*Compensation of the love2*



*パラレル設定
*ニールは不定期な仕事、ライルは大学生


許せる方のみど〜ぞ





なるべく人通りの少ない道を選んで帰路につく。

それでも時々すれ違う人達の視線は突き刺った。



勝手に見てろ、くそったれ。
アンタらにわかるかよ、俺の気持ちなんか。

泣きそうなのを堪えて、やっと辿り着いた我が家の玄関。
一気に脱力して廊下に座り込んだ。

「………腹、いてぇ…」

先程からじくじくと痛む下っ腹に、昨夜の出来事が夢ではないと思い知らされる。
動きたくないが、このままでは厄介なことになる。
俺はヨロヨロと立ち上がり、トイレに向かった。











多分、一時間位はトイレに篭っていただろう。
やっと鮮明になった思考を連れて、鏡を覗き込んだ。

「うーわ」

酷い顔、してる。
目元は赤くなっていて、暗く濁った瞳。
なにより酷かったのは、髪にこびりついた精液の痕。
髪が固まり所々束になってしまっていた。

「…こりゃ、見るよなぁ」

すれ違う人達の視線を思い出して、申し訳なくなる。
はだけたシャツと、そこから見える肌に無数についた赤い痕に、
噛まれたのか歯型まであった。

「公害だわな、こりゃ」

成人男性のこんな姿は目に毒だろ。

もうなんだか、何もかも自分が悪いような気がしてきて、うなだれた。

兄さんにフラれたのも
男達に犯されたのも
こんな惨めな思いをしてるのも

全部自分が悪いんだ。

血の繋がった家族に、兄弟に、双子の兄に…
あんなに綺麗なニールにやましい感情を抱いた自分を、神様が裁いた。















「ライル…?帰ってるのか?」

玄関を開けると靴が乱暴に脱ぎ捨てられていて、弟がいることを示していた。

リビングを覗き、ライルの部屋を覗き、トイレをノックしてもいない。

「ライルー?」

ふいに、シャワーの音が耳に届いた。

「風呂か。てか、早くね?」

昨夜のこともあり、顔を合わせるのは少し勇気がいるけれど
ライルがどこで一夜を過ごしたのかも心配だったし、
酒を呑んで酔っ払ってシャワーを浴びてるかもと思うともっと心配だった。

俺に心配されるのは、今のライルなら嫌がるだろうが…



浴室を覗くと、磨りガラスの向こうに人影が見える。

「ライル、開けるぞ」

返事を待たずにドアを開けた。
そして目に飛び込んできたのは

「なっ、ライル!」

衣服を身につけたまま、座り込んで頭からシャワーを浴びている姿。
身体に冷気が纏わり付く。
ライルが浴びているシャワーはお湯ではなく、水だ。

「お前!何やってんだ!」
「…兄さん」
「冷たっ…おま、どんだけこんなもん浴びてた?!身体壊すだろ!」
「…お帰り、兄さん」

慌ててシャワーをお湯に切り替え、ライルに宛てる。
シャツを脱がそうと手をかけると、思いがけず強い力で抵抗された。

「な、んで…おい、脱げって」
「脱ぐよ、わかったから、兄さんはもういいよ。兄さんまで濡れる」
「俺のことはどうでもいい。だから」
「出てってくれよ!!」

唐突に怒鳴りつけられ、身体が硬直する。
怒鳴ったライル自身も驚いたらしく、目を真ん丸にして固まっていた。

「あ、えと…ごめん。大丈夫…だから」
「いや…こっちも気が利かなくてごめんな…」
「……俺、が…悪い…んだ…ぜんぶ…」

言いながら、ライルの身体が傾いていく。

「ラ、ライル?!」

慌てて抱き留め、もろにシャワーを浴びた。

「っ………おい、ライル、ライル!大丈夫か?ライルッ」


意識を失ったライルを抱き上げ、床が濡れるのもお構いなしに浴室を出る。
横たえて改めて見たその身体に、息を呑んだ。

「………なん、だよ。これ……」

一目見てわかる程、酷い情痕が白い肌に無数に散らばっている。
ライルが服を脱ぐのを拒んだ理由はこれだった。

頭の中が色々な推測と予想でぐちゃぐちゃになる。







そして行き着いたのは、激しい怒りと、凄まじい後悔。

「ライル…」













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兄さん、ライルの姿にびっくりするの巻(やめなさい)

暗い話だもんだからついつい後記でふざけたくなる…(´Д`;)
前髪に白濁こびりつけて泣きそうな顔して歩いてるライルんとか見たら捕獲したくなる。
個人的に冷水シャワーを呆然と浴びてる姿ってすげーソソります!(変態!)

あと一個!!


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