぁ、デートしようぜ」

ライルの発言に目を見開いたニールが、よろよろと立ち上がる。
ガシ、とライルの両肩を掴み飄々としたその顔を覗き込んだ。

「…マ、マジで?」
「おう。アンタは追い詰められるとちっとも周りが見えねぇなぁ。アンタが作ってる服はなんだ?」
「…え、えーと?」

首を傾げるニールの頬に、そっと唇を寄せる。

「俺に着せたい服、だろ?」
「っ、あ…」
「なのにアンタは俺を見ない。それじゃダメだな」
「ライル…!」

感極まったように瞳を潤ませ、ニールはライルに抱き着いた。
大型犬のように力一杯抱きしめ懐いてくる兄の背中を軽く叩き、溜息をつく。

「全く、世話が焼ける兄さんだな」
「らいるーぅ、好き好き、愛してる!」
「はいはい、俺も愛してるよ」

なんだかんだで愛し合っているらしいこの双子。
そこに第三者の介入は難しく見える。
それでもあの強い意思を宿した赤茶の瞳の少年は諦めないのだろう。




ただ一人の愛しい人のために、二人のデザイナーはペンを取る。















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ずっと書きたかったモデルライルとファッションデザイナーニール物語です^^
しかしちまちま書き続けていたせいでグダグダに…orz

あのセンスが壊滅的な兄さんにファッションデザイナーは無理でしょうが
まあパロディなので…^^

好きな人に服を選ぶのって楽しいよね!!
さらに自分が作った服なんか着てくれちゃったらもう最高だよね!
なんか自分だけのモノにした気分になれるよね!!
そんな感じでファッションデザイナーを志したニールでした。

ライルはなんだか成り行きでモデルになっちゃいました的な。
別にモデルという職業にこだわってるわけでもないです。いつでも引退できます。
でも雑誌外に出るのは嫌がる。
TVとかもっての他。
ブログは事務所にやれと言われてやっていたり。


刹那はたまたま買った雑誌でライルに一目惚れ。
もともと服飾に興味があったのがライルに惚れたことでニールと同じ考えでデザイナーを志す。




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