*キッカケは突然に*



*パラレル設定
*枕営業ライルで、バイなライル

許せる方のみど〜ぞ





テーブルには数枚の資料が並び、ライルは目の前の商談相手に熱弁をふるっていた。

「ふん、中々いい話じゃないか」
「ありがとうございます」

偉そうに座る男は眺めていた資料から目を離し、ライルを見遣る。

「…それで、もう一声はあるんだろうね?」
「あ、はい。もちろん更にこちらの…」
「ディランディ君」

鞄から新たな資料を取り出そうとしたライルを呼び止めた。
顔を上げたライルは、男の視線の意味を理解し、妖艶な笑みを浮かべる。

「…場所を、移動させて頂いてもよろしいですか?」
「あぁ、構わないよ」

男が満足気にいやらしく笑った。













男と二人、ホテルを出る。
呼びつけておいたタクシーに商談相手を乗せ、ライルは深々と頭を下げた。

タクシーが見えなくなるまでその場で見送る。

「……さ、てと。帰りますかね」

怠い腰を摩り、ライルは歩き出した。



「らっ……ライル!」

上擦った呼び声に、ライルは目を丸くして振り返る。
視界におさめた姿を見て、溜息を零した。

そこには苦虫でも噛んだような表情をした、双子の兄、ニールが立っていた。













「……あの、さ。お前…あの男…」
「……商談相手だよ」
「商談相手って…ホテルで、商談か?」

暗い帰り道を歩きながら、ニールが遠慮がちに問い詰めてくる。

「…そうだ。何か問題あるか?」
「っ…大アリだろう!お前っ…」
「こうでもしなきゃ、でかい企業には勝てねーんだよ」
「……でも、そんな…身体に、悪いだろ…」
「ちゃんとすりゃ、なんも悪くねーし」
「…ライル…」

咎めるような兄の視線が、痛い。
ライルは頭を振った。

「兄さんには、関係ないだろ」
「なっ…!」
「あぁ、ごめん。同じ顔だから関係あるな。大丈夫、兄さんには迷惑かけねーよ」
「ライル!」

唐突に胸ぐらを掴まれ、壁に叩き付けられる。
肩と腰に走った痛みに、息を詰めた。

「っ……てぇな!」
「ライル、なんでお前っ…俺が、どんな気持ちか…!」
「……兄さん?」

首元から手が離れていき、掴まれてはだけたシャツの隙間に、ニールの指先が触れる。

「…俺は…ライル…俺、お前の、こと…」

つぅ、とニールの指先が辿ったそこには、キスマークがついていた。
悲しげに歪む瞳の奥に、妖しい炎が灯っているのを見つけ、ライルは目を見開く。

「兄さん?まさか…」
「………くそっ…」

キスマークに触れていた指先が、それを掻き消すように引っ掛いた。
チリッとした痛みにライルは顔を歪める。

「…兄さん、俺と…ヤりてーんだ?」
「っ…!」

ライルの問い掛けに、ニールは拳を握りしめ、何も言わなかった。

「……はぁ。俺とアンタ、同じ顔なのに…俺なんかのどこがいいんだ?兄さんってすげーナルシスト?」
「お前と俺は…別だろ…」
「そうだけど…遺伝子は全く同じモンだぜ?」
「でも、違うっ!」
「…だから俺がいいの?」

ライルには理解出来なかった。
確かに男に好かれる容姿だとは自覚している。
だがその容姿を、この兄もしているのだ。
女にも男にもモテるニールが、何故自分なんかとシたいのか、わからなかった。

「………俺は、ライルを愛してたんだ…ずっと昔から…!」
「俺達は双子だぜ?」
「だからっ…お前は…生まれた時から、俺が守ってやりたい、愛したい、ただ一人の人間で…だから、俺はこの気持ち、我慢してたのに…!」
「兄さん…」
「お前は俺意外の男とっ…!ずっと、こんなぁっ!」

怒りと悲しみがないまぜになった瞳に、射抜かれる。
首に感じた圧迫感に恐怖を覚えた。

「うっ…ン!」

動けないように、首に手をかけられ、深く深くキスをされる。
息苦しくて、逃れたくてニールの胸を押すが、ビクともしなかった。

酸欠に陥り、頭が朦朧とし、涙が一筋零れる。

「…っ、ぃ、ふぅ…あ…」
「……悪い、ライル」

唇を離した頃には、お互いみっともない程に息を荒げ、頬を紅潮させていた。

「ライル、ライルライルライル…愛してんだっ…ライルのこと、愛してるんだっ …!」
「…に、ぃ…さん…」

不意に抱きしめられ、ニールの言葉が胸に染み込む。

「…ライル、ごめんな。ライル…愛してるんだ…」
「なんで…謝るんだよ…」
「…迷惑、だろ?こんな、ダメな兄貴に…お前にとって目障りでしかない奴に、こんな告白されて…」

確かにライルはニールを遠ざけていた。
幼少の頃から、出来のイイ兄と比べられるのが嫌だったから。

でも、本心から憎んでいたわけでも、嫌っていたわけでもない。

「兄さん、俺も…兄さんのこと、嫌いじゃ、ない」
「ライル?」
「だから…あの…兄さん家…連れてけ、よ」
「ラッ…」
「こんな!こんな…街中で、恥ずかしいからっ…」

先程のニールの怒鳴り声は、割と大きかった。
閑静な住宅街だからこそ、気まずい。

「そ、そうだよな。悪い、俺でけー声出して…」
「いいからさ、ほら、早く行こうぜ」
「駅前に、車あるから…」
「…ん」

ニールの車に乗り込み、二人は無言で車道を走った。













「……へぇ、こんなトコに住んでたんだ」
「住所教えたろ」
「あ〜、見てなかった」
「ハハ、酷いな」
「しかし…こんな高そうなマンションに一人暮らしなんて、兄さんてなんの仕事してんの?」
「あれ?言ってなかったか?」
「多分」
「SPだよ、要人警護」
「えっ…す?!マジで?!!」
「おー」

初めて知った兄の職業に、なにやらドでかい壁を感じざるをえない。
ライルはポカンと、広いリビングを見回した。

「……儲かるのな」
「…そんなことより、さ。ライル…」
「ッ…!」

後ろから抱き込まれ、するりとネクタイが解かれる。

「俺は…お前を抱きたい…」
「……さっきの、エロ親父との痕跡が…残ってる」
「別にいいよ、全部、消してやるから」
「ふ、ぁ…兄さん…」

敏感になっている肌を、ニールの指先が楽しそうに滑った。
たまらずライルは身をよじる。

「あ、のっ…ベ、ベットがい…」
「後でな」
「なっ…お、おい…」
「我慢できねーよ」
「寝室なんざ、すぐそこじゃねーのかっ」
「1番奥の部屋なんだ、寝室」

この広いマンションには、一体いくつ部屋数があるというのか。ライルは観念した。

「う、あっ…あっ、あ」
「可愛い…ライル。夢みてーだ」
「ゆ、め、だったら…どうすっ…る?」
「…目が覚めたら、現実のお前を抱きにいくよ」
「っ…ふ、兄さんて変だよなぁ」

背後から、乱されていく。
シャツのボタンは全部外れ、ベルトも外され、ズボンのジッパーがゆっくりと降りた。

「もう、勃ってるな」
「うる、せっ…」
「俺も勃ってるよ」
「ヒッ…」

ライルの腰に、ソレを押し付ける。

「に、兄さんっ…ぅ、あ」
「お前…キスマーク隠すために襟足伸ばしてたりする?」

前を弄りながら、うなじに唇を寄せるニールが呟いた。

「ち、がっ…そ、じゃ…な、けどっ…」
「…ライルの首、真っ白で細くて…綺麗だもんな。痕、つけたくなるんだな」
「ふぁ…あ、あ…」

髪で隠れたうなじには、薄くなったものから、先程つけられただろう鮮明なものまで、複数のキスマークがついている。
ニールはそれらの痕を片っ端から塗り替えていった。

「ふぐ、う、うぅ…も、た、たって、らんな…」
「ん」

ゆっくりと床に座り込み、力の抜けた身体を俯せる。

「やっ…あ、」
「…うち、ローションねーんだけど…」
「っう、ふ…ン、だ、いじょ…じゃ、ね?さっき…シた、しっ…」
「ならいいけど…」

ズボンをパンツごと引きずり落とし、あらわになった尻を鷲掴んだ。
ライルの身体がビクリと跳ねる。

「あ、アッ!」
「…赤く、腫れてる…」
「あ、んまっ…見んなよぉ…」
「悪ぃ」

ライルが出した精液をソコに塗り込み、自身の唾液を指に絡めて、グ、と入れた。

「い、あ、あっ!」
「っ…気持ち、良さそうだな、ライル」
「んっ、ふぁ…に、さっ…んんんっ」

見付けた前立腺を容赦なく擦れば、ライルは頭を振って喘ぐ。

「…っ、も、我慢できねー」
「へ…?あ、う…ま、兄さん、まだっ…」
「う、くっ!」
「いぐっ?!う、あああ…か、はっ…!」

ろくに慣らしもせずに、ニールが胎内に侵入してきた。

「あ、いや、ああぁっ…!くる、しっ…」
「ラ、イル…力、抜けねーっ…か?」
「でき、ら、くろ…しな…あっ、ぐ!」
「だよな、悪ぃ」

口では謝罪をしても、ニールはお構いなしにライルの中を蹂躙していく。
ライルは必死で深く呼吸をし、兄を締め付けるソコを緩めようとした。

「ふぅっ…はっ、は…んぁ…あ、ああああっ!」
「ンッ…ん、よし。見付けた」
「ひゃ、あ、う、あ、あっ、や、にい、さっ」「中、絡みついてくるみてーになった。気持ち良いんだな、ライル」
「ふぐ、うぅっ、バッ…カヤロ…死ねっ…!」
「悪ぃ悪ぃ、ライルがあんまり可愛いから」

腰を突き入れながら、浮き出た肩甲骨にあるキスマークに唇を寄せる。
ぢゅ、と吸い上げれば中で強く締め付けられた。

「あ!やぁぁ…っ」
「…ィル、ラ、イルッ!」
「いあ、あああ、あっ、に、にい、さっ…ら、や、らぁ…っ!ひぁっあ」
「あ、も、イ…くっ…!出す、ぞ。ライルん、中!」
「へ、ぅ、や、らぁっ!にいさ、兄さん!うぁ、ああああっ!」





視界が白く染まり、胎内がじんわりと熱くなる。
耳元に吐息を感じて顔を上げた。

「に、さ…」
「ん…ライル、愛してる…」

















数時間後、ベットの上でライルはぐったりとしていた。

「………も、なんも、でね…」
「んー、俺もー」
「…ら、抜けよ、バカ」
「嫌だね、ライルん中にずっといたい」
「こんな恥ずかしい、カッコで…救急車とか、嫌…」
「じゃあ、抜けなかったらずっとこのままだな」
「アンタ…いっぺん死ねよ…」
「ハハ、ライル、可愛いなぁ」

何を言っても聞かない兄にうんざりとし、中で腐っても知らねーぞと呟いた。

「………なぁ、ライル。愛してるんだ」
「…あぁ」
「だから……俺、もうお前に、他の野郎とシて欲しくない」
「…あのなぁ、俺も生活かかってんだぞ」
「だから」

繋がったままの身体で、ぎゅう、と強く抱きしめるられる。
その拍子にあらぬ場所を擦られたライルは、嬌声を上げかけるがなんとか飲み込んだ。

「だから、さ。ライル。俺と…一緒に暮らさねーか…?」
「…………は?」
「お前が会社辞めても、俺一人の稼ぎでお前を養える」
「兄さん…」
「ライル、ずっと俺と一緒に…いてくれよ…」

ニールの甘美な囁きが、ライルには毒のように感じた。

今まで逃げていた分、兄の願いを叶えてやりたい。
ニールと繋がって、初めて気付いた。

多分ずっと昔から、自分が愛し愛されたかったのはニールだけだと。

「………いいよ、兄さん」

ニールの身体が強張り、身体が離れる。
やっと目を見て話ができた。

「兄さんの傍に、ずっといてやる。誰ともシない。だから兄さんも…」





ずっと俺の傍にいろよ。







ライルは会社に辞表を出した。

















(俺、飯は作れるけど洗い物苦手)
(ライルの手料理毎日食えるのか?うれし〜なぁ〜)
(つか、兄さんが仕事の間俺かなり暇じゃね?)
(そーだな)
(………なぁ、バイトとか、やってもいい?)
(……………………女性が多いとこなら)
(…兄さん、俺、バイだからな)
(もう誰ともシねーって言ったじゃねーかぁ!!)
(兄さんは野郎とスんなって言ったんだ。女の子ならいいんだろ?)
(……よし、よーくわかった。俺以外には勃たねー身体にしてやるぜ…)
(え゛、ちょ。兄さん、今の冗談…ちょ、うわああああ!)
(覚悟しろよ!ライル!)













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身体を武器に営業先と戦う枕営業らいるんでした!

ホテルから出てきたとこを兄さんに目撃されちゃって、兄さんとなし崩し的にアーッってカンジです。

ところで、SPなCBってよくないですか?なんだか凄く萌なんですけど!
探偵会社とか殺し屋とか警察とかでも萌るんですが、でもなんかこう…SPが!!!
個人的にかなりツボなんです^^


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