*桜*



*二期後、本編設定
*デキ上がってるラブラブ刹ライ

許せる方のみど〜ぞ





桜が見たい

ライルの一言をキッカケに、俺達は任務後の休暇をともに過ごすことになった。



ひと足先に休暇に入っていた俺は、日本の空港でライルを待つ。
次々に人がゲートから現れ、その奥に長身の彼を見付けた。

「…ロックオン」
「よぉ、刹那。お待たせ」
「荷物は?」
「こんだけ。どうせ一泊二日しかいられないんだ、荷物は少ない方がいいだろ?」
「…替えの服くらい入ってるんだろうな?」
「いや?」
「寝るときも同じ服か?意外と綺麗好きのアンタらしくないな」
「意外ととは失礼だな。いいんだよ、どうせ寝るときに服なんて着させといてもらえないだろうし、な?」
「……………言ったな」
「事実だろ、青少年」
「覚悟しておけ」
「そのつもりだよ。行こうぜ」



何食わぬ顔で先頭を進んでいくライルの腕を、そっと掴んだ。













「つーかさー…天気予報…どんな感じ?」

借りているマンションに向かう中、ライルが空を睨み付けながら呟く。
本日の天気は、残念ながら雨。

「…明日は一応、雨のち曇りだ」
「……はぁ、最悪だ。俺せっかく地上に降りっつーのに全部雨だよ」
「向こうも雨だったのか?」
「そ、おかげで任務が大変てこずった」
「の割にはスメラギが喜んでたな」
「そうかい?まぁてこずったけど完璧にこなしたからな。あー…俺って雨男だったのかなー…」

ぼやくライルは空港で買ったビニール傘を前後に揺らした。

「ついてねぇ」
「…俺はそうは思わない」
「は?なんで?」
「ライルと休暇を過ごせる」
「……ッ!お、っま…」
「休暇が被っても、アンタは一緒にいてくれない」
「……そ、りゃ…だって」
「なんだ?」
「………あーだめだ、やめやめ。続きは二人っきりん時」
「そうか、わかった」

気持ち足速になりながら、霞んだ町並みを進んだ。











「なんもねー部屋!」
「短期滞在だ、なにもなくていい」
「でもよ、テレビくらいあってもいいんじゃないか?」
「端末でこと足りる」
「…冷蔵庫ん中にはなんか入ってんのかよ?」
「………少しは」
「あーあー、思わずココに直行しちまったけど、どっか寄ればよかったな」
「ピザでもとろう」
「ピザ?!刹那が、ピザァ?!」
「…なにかおかしいか」

目を見開いて驚くライルを思わず睨む。
勝手にベッドに腰を下ろしたライルは大袈裟に身振り手振りで騒ぎだした。

「だって、刹那にそういう食べ物のイメージってなかったんだよ!」
「…6年前、日本に滞在していた時はよく食べた。最近の食事もピザだ」
「へー…ほんっと意外!」

沙滋のすすめもあって、よくあのピザ屋に注文していたのは事実だ。
自分でも気付かないうちに思い出の味になっていたらしく、日本に滞在する際には同じチェーン店を無意識に探していた。







届いたピザを二人で広げ、静かな晩餐が始まる。

ライルは、ニールと違い口数が少なかった。
ニールはまるで静寂を嫌うかのように一人でペラペラと喋っていたが
ライルは特に話題がなければ話そうとはしない。

二人きりのこの静寂が、心地良かった。



「うん、美味しかった。ポテトも最高。これでビールがありゃもっと良かったな」
「なんなら買いに出てもいいぞ」
「…そーね、うーん…。まぁ、いっか。明日花見酒?ってのやるし。な、さっさと風呂入ろうぜ」

食休みもそこそこにライルは立ち上がると、室内をうろうろしだした。

「浴室はその奥だ」
「お?おー、せまっ!二人で入れっかな?」

含んでいたコーラを吹き出しかける。
ぎょっとしてライルを見遣ると、意地悪な顔で微笑んでいた。

「地上にいる時しかチャンスないぜ?刹那が嫌ならいいけど」
「…今日はまた随分と煽ってくれるじゃないか」
「…俺だって、半月近く会えなかったのが寂しかった、とか、信じてくんねぇ?」
「…寂しかったのか?」

意外な言葉にポカンと返すと、ライルは咄嗟に顔を背ける。
長い髪の間から覗く耳たぶが、真っ赤に染まっていた。

「ッッ…ライル」
「!な、ん…」

思わず低く掠れた声が出る。
腹の底から沸き上がる欲望を抑え切れずに、ライルの傍に歩み寄り腕を掴んだ。

そして、困ったように眉を下げるライルに深く、キスをした。

















「う、わっ…あ、くうっ…」
「大丈夫、か?」
「へいき、だっ…あ、あっ…早く、奥、まで…」
「…頼む、これ以上煽るな」
「ひっ、ああああ!」

衝動のままに、廊下で始めてしまった行為。
自身をライルの胎内の奥深くまで食い込ませ、律動を止める。
戸惑うような視線を向けられ、その濡れた瞳に唇を寄せた。

「せ、っ…なぁ?」
「…二人きりの時に話してくれると言った。聞きたい」
「なん、の…こっ…と、だよ…」
「休暇が重なっても、一緒にいてくれないのは何故だ?」

先を促すように時折揺れる腰を、宥めるように撫でながら問い掛ける。

「…ぅ、あ…それは…、せつなに会うと、どうしても甘えたく…なっちまって… 地上、じゃ…恥ずかしいだろ?」
「甘えたく…」
「いい歳した大人が、隣歩く青年に…縋るよーな目してたら、はずか、しっ…」
「ッ…それは…そう、だな…。俺は少し、嬉しいかもしれない」
「へ?なに…ンッ、くぁっ!あ、あ、あァッ!!」
「周りが、そんな風に見てくれるなら…優越感だな」
「や、う!せつ、なぁ!バカ、ばかぁっ…!せぃ、かく…わるっ…」

ずっと俺を意識しているライルが愛おしくて
俺を求めてるように見えるらしいライルが愛おしくて

何も言わなくても、何かをしなくても、この男は俺のモノだと公言できているようで
少しの、優越感。



食い尽くすような狂暴な愛情を、ライルの身体に注いだ。













「…煽ったのは俺だから、文句は言わねぇよ?だから頼む、洗濯機だけは回してきてくれ」

浴室でもう一回シて、濡れた身体のままベッドに縺れ込むと、ライルから待ったがかかる。
顎を押さえた白い指先をちろりと舐めた。

「っ、だから!刹那っ!」
「終わってからでもできる」
「嫌だね、絶対忘れるから。下着しか持ってきてないんだよ、明日着てく服がないし…頼むよ、刹那」
「………わかった。では一つ、言うことをきいてくれ」
「なんだ?」

のそりと起き上がり、前髪から滴る水滴を払う。
廊下に散らばったライルの服を拾い集め、洗濯機の前に立った。

「…なんだよ?刹那」
「自分でその穴を広げて待っていてくれ」
「……あ、な?ひろげ………はぁあぁっ?!!」

悲鳴のような声が室内に響く。
みるみるうちに真っ赤に染まる顔を見て、ふと笑みが零れた。
ライルと出会い、このような関係になるまで知らなかった嗜虐心が煽られる。

「なにいってんだてめぇは?!へんたい!しんじらんねぇ!!」
「静かにしろ、隣から苦情がくる」
「ふっざけんな!もういい俺がやる!」

立ち上がろうとしたライルを手で制した。
服を見せ付けるように左右に振る。

「お前がベッドを離れたら、服を外に放り投げる」
「なっ…てっめ…!」
「いいだろう?いつもお前の望むように抱いている。たまには俺の我が儘も聞いてくれ」
「ッ…我が儘の範囲かよ、これっ…!虐めだろ、精神的DVだろっ!」
「そんなに苦痛か…?自ら俺を押し倒して挿れるより恥ずかしいのか?」
「バッ…!あ、あの時はなんかそういう気分っ……じゃなくて!い、いやだ…せつな…頼むから、変な意地悪しないでくれ…」
「…そうか、そんなに嫌なら無理強いはしない」

服を洗濯機の中に落とす。

トレミーの、お互いの部屋でしかしたことがなく
いつ誰から呼ばれるか気にせずに、開放的になれるのは今回だけだというのに。
恥も外聞も捨て、今日だけは目一杯ライルに求められたいのに。

確かに意地悪な要求だったかもしれない。
反省をし、うなだれながら洗剤をいれた洗濯機を回した。

「…せつな…」
「すまなかった、ライル。二人きりだという状況で、少し、気が大きくなっていたようだ」

ベッドに戻り、ライルの額に、瞼に鼻先に、頬に…順々にキスをしていく。

「…ちくしょ…アンタ、上手いな」
「なにがだ?」
「ほ、ら…ちょっと離れろよっ…」

俺の胸を押し、ライルは瞼を伏せた。
なにかに耐えるように軽く唇を噛む。

「…ライル?」
「んっ…」

その行為で震えながら細く息を吐く姿を凝視して、思わずごくりと生唾を飲み込んだ。

既に2回、俺を受け入れていたソコは簡単に口を開ける。

「ラ、イル…」
「っ…も、ほらっ…!これで、いいかよ?は、恥ずかしいんだから…早く、いれろよ!」

ライルは怒鳴るように言い、顔を思いきり背けた。
真っ赤な首筋に衝動のまま噛み付き、押し倒し、両足を抱え上げる。

「うっわ、ちょっ…」

首筋の太い血管からドクドクと音が聞こえた。
ライルの心音に呼応するそれが愛おしく、そっと舐め上げる。

「挿れるぞ」
「あっ…ん、」

健気にもまだ震える指先で広げるソコに、熱く硬くなった自身をゆっくりと挿入した。
途端にライルは背をのけ反らせ、悲鳴を上げる。

「くぁあぁっ…!あ、せつなぁっ…わ、わか、ぃ…なっ…やっぱ…」
「なんの、ことだっ…」
「ふっ、うう!あ、あ…全部、入った…?」
「ッ…あぁ」

ライルは確認するように、穴の回りを指でなぞった。
その刺激に震え、甘い吐息を零す。

「ぅあ…はは、すげ…三回め…なのに…全然、ぶっといまんま…」
「…っライル…辛いんだが、動いてもいいか?」
「んゃ…まだ」

むずがるように首を振り、両腕を首に回して俺を引き寄せた。
胸と胸が合わさり、更に深く密着する。

「やっぱ俺…アンタに甘えるの、大好き…」
「…俺も、ライルに甘えてもらえると凄く嬉しい」
「…今度から、休暇被ったら一緒に過ごそうな?」
「お前が許してくれるなら」
「吹っ切れた。たくさん甘やかせよ、刹那」
「わかった…。もういい加減、動くぞっ」
「ンッ、ア!うあああ!」

勢いをつけて突き入れれば、ライルの身体が面白いくらいのけ反った。
真っ白な肌に吸い付き、所有痕をつけていく。

「せつな、せっつ、…ん、ぐっ…あ、ああぁっ!」

薄くなった白濁が散った。





















「うっわー…すげー」

頭上を覆う桜の花を見て、ライルは感嘆の声をあげる。
幸運なことに、本日の天気は快晴だ。

「刹那、刹那、まじすげーよ!綺麗だなー」
「あまりはしゃぐな、目立ってるぞ」
「周りだってはしゃいでんだろ?休暇中くらいいいじゃん」

花見酒をするのだと、行きに買ったビールは俺が持つビニール袋から出ることはなく
ライルはただ純粋に、初めて見る景色を楽しんでいた。

「せつなぁ!」
「なんだ」
「カメラカメラ!撮ってやるよ、ほら、そこ立って!」
「…いや、俺はいい」
「往生際が悪ぃな、いいから立てよ」
「お前を撮ってやるから、ほら」
「嫌だね、俺は刹那を撮りたいんだ」
「ライル…」
「ンだよ…」

数秒の睨み合い。
ライルの背後に近付く人影を確認したと同時に、それは終わった。

いつもの習慣から、咄嗟に臨戦態勢に移る。

「あの、良かったら写真、撮ってさしあげましょうか?」
「へっ?あ」
「ッ…」

握った拳をゆっくりと解き、ニコニコ笑う老婆を見た。

「いいんですか?」
「ええ」
「えっと…じゃあ、お願いします」
「ここを押せばいいの?」
「はい」

老婆に促され、二人で並ぶ。

「ふふ、笑ってちょうだい。ほーら、折角の男前が台なしよ?」
「だってよ、刹那」
「……恥ずかしい」
「ははっ、刹那らしくない!」

朗らかに笑うライルにつられ、頬がふわりと緩む。
老婆はそのチャンスを逃さなかったようで、気付いた時にはシャッターが切られていた。

















「へへ、嬉しい」
「…なにがだ」
「刹那が笑ってる」
「…そうだな」
「花見、いいな」

撮ったばかりの写真を飽きもせず眺めながら、桜並木の中を進む。

「写真を見てばかりで、桜は見ないのか?」
「え?あーそっか」
「ビールは?」
「んー…いや、やっぱ、いい。刹那を見てた方が幸せだ」

ふにゃりともの凄く緩んだ笑顔を向けられ、電撃が走る思いをした。
途端に早鐘を打つ心臓に手を当て、俯く。

「せつなぁ?」
「…俺も、ライルを見ている方が幸せだ」
「ッ…!あ、う…」
「予定より少し早いが、帰ろう。二人きりの場所に」
「………あぁ」









桜吹雪の中微笑むライルは、美しかった。













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いちゃいちゃラブラブしてる刹ライが書きたかったんです!

桜真っ盛りの時に書いてたのに書き終わったら散ってしまった…;
お花見するマイスタとか絶対カワイイと思います。
二期はずっと殺伐としてて、他メディアとかでも日常風景とか出なかったから…
一期EDみたいにほのぼのするマイスタが見たかったよう!!

刹那はスケベだと思うのだ。変態的嗜好を普通だと思ってる刹那さん。
なので普通なライルはたまにドン引きです(笑)
結局受け入れちゃうライルもたいがい変態ということで…^^


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