拍手お礼SS  刹ライ *夏風邪*




※年下の恋人の高校教師ライルと生徒刹那のお話です。



教室に入って感じた違和感。

出席をとろうと、出席簿を開いた時にその正体に気付いた。
刹那の名前の後に、“欠”の字が記されている。

『そっか、刹那欠席なのか…』

途端に寂しくなる気持ちをごまかすように、俺はいつもより大きな声を出していた。






「…出ねぇし…」

昼休みに電話をかけてみれば、一向に繋がる気配はなく、ガクリと肩を落とす。

電話に出れないほど具合が悪いのだろうか
一人暮らしだから看病もされていないだろう

考えれば考えるほど不安になっていき頭を掻きむしった。

「どうした、ライル」
「うわぁっ!!ク、クラウス!」
「…?挙動不審だぞ?」
「な、なんでもねーよ?ハハハ…」
「なら構わないが…早く弁当食べないと昼休みが終わってしまう。 午後は確か実験じゃなかったか?」
「やっべ、そうだった!!」

慌てて弁当を掴み口の中におかずを放り込んでいく。

とりあえず今日は仕事を終えたら刹那の家に行こう。
そう心に決めながら弁当を片付けた。










インターホンを鳴らせば、少し経ってからドアが開く。
そこには目を丸くした刹那が立っていた。

「よ、元気…そう?」
「せんせ…い…」
「上がっていいか?」
「あ、あぁ、もちろんだ」

今まで寝ていたのだろう、後ろ頭の毛が跳ねていてる。
それが面白くて前を歩く刹那の頭に手を伸ばし撫でた。
振り向く刹那の表情は、怠そうだが嬉しそうで、心がほわりと暖かくなる。

「具合、どうだ?」
「熱は朝より下がった」
「どれどれ、今は?」

額に手を当てれば、汗でしっとりと湿っていた。
平熱より明らかに高い。

「…まだ結構あるな」
「朝よりは楽になった。昼間は寝ていて電話に気付かなくて。 今お前に連絡しようと思っていたんだが…」
「あぁ、気にすんなよ。飯食べたか?」
「いや…」
「だろうな。よし、寝てろ。飯作ってやるから」
「しかし…風邪がうつるかも…」

刹那を無理矢理ベッドに座らせて頭を撫でてやる。
ビニール袋から取り出した冷えピタを額に貼付けて身体を倒した。

「弱ってる時くらい、先生に頼れよな」
「………ありがとう…」










カチャリとスプーンがお碗に戻される。
刹那は満足げに微笑みながら言った。

「うまかった」
「そうか、良かった」
「具合が良くなった気がする」
「ははっ、大袈裟だろ。あー37°ちょいか… 今のうちにシャワー浴びてこいよ、汗だくで気持ち悪いだろ?」
「そう、だな…そうするか…」

そうは言ったが動こうとしない。
首を傾げて刹那の顔を覗き込めば、不安げに揺れる瞳とかちあった。

「どうした?」
「…シャワーから出たら、いない、とか…じゃないよな?」
「いない?え、俺が?」

心臓がきゅーんと音を立てる。
無言で頷いた刹那の頭を目茶苦茶に撫で回してやった。

「いるいる!だって今日は泊まるしな!」
「とま、る…?」
「明日は休みだし、付きっきりで看病してやるからさ。月曜はちゃんと登校しろよな?」
「……あぁ」

ヤバイ。
いつになく可愛い。
心臓がさっきからキュンキュンと鳴りまくっている。
いい歳して恥ずかしいことこの上ないが狙い撃たれた!

「じゃあ、入ってくる」
「お、おう!行ってこい!」

いつもの男前な刹那に慣れていたため、この年下らしさがギャップとなり凶器に思える。

「やーべ、かわいい…」

ポリツと呟き、食器を片付けるべく立ち上がった。








シャワーから出た刹那の頭をバスタオルで包み、拭いてやる。
まだ眠くないという刹那を無理矢理ベットに倒してシャワーを借りに向かった。

勝手知ったる他人の家。
俺用のシャンプーリンスもあれば洗顔もあるし、タオルも下着も常備してある。
同様に俺の家にも刹那の私物があるわけだが。





風呂を出ると、刹那がジットリとした目線をこちらに向けてまだ起きていた。

「コラ、寝ろっつったろ」
「…眠くないんだ」
「風邪治すには栄養あるもん食ってたくさん寝るのが1番なの!ほらほら」

瞳を覆うように手を乗せ、刹那のお腹あたりをリズミカルに叩く。
暖かい手が俺の手に絡み、やんわりと持ち上げられた。

「顔が見たい…」
「…ん」
「ライル…好きだ」
「俺もだよ、刹那」
「明日までに、必ず治す」
「ん」
「だから、明日は」

たくさんくっつかせてくれ。

刹那のその言葉に、顔面に熱が集まるのがわかった。
情けなくも顔を真っ赤にしてうろたえる。

「わ、わかったから、寝ろって」
「あぁ」

繋がれた手はそのままで。
だんだんと閉じていく瞼を見詰め、閉じきったそこにキスをした。

「早く治りますように」

起きたら、たくさん甘やかしてやるから。





たまにら風邪もいいよな、と刹那の寝顔を眺めひっそりと思った。





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拍手ありがとうございました!

弱ってる刹那は絶対に可愛いですよね!
なんだかんだライルも兄気質があるので、年下に弱いといい^^
これ教師と生徒にする必要があったのか… でも学校パラレルは大好物です(笑)



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