*invitation6*



*一期設定
*超短い


許せる方のみど〜ぞ




ライルをトレミーに連れ込んでから数日が経った。
なんだかんだとライルの存在はトレミーに馴染みつつある。

恐ろしいのはライルの順応力の高さだ。
今やティエリアとも普通に会話が出来る。

「お前さん、そのスキルはどこで身につけたんだ…?」
「は?なんのこと?」
「いや…なんでも」

デュナメスの肩に腰かけデータ整理をしながらライルが首を傾げる。
俺の必死のお願いの甲斐あって、ライルの仕事は主に俺のサポートだ。

「ん、よしと。出来たよ兄さん。休憩しないか?」
「おおサンキュ。行くかぁ」

コクピットから出て待っていたライルの腕をとり出口へ向かう。
シュン、と音が鳴り現れたのは刹那だった。

「お、刹那。シュミレートか?」

声を掛ければ刹那はしっかりと頷く。
ライルも片手を上げ刹那へ声を掛けた。

「よぉ、お疲れ。後でドリンク持ってくよ」
「…すまない」
「……はぁ」
「ん?兄さん?」

背後でドアが閉まると同時に深く溜息を吐けば、ライルが眉を寄せ顔を覗き込んでくる。

「…やっぱりだよ…」
「なんだよ?」
「……刹那の奴、お前のこと気に入ってる」
「はぁ?」

まさか、と言わんばかりに大袈裟に声を上げるライルに抱き着いた。
一瞬身を固めたライルだったが、怖ず怖ずとその両腕が背中に回る。

「…ライル、愛してる」
「知ってるよ。兄さん、どうしたんだよ?ほら、こんなとこで甘えてると、ティ エリアとかに見付かったら大変だぜ?」
「うー」
「ははは、変な兄さん」

ライルはポンポンと背中を叩いて無邪気に笑う。
子供の頃に戻ったみたいだ、なんて思って頬が緩んだ。





食堂でのブレイクタイム。
ライルが煎れてくれたコーヒーはインスタントでも美味しく感じる。

落ち着いてきたところで、刹那に感じたことを一からライルに説明した。

「まぁ、つまりだ。刹那は前も言った通り手負いの獣並に人に懐かない」
「あぁ」
「だからさぁ、なのに、だ!お前には返事もするし自分から声も掛ける!」
「兄さんには慣れたんだろ?同じ顔だから最初から警戒心薄いんじゃね?」
「違う!!絶対アイツはお前だけ特別扱いしてる!まだ本人も気付いてはないみてぇだが…」
「……なぁ、信じたくないが、兄さんの言いたいことって…刹那が俺に恋してる かも、てこと?」

ゴン、と自らの額をテーブルに叩きつけてしまった。
言いたいことは伝わったが、今更ショックを受ける。

「に、にいさん?」
「………喜ばしいことだと…思うんだけどなぁ…」

他人に興味を持たなかったあの刹那が、恋をしたなんて。
しかし相手がよろしくない。 男だなんだはこの際どうでもいい。
ライルは俺のだ!

「兄さん?なに唸ってんだぁ?」
「いや、うん、ライル」
「ん?」
「愛してる」
「……だから、外であんまホイホイ言うんじゃねぇって…」
「いいや言うね。今からみんなに宣言しに行く」
「はぁ?!!」

ライルがガタリと立ち上がった俺の腕を慌てて掴み止める。
あまりにも必死な顔で見上げてくるからちょっと萌えた。

「お、落ち着け!座れ、とりあえず!」
「…オーケイ」
「スメラギさんにも言われただろ?風紀を乱すなって。だからそれは止めよう」
「じゃあどうすればいいんだ…」
「な、なにが」
「……刹那に、ライルは俺のだってわからせるにはどうしたらいいんだよ」
「…なぁ、普通に刹那にだけ言うのはダメなのか?」
「………なんか逆に燃え上がりそうで怖い」
「なんだそりゃ」
「キスマークさりげなく見せてやったりしない?」
「アホ、それこそ燃え上がりそうだろ。て何言ってんだ俺…ないない有り得ねぇ よやっぱ!俺より兄さんの方が好かれるだろ普通」
「普通ってなんだよ?お前の方が可愛いぞ。愛したい系だ」
「なんだそりゃ!」
「んで俺は愛されたい系な」
「…それはわからなくもない」
「…まぁ、とにかくだ。刹那はお前に恋してるかもだけど…」

ライルの手をそっと掴み指を絡める。
もう片方の手は頬に添えた。

「俺はお前を愛してる。お前は?」
「…俺だって、兄さんを…愛、してる」
「ん、俺達両想いだよな!」
「あのなぁ兄さん。心配しなくても、アンタ以外の男とどうこうなろうなんて思わねーよ」
「ラッ…!」

嬉しさのあまりそのまま顔を引き寄せキスをした。

背後でシュン、と音が鳴る。
まさに、バッドタイミングだった。

「ッッ!!」
「でっ!」

目を見開いたライルが思いきり俺を突き飛ばす。
ライルは顔を両手で覆い、俺は背後を振り返った。

「…せ、刹那」
「タオルを取りに来た」
「…あー…そか」

一番奥のイスの上に忘れ置かれていたタオルを手に、刹那は無表情無反応のまま去って行った。
暫く呆然とドアを見詰めていたが、ライルのか細い声に我に返る。

「あ〜〜…信じらんねぇ…」
「刹那の奴、よく理解してなかったみたいだから大丈夫じゃないか?」
「あの角度だぞ、しっかりバッチリ見てたぞ」
「双子はスキンシップが激しいって思っただけかも」
「……そんなに世間知らず?」
「わりかし。つか、そう思っとこうぜ、精神衛生上」
「……まぁこれで兄さん的にはアピールできて良かったんじゃね」

頬を朱に染めたまま、むっと唇を尖らせ呟く姿があまりにも可愛かった。
またしてもキスしたい衝動に駆られるが我慢。

「おう、俺的にはいいかな。反応がないのが気になりもするけど」
「はぁ…刹那の顔まともに見れねぇ…」
「見なくていい」
「え?」
「お前は俺だけ見てりゃいいんだよ」

先程よりも顔を赤くしたライルが呆然と俺を見詰める。
さすがに今のは引いたかな、と思ったが本心だからしょうがない。

「あっ…あんたって人は…!!」
「お?ラ、ライル?」
「ムカツク!男前なのがすげームカツク!寒い台詞にトキめいた俺にもムカツク!!」

ライルはバンッとテーブルを叩き、喚き立てて脱兎の如く食堂を出て行った。

「ライル!!」

慌てて後を追い背中に叫ぶ。
くるりと振り向いたライルが人差し指を俺に向けた。

「アンタの次のスケジュールは筋トレ!俺はさっきのデータをデュナメスに入力 しとくから!さっさとスケジュールこなせバカ!」
「あ、お、おう?!」

格納庫へと去っていく後ろ姿を呆然と見送った後 どうしようもなく緩む頬をそのままにトレーニングルームへと向かった。










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いつもより短かったのですが
次の話に向かう都合上ここで切りました^^;

ちなみにこの二人、まだディープなキスまでしかしてませんwww





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