*一つになれれば*



*パラレル設定
*ニールが限りなく病んでます
*グロ、
カニバリズム、があったりしますので、お気をつけ下さい
*遠慮なく書いているので、
“人を食べる”というのに少しでも引っかかった方は読まないで下さい
*エロはないですが
R18とさせていただきます

許せる方のみど〜ぞ






「あぁ、ライルは本当可愛いな。食べちまいたいくらい」

夕飯の途中だった。
ほう、と溜息混じりに呟かれた兄のざれ言を鼻で笑う。

「意味わかんねぇよナルシスト」
「ちっげぇよ!ライルだから可愛いんだろー」
「同じ顔だし。つか、食べちゃいたいとかキモイから流石に」
「えーなんで?よく言うじゃねぇか、可愛くて大好きで愛おしくてたまらないモ ノに対してさ」
「だからキモイ」
「えー」

兄のブラコンっぷりは幼少の頃からだった。
いつもいつも可愛い可愛い好きだと言われ続け、俺もそれに慣れてしまっていて 。
大人になってからもその言葉に含まれる意味が、昔から変わらないと信じて疑うことなどなかった。

年を重ねるごとに
兄の愛情が歪つなモノに変化しているなどと












「でもなぁ」
「あ?なにが?」

食器を片付け終わった兄がソファでだらけていた俺の隣に腰をおろした。
俯せの俺の頭を撫で、愛おしげに見下ろされる。

「俺はライルのどこかが少しでも欠けるのは嫌なんだよ」
「……えーと、なんの話?」
「お前を食べちゃいたいって話」
「………まだ続いてたのかよソレ」

早々に相手にするのをやめて見ていた雑誌に視線を戻す。
それでも兄は気にも留めず、頭を撫でながら会話を続けた。

「小さな掠り傷も切り傷も嫌なのに。食べるためにはお前をバラバラにしなきゃ ならねぇ。
鍋に入るように細かくして、骨と肉も分けて、歯はどうしようか?食べれるのかな、骨と一緒にダシにできるかな。そんで目は…」
「おい、冗談も程々にしろよ」
「ライルに傷一つつけず食べるにはどうしたらいいと思う?」
「ふざけんな!」

気持ちが悪い。
自分の食べ方を淡々と告げられて嬉しいヤツなどいないだろう。
怒鳴ると、兄はしょぼんと肩を落とした。

「冗談じゃないんだけど…」
「尚更悪ィ!もうっ触んなよ!」

兄の手を払い立ち上がる。
胃がムカムカする、拒絶反応を示しているのだ。
ライル!と叫ぶ兄を放置してリビングのドアを乱暴に閉めた。

「なんなんだアイツ、ほんと…たまに異常にキモイ」

シャワーを浴びながら呟く。
なんとか胃のムカムカは治まったが、それと入れ代わるように兄に対するムカムカが沸いて来た。

「ほんっと、あの重度なブラコンさえなけりゃなー…」

頼れる兄貴分で、その上母親のように甘やかしてくれる。
兄の傍は心地良かった。

だからなのか
この歪んでしまった愛情に、気付かないフリをしていたのかもしれない。















あの胸クソ悪い会話から数日後、兄の職場の同僚から電話がきた。
兄が、事故に巻き込まれ病院にいるとの電話が。

「刹那!兄さんは?!」
「手術中だ。命に別状はない、安心しろ」
「ほ、ほんとかっ…よ、か…よかった…」

冷たい廊下にへたり込むと、刹那は手を差し延べつつ状況を説明しだした。
その手を借りて、傍にあるベンチに移動する。

「新薬の研究所に所用で行っていたんだが、研究室内で調整中の薬が化学反応を起こし小規模な爆発を起こした」
「爆発…ッ?」
「偶然傍にいたニールは爆発で右目をやられてしまったんだ」
「なっ…目って…!大丈夫なのかよ?!」
「爆発というより薬にやられた。その爆発を起こした薬の成分が目にイイものではなかったんだ。目以外には大して影響はないんだが…」
「……兄さんの…目は…」
「恐らく…視力を失うだろう」
「そんな!!」

兄の右目が見えなくなる。
それはとても悲しいことだ。

「…どうにか…ならない、のか?」
「…無理だ…今、薬を含んだ右目による影響が左目にないように、右目を取り出す手術をしている」
「ッ…な、うそ…そんな…」
「ニールの意思でもある。片目だけは見えていたいと」
「にいさんっ…」















「ほら、義眼、そんな気持ち悪くないだろ?違和感ももう殆どないんだぜ」

兄があっけらかんと笑ってみせた。
俺の機嫌はというと最底辺にある。

「…アンタなぁ…」
「あはは…心配かけてごめんな?明日には退院できっから…」
「そういう問題じゃねぇ!目、見えなくなったんだぞ?!」
「見えるさ」
「ッ…?」

俺の頬を撫でようと、右手がさ迷う。
まだ片目だけの距離感が掴めていない。
探し当てた頬に嬉しそうに目を細めた。

「ちゃんと見えてる。ライルのこと、左目だけでも見えてよかった…」
「…兄さんっ…」

ほんと、バカ。

涙の滲む左目にキスをした。





今はまだ気付かない。
この出来事をキッカケに、兄は狂っていく。















「……ん、な…んだ…?」

兄の右目を覆う眼帯に慣れてきた頃だった。
ついさっきまでテレビを見てたはずなのに、気付けば暗闇の中身動きがとれなくなっている。

どうやら暗闇だと思ったのは黒い布で目隠しをされていたからで。
イスに座らされいて、両手は背凭れの後ろで、足は椅子の脚と一緒に縛られてい た。

「なんだよこれ…ココ…家だよな?兄さん…兄さん、いねぇの…?誰か…兄さん !」
「ライル?」
「兄さん?!」
「起きたのか」

近寄ってくる気配。
その方向に顔を向ければ、優しい掌が頭を撫でた。

「兄さ…これ、どういうことだよ?」
「あー、夕飯のな?趣向を変えてみたんだ」
「はぁ?!」
「視覚にとらわれず素材の味を堪能してみよう!ってヤツ?どっかのバラエティでやってた。面白そうだろ?ついでにサプライズもしてみた!」
「あんたバカか?!いきなりこんなことされたら心臓に悪いだろ!今すぐ止めろ !」
「嫌だね、もう料理できたからさ」
「こンのやろっ…」
「はいはい、ごめんな?ま、楽しめってぇ」

悪ふざけが過ぎる、と怒鳴り散らしてやりたい。
そもそも拘束する必要ないだろ。
いや俺に抵抗されたくなくて拘束したんだろうけども。

とにかくコイツはバカだ。

「ほらライル、美味しくできたぜ。あーんてするから、ほら、あーん」
「…………チッ」

もう抵抗する気が失せ、ついでに腹も減っている。
舌打ち一つで諦めをつけて口を開けた。

「んっ、ん……んん?」
「おいし?」

ぶよぶよ、ぶちゅり、コリコリ
微妙に弾力のある柔らかいものが歯で潰れた後に硬めの玉が現れた。
咥内に広がる味は悪くない、でも初めての食感に疑問が浮かぶ。

「んー…ん、なにこれ…」
「わかんねぇ?」
「わかんない」
「お味は?」
「悪くない」
「…そ、そっか!よかった!!」
「兄さん…?」

兄の異常な喜びように眉を寄せる。
喜々とした声音のまま、兄は次の食材を口へ運んできた。

「答え合わせは後でな。あーん」
「ん」
「これはなんでしょう?」
「…牛肉…?」
「当たり!次は?」
「ん…んぐ…んー…えーと、なんだ…?カニ、とか?」
「ぶー、エビです」
「うそっ、意外とわかんねぇもんだな…」




暫くして、目隠しを外され目にしたのはスープだった。
今まで食べていたのはごった煮スープだったのか。

「……なんか主旨違くね?あのバラエティ、パプリカまでわかったら赤か黄色かどっちか当てるとかじゃなかった?」
「パプリカのムースなんて、俺に作れると思うかぁ?いいじゃねーか、楽しかっ たろ?」
「…あんま食べた気しねぇなこれ…。あ、最初に食べたやつ、あれなに?」
「日本の寒天」
「……かんてん…」
「ぶにぶにしてたろ?」
「見てみたい、まだあるだろ?」
「や、残念ながら特殊ルートで手にいれた食材だから二個しかなくて。一個は先 に食っちまった」
「なんだそれっ、気になるだろ!」
「はは、また探してみるからさ。さーて、ちゃんと夕飯にしますかー」
「つか、いい加減解けバカ兄!」
「あー悪ィ悪ィ」




この奇妙な食卓は、これで終わらなかった。
















次にこの状況になったのは、兄が右手を失ってからだ。

拳銃が暴発して右手首までズタズタにり、兄は俺になにも言わずにさっさと右手を切除した。
当然右目の時同様俺は悲しみ怒ったが、兄はへらへらと笑うだけ。






そして暫くして、また目覚めたら暗闇にいたわけだ。

「兄さん…片手で料理は危ないからやめてくれって言っただろう」
「大丈夫大丈夫!左手に慣れるためにもさ。ほら、美味しいぞ?」
「…はぁ」

大人しく口を開く。
入れられたのはどうやら肉。

「……う゛っ…な、これ…やだ、まずい」
「っ…だ、だめだぞーライル。身体にいいから、ちゃんと飲み込んで」
「やだ、まずいしっ…んん?!」
「食べろって」

なんとも言えない味のする肉を、兄は更に咥内に突っ込み口を塞ぐ。
強い力で押さえつけられ、苦しくなって思わず飲み込んだ。

抵抗して首を力一杯振ると、兄の指が目隠しに引っ掛かりずり下がる。

途端クリアになった視界に飛び込んできたのは、またしてもスープのようなもの。

「…え、な…に、コレ…」
「…ちゃんと飲み込んでくれたな?」

スープの中に入っていたのは、様々な食材と

人の

ゆび



「うわぁあああぁ?!!」
「見付けたんだよ、ライル」
「なっ、なに?!う、あ゛、いま、のッ…」
「お前に傷一つつけずに食べる方法をさ」
「なにいってんだよアンタ?!!」

煮崩れた手の肉をスプーンですくい、口元へと運ぶ。

「お前が俺を食べてくれればいいんだ。そうしたらさ、俺、内側からライルを食べられる気がして。ライルには傷一つつかない、だろ?」
「う、あ…うえっ…え゛」
「だめだ、吐くなよ」

襟足を鷲掴むと、思いきり引き上を向かせ開いた口に水を流し込んでいく。
吐き出したい気持ちで一杯なのに、水に押し戻されてしまう。

「げほっげっ…や、めっ…にいさ…ッ!」
「なーらいるぅ」

耳元にゾッとするほど優しい声で囁かれる。




「俺を食べて、お前の一部にしてくれよ」











1番初めに食べたアレは眼球だったんだ

ぼやける頭で思った。














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病んでるニールと、可哀相なライルでした。

友人となんでかカニバリズムの話をしていたのがキッカケです^^;
深夜のテンションだった…

いままで好きな人を食べちゃうという発想しか私にはなかったのですが
友人が、好きな人に無理矢理自分を食べさせちゃうってよくね?
って言いだしまして…「それだぁぁあっ!!!」ってなった(笑)

読んでいて気持ちのイイものではないだろうなと思いつつ
公開してしまいましたが;
自分的には楽しかったです(苦笑)

石は投げないでぇぇぇぇぇぇえorz


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