*子猫のワルツ*
*パラレル設定
*刹那がネコだったり特殊設定あり
*尻切れトンボ\(^o^)/
許せる方のみど〜ぞ
ガタンガタンと玄関先が賑わう。
何事かと思い顔を出すと、びしょ濡れのニールがなにかを抱えて暴れていた。
「……まじでソイツ猫なのか?」
「猫だろ!耳も尻尾もあるしさ!」
腕の中で暴れる子供を必死で抑えながら、ニールはライルに助けを求めた。
仕方なく動いたライルは、ふわふわのタオルでその子供を包む。
視界を塞がれた子供はビクリと震え、大人しくなった。
「おっ、ライルすげぇ」
「いいからアンタは風呂行ってこい。風邪引くぞ」
「サンキューライル!あ、ただいま!」
「ん…おかえり」
ニールからのキスを頬に受け、ライルもその冷えた頬にキスをする。
ニールは上機嫌で浴室に消えていった。
「…さて、と。コイツもあっためてやらなきゃな」
4〜5歳くらいの、黒い毛並みで赤茶の瞳をした子供を片腕に抱え直し、空いた手を使いキッチンでもう一枚のタオルを湯に浸す。
温まったタオルを適当に絞り、ソファーに移動した。
「ほら、大人しくしてろよ?怖くないからな」
そっと被せていたタオルを避け、その大きな瞳に濡れタオルを見せる。
「身体を拭いてやるから。いいな?」
言葉を理解しているかはわからないが、目を見て、声をかけてから行動に移った。
頭を拭くと、子供は低く唸ったが、抵抗はしない。
「いい子だ」
雨でぐしょぐしょに濡れた髪の毛を拭い、抱え直してキッチンへ向かう。
タオルを綺麗に洗って、再度ソファーへ。
それを何回か繰り返すと、子供は綺麗になった。
新しいタオルで包み、ソファーの上に降ろす。
子供は疲れたのか、一切の抵抗を止めソファーに沈んだ。
「今ミルク持ってくるから、ちょっと待ってろ」
「…う゛ー」
パタリと動いた尻尾を見て、ライルが微笑む。
優しく頭を撫でてからその場を離れた。
「お!綺麗になってる!」
「こーら、アンタもちゃんと頭を拭いてからこいよな」
「俺もライルに拭いてもらいたくて!」
「笑えねぇ冗談言ってんな」
しっかり温まってきたであろうニールが子供の隣に座る。
それまで大人しくミルクを飲んでいた子供は、ビクッと肩を揺らし飛び上がった。
「うわっ!」
「うぉ?!」
「シャーーーッ!」
ミルクを入れた皿がひっくり返り、それをライルがもろに浴びる。
子供はというと、ライルの隣で猫のような体勢でニールを威嚇していた。
「…あーあー…」
「わ、わりぃ。え、つかなんで刹那は俺に威嚇してんの?」
「刹那?」
「ソイツの名前」
「……アンタのことが嫌いなんじゃないの」
「んなぁっ?!」
ライルは深く溜息を吐きながら立ち上がる。
子供…刹那を包んでいたタオルで床を拭き、皿を片付けた。
「俺も風呂行ってくる」
「オーケイ」
「あ、刺激すんなよ?家具壊されちゃたまんないから」
「う…」
なんとか刹那に取り入ろうと伺うにニールに、ライルはぴしゃりと言い放った。
ニールが拾ってきた厄介事は、なにも今回に限ったことではない。
貧乏くじを引く癖のあるニールは、いつもなにかしらのハプニングを連れて歩いている。
しかし今回は
「ネコ耳と尻尾つけた子供…」
あまりにも非現実的なハプニングに、ライルは深く深く肩を落とした。
「おいおい、なにしてんだアンタ」
「おっ、ライル!目線を合わせたらいいかなーって?」
「人間の子供…じゃないか知んないけど、獣だったら目合わせるのは嫌なんじゃないか?」
床にへばりついて刹那と一定の距離を保っている兄の情けない姿を見て、ライルは目頭を押さえる。
ガバリと身体を起こしたニールは「まじか!」と叫んだ。
それに驚いた刹那の尻尾がブラシみたいになっていることに、ニールは気付かない。
『根本的に相性悪いんじゃ…』
言うとニールはまた騒ぐから、ライルは思うだけに留めておいた。
「あーもう、アンタのせいで晩飯遅くなった」
「う、わりぃ…」
「…ちょっと来い」
食事の支度もしなければならないため、キッチンで事情を聞くことにする。
「で、アレはなんなのよ?」
「ねこ、だろ?」
「俺が知ってる猫は全身毛に覆われてるし絶対人間の姿はしてません」
「まぁ、そうだろうけど。あっ、見てこれ」
手渡されたものは、銀のプレートだった。
『サンプルNO,E0010111-setsuna』
「…飼い猫…ってわけじゃないよな、サンプルってことは」
「んー、よくわかんねぇーけど。刹那は、どこからか逃げて来たんだと思う」
「……大丈夫なのか?そんな奴、ココに置いて」
「…刹那は、悲しい瞳をしてた。だから俺は連れて帰ってきたんだ」
「………ったく、ほんと兄さんはお人よしだよな」
「お前には迷惑かけないし、絶対に危険に晒したりしない。ライルは俺が守る」
「…はいはい、わかった。それと、俺もう関係者だから。アンタ一人で責任負おうったってそうはいかねーぞ」
「なっ…ラ、ライル」
「嫌なら刹那を元の場所に戻してこい。まぁ、やったら俺はアンタを殴るけど」
険しい表情をしていたニールは、フと肩の力を抜いた。
ライルの背中から抱き着き、ぎゅう、と強く抱きしめる。
「ライル、愛してる」
「手元が狂うから離れろよ」
「……ありがとう」
「…どういたしまして」
二人は、不思議な子供、刹那を“家族”に迎え入れた。
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細かい設定も続きもなんも考えてない突発ネタでした。
動物の扱いがなぜかやたらと上手いライル萌える…とか
兄さんは逆に動物に警戒されるタイプだとイイなとか
裏設定ではニルライはしっかりデキ上がってます(笑)
ニルライに刹那を放り込むのが好きらしいです私…^^